中二病君の一年 July1


あり


▼7月1日
明日から期末試験である。全くもってわずらわしい。
テスト――この俺を試すだと。それが許されるのは唯一神であるクレーメンスのみだというのに。
と、俺は高らかに主張した。
『それはともかく、この調子ならきっといい点がとれるよ。そうだな、80点以上だったらご褒美をあげよう』
なにがそれはともかくだ。
ノーチェンジ男こと家庭教師は人の話を聞かないところがある。
それにしても雇われ家庭教師の身分でこの俺に褒美などと、無知とは愚かなことだ。褒美というのは目上が目下に与えるものである。
『じゃあ、次郎君が俺に褒美をくれるのか。楽しみだな』
ということになってしまった。何故だ。


▼7月2日
そしてテスト初日。
登校するとクラスメイトの庶民達が『数学勉強したー?』『全然勉強してねーよ。やばい』などと言い合っている。
ふふん、馬鹿どもめ。勉強していないと主張する奴ほど影でこそこそ勉強しているものだ。浅はかな子供である。
ちなみに俺は全く勉強しなくてもできてしまう。そんな俺に家庭教師がついたとあっては高得点を取るのは最早決定事項なのである。
直前まで家庭教師と共に作ったノートを眺める。
何だか隣から鋭い視線を感じた気がしたが俺は無視した。テストはよくできたように思う。当然のことだが。


▼7月6日
委員長はテスト前になるといつも教えを請う生徒どもに囲まれている。
他人に頼ってばかりの愚民どもには呆れるばかりである。
何はともあれテストは終了した。優秀な俺には物足りない内容であった。
家庭教師から調子を聞くメールがきたので仕方なく返信してやった。この俺とやりとりできることのありがたさを分かってなさそうなのが気に食わないが。
帰ろうとしていると、相模に声をかけられてしまった。
『おい、ちょっと来いよ』
なんだか目が据わっていた気がする。思慮の足りない奴のことだ、テスト前に一夜漬けでもして寝不足なのだろう。
とにかくよく分からないうちに俺は人気のない廊下の壁に追い詰められていた。
ギラギラした目で見下ろされる。そう、まるでトイレで衆道したときのように。
『……まさかお前、また俺と衆道したいのか』
『なっ……』
相模の顔がかっと赤くなったかと思うと、いきなり突き飛ばされた。何と粗暴な男だろう。
『くっ、何をする。俺の理性があるうちはいい、しかしひとたび王族の秘力が覚醒してしまったら、取り返しがつかないことに』『ふざけてんじゃねえぞ! 誰がお前なんかと』
と眉を吊り上げつつ、相模が不敬にも俺を睨みながらにじり寄ってくる。
何故か奴の手が俺のシャツのボタンにかかった。そのときだ。
『おい、お前達』
いつぞやを思い出すようなタイミングで、宮田教師が現れた。
『ちっ、またあいつかよ』
相模が忌々しげに舌打ちする。忌々しいのはお前の存在である。
『こんなところで何をしていたんだ』
『ちょっと話してだだけですよ。じゃあ俺もう帰るんで』
相模はさっさと去っていった。ふん、逃げ足だけは速いな。
しかし運のいい奴め、俺の力が覚醒していたら五体満足ではいられなかったぞ。
『大丈夫か、何かされたのか』
『いや、一体何がしたかったのか、俺にもさっぱり分からない』
『……お前、意外と図太いな』
『ふっ、それほどでもない』
褒められるのはまあ悪い気はしない。俺は胸を張った。宮田教師は溜息を吐いた。何事にも動じない俺に惚れ惚れしたのだろう。王子として当然の素養である。


▼7月10日
テストが返ってきた。結論から言うと俺の成績は中々のものだった。
俺としてはあまり優秀な姿を庶民どもに見せ付けて注目されるのはよろしくないのだが、仕方がない。
数学の難問などは、俺と委員長だけが正解したと教師が言っていた。流石は俺、そして俺が見込んだ男である。
『やるな、安斉』
普段はあまり笑わない委員長が、そう言って笑った。まあ当然のことなのでそれほど嬉しくはなかったが。俺と委員長、二人だけが特別な存在であることなんて別に嬉しくなかったが。
席に戻ると相模にまた机を蹴られた。もし机に魂が宿っていたら今頃相模への恨みで呪われているに違いない。


▼7月13日
家に家庭教師が来た。
『おめでとう。思った以上にいい点数だね。教えたかいがあったよ』
『うむ、褒美をつかわそう』
『ご褒美かあ……これが片方女の子なら、やらしい展開にしたいところだけど』
『男同士でもいやらしいことはできるぞ。知らなかったのか』
俺が言ってやると、家庭教師がピシリと固まった。どうやら知らなかったらしい。物を教える立場のくせに俺より知識がないとは、まだまだだな。
『男同士って……そういうこと、知ってるの?』
『当然だ。おち○ぽを扱いたり、精液をかけられたり、乳首を弄ったり、男同士でも色々できるぞ』
『もしかしてやったことあるの』
『まあな。しかし未経験でも恥じることはない。衆道は高貴な人間のたしなみで――』
『じゃあ、ご褒美に俺にも教えて』
ありがたい講釈を不敬にも遮って、俺をじっと見つめながら家庭教師は言った。

『そうだな、ではまず』
『次郎君、色が白いね』
俺の説明を無視して、家庭教師が勝手にシャツを脱がせてくる。やはりこの男は人の話を聞かないところがある。そんなことでは王族の教育係足りえないぞ。
『……乳首はピンク色なんだ。触ってもいい? 指でくりくりして勃起させたいな』
『い、いいだろう……あんっ』
家庭教師の指が俺の乳首を摘んだ。じんっと甘い痺れが走って、高い声が出た。
こすっこすっこすっ、くに、くに、くに、くに…くりっくりっぐりぐりっ
『あっあんっあんっああんっ…』
『すごい、敏感なんだね。女の子より敏感なんじゃない?』
それは褒められているのだろうか。気持ちよくてじんじんして、頭があまり働かなかった。
『ほら、もう勃起してコリコリになっちゃったね。小さいのに、誘ってるみたいにエロい色で尖らせて……。あーやらしい』
『ああんッ強くしないでぇ…あっあんっはぁっ』
家庭教師は乳首の側面を掴んで、指を擦り合わせるみたいにして転がしていた。時折強くぎゅっぎゅっと搾ったり、摘んだまま別の指で先っぽをくりくりしたりする。
全部気持ちよくて、腰が揺れておち○ぽからいやらしい汁が出てきてしまう。
家庭教師が掠れた声で訊いてきた。
『それから、どうしたらいい?』
『ぁん……おち○ぽ、触って……』
『触るだけでいいの?』
『扱いて、濡れ濡れのおち○ぽ弄って、気持ちよくしてぇ……』
『――淫乱』
家庭教師は乱暴に俺の部屋着の中へ手を突っ込むと、濡れたおち○ぽを握って扱き始めた。気持ちよくて頭がぼうっとした。
『熱くて、すごく濡れてる……乳首だけで女の子みたいに濡らしちゃったんだ』
『ぁんっ、あっはぁん…』
ぐちゅぐちゅといやらしい音がする。触られなくなった乳首がじんじん疼いた。
『あっあんっ乳首っ、乳首も触って……あんっ、舐めて…、ぁっあっ』
『――やばいな、ちょっとからかうだけのつもりだったのに』
家庭教師は乳首にむしゃぶりつきながら、おち○ぽの一番気持ちいい先っぽを指で強く弄ってきた。熱い粘膜に乳首が包まれて、おち○ぽはビクビクして、頭が真っ白になってしまう。しかし衆道とはどう感じたのかはっきり伝えなくてはならない。俺は必死に訴えた。
『あぁんっ気持ちいい……乳首れろれろ舐められながらおち○ぽいじられるの、ぁあっんっ、きもちいっあっあッ』
『っエロすぎ……おち○ぽビクビクしてるよ、イきそう?』
『あんっそんなに強くしたらっいくっいっちゃうっ…あっあああんっ』
家庭教師が乳首をめちゃくちゃに舐めながら吸って、おち○ぽをぐちゅぐちゅ扱くと、体がびくっびくっと大きく震えて俺はイった。
『あぁ……はぁ、ん……』
余韻でぐったりしていると、家庭教師に体を強く抱き寄せられ、囁かれる。
『気持ちよかった?』
『うん……。じゃなくて、ああ、中々だった、ぞ』
『そっか、可愛いね。次は、俺も気持ちよくしてくれる?』
手をとられ、やたら熱くて硬いものを握らされた。何故か胸がドキドキする。
『わ、分かった、褒美だからな、俺がしてやろう』
脱がせると、隆司のものみたいな大人おち○ぽが飛び出してきた。赤黒くてそそり勃っていて、血管が浮き出してビクビクしている。
握るとずっしりと太いそれを扱き始めると、家庭教師が低く掠れた声で言った。
『あ、待って、フェラしてほしいな』
『フェラ……?』
『え、もしかして知らないの?』
『くっ……』
衆道に関しては完全に俺のほうが先をいっていると思っていたのに、知らないと認めるのは矜持が咎めた。しかし俺は知らないことを知ったかぶりするほど子供ではないのだ。
『まあ、よくは知らないな。教えられてやらないこともない』
『……そっか、知らないのか。ちなみにアナルセックスは知ってる?』
『……?』
『おち○ぽを、君の中に挿れられたことはある?』
何を言っているのかよく分からないので、仕方なく俺は首を振った。決して負けを認めたわけではない。
すると家庭教師の表情がいくらか和らいだ気がした。
『じゃあ、俺が全部教えてあげるから安心して。まずフェラって言うのはね、おち○ぽを口で気持ちよくすることだよ』
『口で……? 汚くはないか』
『相手次第じゃないかな。俺のは汚くて嫌?』
なんだか熱っぽい目で見つめられる。まあ家庭教師のことは汚いとは思わない。清潔そうではあるし、人間として認めていないわけではない。
それにこれは、俺が奴に与えるご褒美なのだ。
『――分かった、やってやろう』
俺はギンギンのおち○ぽに顔を近づけた。近くで見ると迫力があって、血管がビクビクしているのも鮮明に分かって、落ち着かない気分になる。
『まず、先っぽを舐めて』
『こうか……?』
『っ、そう、いいよ』
ペロペロすると、先端から汁が滲み出てきた。少し変な味がするが不快というほどでもない。これなら問題なくできそうだ。何せ俺は何をやっても人よりこなせてしまう男である。
汁が出てくる穴を舌でぐりぐりすると、おち○ぽがビクっと震えて更に硬くなった気がした。
『、次は、咥えてくれる?』
『分かった……んぅっ……』
先端を口に含む。何せ太い上に亀頭は更に大きく張り出しているので、咥えるだけで大変だ。
『動いて……そう……』
『んっ、んっ、んっ……』
先っぽのほうの一部しか咥えられていないが、しゃぶりながら何とか上下に動く。カリと茎の境目を唇が扱くと、気持ちよさそうな吐息が聞こえてきた。
『ごめん、我慢できない……っ』
『んっ、んんーっ!』
いきなり頭を掴まれたかと思うと、家庭教師がいきなり腰をガンガン振り始めた。
強制的に口の中がいきり勃ったおち○ぽでいっぱいになり、苦しくて、なのに何故かゾクゾクした。
『あー、次郎君の口マン気持ちいいっ……』
『んっんっぅんっふっ』
何度も何度も口に突き入れられる。一方的にされるだけなのも心外なので、俺は必死に舌をおち○ぽに絡ませたり吸ってみたりした。
『すごいっ、あーいきそ、ね、顔上げて? っフェラ顔可愛いよ。いくよ、次郎君の口マンの中にっ…あーいくいくっ……!』
『んっんんんーっ』
家庭教師はギラギラした目を俺の目から逸らさないまま高速で腰を振って――おち○ぽが大きく膨れ上がったかと思うと、熱い液体が口内にびゅくびゅく出された。
『はぁ、はぁ……すごいよかったよ、次郎君』
『んっ、はぁっ、あぅ……』
不覚にも俺は息切れして言葉をかけてやる余裕もなかった。そんな俺の頭を撫でながら、家庭教師は更に何かをしようとした。
『じゃあ、次は――』
『ただいまー』
そこで玄関から帰宅を告げる声が聞こえた。そう、恐ろしいあの女の。
不覚にも俺はびくりとしてしまった。何故か家庭教師もびくりとした。
『…………続きはまた、今度ね』

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