昼下がりのバイブ 03


あり


「ほら、あなたのせいでこんなになっちゃいましたよ」
「あっ、ああぁっ……」

大きくてグロテスクなペニスがどくりと脈打つ。
自分に欲情してこんなにしてしまったのかと思うとたまらない気分になる。

「エロい顔してますよ。発情しきったメスの目でち〇ぽ見てる……。これが欲しいんですか? バイブの代わりにズッポリ奥までハメて突いてほしいんですか、ねえ」
「〜〜っ、だめ、そんなのっ……」

勃起したペニスを挿入されるところを想像して、全身に甘い期待が走ったが、楓は何とか否定した。
挿入までさせてしまったら、完全にセックスだ。いくら不仲とはいえ結婚している身でそんなことをするなんて、いけないことだ。

「ほしくない? 旦那さんに悪いからですか? こんな淫乱な体を放置してるような男なのに」
「ひっあああっ!あッあひっ、あああんっ」
「あーエロい。生の男のち〇ぽはもっと気持ちよくなれますよ。こんな突っ込まれるためにあるような穴、旦那さんが使わないなら他の男にハメられても仕方ないと思いませんか?」

ヴーーーーーーー……
ぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっ

バイブに中を抉られ、理性が霧散してしまいそうになる。
シリコンとは違う、血が通っていて、熱くて、ドクドク脈打つものを挿入されて突かれたらどうなるのだろう。体の中に、自分に欲情している男の昂ぶりを受け入れて、射精されたら――。

「ああああッ……もっだめ、もうっ……あッああッ」
「もう、何ですかっ?」
「はああッ、あッあんッあんッ……もっ、してもいいから、バイブ止めてぇっ……あッあぁんっ」

楓はついに、遠回しに配達員を誘った。頭がクラクラして、してはいけないと思うのにそれ以上に挿入されたい欲望が勝ってしまった。
配達員は興奮した顔をしながら、嗜虐的に言い放った。

「してもいい、ですか。ハメてほしくてたまらないくせに。ちゃんとどうしてほしいのか言ってください」
「ひあッああッ」
「あなたさ、こんないい家に住んで専業主夫なんて身分で、俺みたいな配達員のことなんて住む世界の違う下層の肉体労働者だとしか思ってなかったでしょう。そんな相手にいいようにされて、こんなに感じて、まだお高く止まってるつもりですか」
「そんなこと……っあッあんっ」

下層だなんて思ってはいないが、全否定はできなかった。
配達員のことは大変そうな仕事だな、という程度にしか認識していなかった。
交わす言葉と言えば
「サインをお願いします」「はい」「どうもありがとうございます」「ご苦労様です」
という程度で、彼らが何を考えているか、どういう人間かなどということは意識したことがなかった。
そう、少し前までは。なのに今はバイブで好き放題に攻められ、配達員のペニスをほしがってアナルの奥を疼かせている。
それは信じられないようなことで、信じられないような興奮を楓にもたらした。

「あああぁっ……挿れてっ…、淫乱なおま〇こにっ、配達員さんのビキビキのおち〇ぽほしいっ……あッあぁんっ」

ずりゅっ、ずりゅうっ

バイブが音を立てて引き抜かれた。配達員は性急な動きでペニスをアナルに押し付け、覆いかぶさってきた。

「挿れますよ、本当にいいんですね。人妻の淫乱おま〇こにハメて、浮気セックスしちゃうますよ……っ」
「あああッ……ひぁっ、おち〇ぽがぁっ……あッアアアァーッ」

浮気、とはっきり言われ、一瞬怯んだがもう遅かった。
配達員の、バイブより更に一回り大きい怒張が、敏感なアナルの中へ侵入してきた。

ぬぶっ、ずぶっ、ずぶっ、ずぶぶぶっ

「あああぁんっ! あ゛ひっ、はいって、あッあひっああぁーっ」
「はぁっはぁっ、すごい、熱くて中がぐねぐねうねって、ち〇ぽ嬉しくてたまらないって言ってますよっ……」
「あッあッあんッあんッあぁんッ」

ずぶっズヌッズヌッズヌッ、ずちゅっずちゅっずちゅっ

バイブで慣らされているとはいえ中はギチギチだったが、配達員の動きは最初から容赦がなかった。
バイブとは違う熱い塊が、内壁をゴリゴリ擦りながら引き抜かれ、また奥まで押し込まれる。

「あひッあッあんあんあんあんあんッ! らめぇっあッいいっ、おま〇こ気持ちよすぎてっあッだめっひああんっ」
「あーやらしいっ……」

ぐちゅっぐちゅっぐちゅっ、パンッパンッパンッパンッ

セックスがこんなに気持ちいいものだなんて、今まで知らなかった。楓は自身を男にしては淡白なほうだとばかり思っていたのに。
アナルに勃起したペニスを挿入されるという行為が気持ちよすぎてたまらない。
みっともなく足を開いて、涙を浮かべながら快感に染まったはしたない顔をして、上ずった声で喘いでいる自分。こんな姿を晒すなんて普通なら絶対嫌なのに、今はそれすら興奮に変わって全てを配達員相手にさらけ出してしまっている。

「あひっあッあッいいっ、あぁんっ」
「はぁっ、奥さん、キスしてもいいですか」
「ああッそれはっ……あッはあぁっ……」

キスと言われ、結婚式に夫と交わしたキスが何故かすぐに頭を過ぎった。
柄にもなく少しドキドキしたのを妙に覚えている。あの時は当人同士が望まぬ結婚でも、何とか上手くやっていきたいと思ったものだ。それは無理だったが……。
自分でもよくわからないが、配達員とキスまでするのには抵抗があった。

「キスは嫌? こうやって、おま〇こに俺のち〇ぽズボズボされてるくせに、今更」
「ひああッ! あひっあッおっああぁーっ」

ずちゅっずちゅっずちゅっ、ずりゅっずりゅっずりゅっずりゅっ

配達員は前立腺ばかりを意図的に攻めてくる。射精している瞬間のような、もっと性感帯を直接えぐられているような、強すぎる快感を与えられる。

「ほらっいいんでしょう。浮気セックスで配達員のち〇ぽ咥えこんでアヘ顔晒して、この淫乱……ッ」
「あ゛あッそこッらめっひッあッあッあッあッあんッ、おかしくなるっあああッいいッ」

快感だけで頭がいっぱいになる。配達員は力強いピストンを続け、荒い息を吐きながら楓の開きっぱなしの唇を塞いだ。

「んん〜〜ッ! んッ、ふっ、ぅん、んんっ……」

すぐに舌が侵入してきて、口内を舐められる。熱く濡れた粘膜同士が絡み合い、卑猥な水音をたてる。

(ああッ、キスしちゃった、夫以外の男と……おち〇ぽをおま〇こに挿れられながら、キスまでしてるっ……)

れろっれろ、ちゅっ、ぢゅぶ、ちゅくっちゅくっちゅくっ
ずぶっずぶっずぶっずぶっ、パンッパンッパンッパンッ

上では舌がいやらしく絡まり合い、下では激しい性行為がされている。後ろめたさと異様な昂ぶりに頭がクラクラする。

(浮気セックスしちゃってる、俺……っ。人妻なのに配達員を家に上げて、欲求不満なおま〇こ犯されて悦んじゃってるっ…あぁっキス気持ちいい、おかしくなる……っ)

「んん〜〜ッ……んっふっんっんっんんっ」
「んっ……」

激しい絶頂感に見舞われる。配達員に訴えたかったが唇を離してもらえず、楓はキスしたまま大きく痙攣してイった。

れろっれろっちゅくっちゅくっ、ぢゅううっ
ずぶっずぶっずぶっずぶっ、ぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっ
びくっびくっびくんっ……びゅるっ、びゅるっ、びゅるるるっ……

「んん〜〜ッ……んっふっ、ふあッあっあああぁんっ!」
「あぁっすごい……ディープキスしながらピストンするの気持ちよすぎていっちゃったんですね。中がぐねぐね動いてっ、俺も出そうです」
「ひあっあ゛ッおっあッああぁッ」

ズヌッズヌッズヌッ、パンッパンッパンッパンッ!

イき続けて痙攣するアナルの中を、一層大きくなった怒張で激しく擦られる。配達員ももう余裕がないようだった。
息もできないほどの快感に、楓は必死に男の体にしがみついた。

「あーイきますよっ、あなたの人妻おま〇この中にっ、浮気精子種付けしますからねっ」
「あ゛あッひあっなかはっらめぇっ、たねつけしたらっあっあっあぁんっ」
「こんなに精子搾り取るみたいに締め付けてきて、中以外に出せるわけないじゃないですか。はぁっ俺の子孕んじゃうかもしれませんね」
「ああぁんっらめっあっあんあんッあんッあんッ!」

そんなわけないのに、いやらしくて濃厚すぎるセックスをされ、本当に孕んでしまうかもしれないと恐怖を覚える。
夫に中出しを知られたらどうなってしまうんだろう――。

ぞくぞくぞくぞくっ……

「はぁっ出るっ……中に出すよ、孕めっ、俺の精子で孕めっ」
「ヒッあ゛ッあんあんあんあんあんッ!」

ズバンッズバンッズバンッ! ごりゅっごりゅっごりゅっごりゅっ!
ビュルルッ! ドビュッ、ドビュッ、ビューーーーーッ……

獲物を食い尽くすオスの顔で配達員は激しく腰を振ってアナルを犯し、奥までペニスを叩きつけた。
熱い精液が奥に発射されるのが分かる。中出しは駄目だと言ったのに、あまりに大量の精液が全てアナルの中に注がれていく。

「ひああッ……あっあッなかにっ…あぁっ」
「はぁっ……」

お互いに汗ばんだ体が密着する。配達員のペニスが中でドクドク言っている。
こんなセックスがあったなんて。全身がトロトロにとけて自分じゃない何かに造り変わっていくような気がする。
配達員は楓の濡れた髪を耳にかけ、掠れた声で囁いた。

「ね、世界が変わったでしょう」

end

prev text