昼下がりのバイブ2話 02
あり
結婚直後、祝いの席の後に行われた、まるで義務を果たすためだけのセックス。真っ暗な部屋の中行為は機械的に行われ、すぐに終わった。楓は緊張と飲酒による酔いもあいまって、正直よく覚えていない。
案の定その後求められることもなかった。夫にとってもつまらなく望まない行為だったのだろうと思っていた。以来夫夫の間でそういう空気が流れることすらなかった。
楓はそれでもよかった。政略結婚なのに無理にセックスをすることはない。自分は淡白だからそれでも平気だと思っていた。
あの時までは。
「はあぁっ……ごめんなさい、俺、本当は淫乱なんですっ……。ち〇ぽ想像して、バイブでオナニーする変態なんです、あぁっ、ふあっ、あーっ…」
「……っ」
夫が微かに目を瞠る。
この男のペニスがほしい、という強烈な欲望を抱いた。一度それを想像してしまうと、今まで何もしないのが当たり前だったのが信じられないほど、淫らな欲望が膨れ上がる。
「俺に、挿入してほしいのか」
「あああぁっ……ほしいっ……、ほしいです、誠一さんのっ、ハメて、淫乱なおま〇このなか突いてほしいっ、バイブじゃなくて熱くてドクドクしたのハメられて、セックスしたいっ…はあっ、はぁっ」
夫――誠一は返答こそしなかったものの、視線を外さないまま服を脱ぎ始めた。楓は狂喜した。最悪愛想を尽かされてもおかしくない状況だったが、誠一は自分とセックスしてくれようとしている。
逞しい体と、それに負けない大きなペニスが目に入ってきて、クラクラするほどの興奮を覚える。以前セックスしたときは真っ暗だったのでペニスなど見ていない。今目の前にあるものは想像より太くて長くて、カリ高の立派なものだった。
そして驚いたことに、勃起して上を向いていた。誠一は引き出しからゴムを取り出すと慣れた手つきで装着する。ゴムの箱にはLLサイズと記されていたが、それでもきつそうなほどミチミチで、血管の脈打ちが伝わってきそうだ。
ゴムを被せられた反り返った昂ぶりが、こちらに向けられる。楓は溢れてくる唾液をごくりと飲み込んだ。
誠一はベッドに乗り上げてきて、アナルに挿入されていたバイブをすぐに引き抜いた。
ぬぷっ、ぬぼっ、ぬぽぉっ
「ひっああぁっ! あーっ……」
「こんなにずっぽり咥えこんで……すっかり騙されていたよ」
「ああぁっ……ふーっ……あっ、あっ……」
バイブの代わりに誠一のペニスがぐいぐいと押し付けられる。甘い期待に全身が震えた。
「本当に挿入していいんだな? 一度入れたら最後までするよ」
「あぁあっ……いい、いいからっ…挿れて、奥までずっぽりハメて、突いてほしいっ……。もう我慢出来ないから、おま〇こしてくださいっ……」
「……淫乱」
「あ゛ッ、あああーっ……!」
ずぶっ……ずぶ、ずぶ、ぬぶぶぶっ……!
バイブよりも大きいものが、音を立てて内壁を暴力的に擦り、挿入された。
狭いアナルの中がギチギチに満たされ圧迫される。
「お゛ッ、あ゛ッ、ああぁっ…! あひっ、い゛ッ、あっあ゛ッ」
「はぁっ……狭い、こんなに、締め付けてきてっ……」
「お゛ッあああっ! いまっ動いたらっ……あっあ゛ッあんあんあんあんっ!」
ずぶっ……ぬぶっ、ずぶっ……ぬぶっ、ぐっ、ぐりっ、ぐりっ
誠一は怒ったような声を出して、すぐに抜き差しを始めた。熱い肉棒で犯されるのは、やはりバイブとは全く違う感覚で、みっともない声はあまり聞かせたくないのに止まらない。
「ああぁんっ……すごいっ、なかっ、犯されてるっ……! 誠一さんとっせっくすしてるっ……あぁっあ゛ッあーっ…」
「くそっ……これがっ、好きだったのかっ。初めてのときはあれだけ体を強張らせて震えていたくせに、」
「あひぃっ、あ゛ッうっんっ、あんっあんッあんッあんッ」
「こんな淫乱だったとは、すっかり騙されていたよっ、ほら、これが好きならもう遠慮はしないよ、好きなだけ犯してやる」
ぬぷっぬぷっぬぷっぬぷっ、ズンッズンッズンッズンッズンッ
楓にとっては初めて聞く、意外な夫の内心だった。単に自分に興味がないだけだと思っていたが、誠一にも思うところはあったらしい。
でも今はそれを真面目に考えている余裕はない。乱暴な腰つきに恐ろしいほど感じて、イっているような状態が続く。
「あ゛あーっ……あひっ、んっあ゛ッああッいいっ、きもちいっ……うぁっんっアッあぅっ」
「セックスが好きなのか? 部屋を真っ暗にして、気を遣って優しくしてやったセックスでも怯えていたくせに、本当はいきなり突っ込んでガンガン突かれるのが好きだったのかっ」
「ふあぁっあ゛ッあんっセックスっすきっすきっ……! ああっい゛いっ…きもちいっ、んっあ゛ッああっ」
「いやらしい顔も結合部も丸見えだ。最初からこうしていればよかったのか。恥ずかしいところを見られて興奮しているんだな」
「あぁんっごめんなさっ……あひっ、いっあ゛ッあーっ、あーっ…」
誠一は容赦なく腰を打ち付け、言葉で楓を責めてくる。
何を言われても感じる。酷い扱いをされて、愛しささえ覚えている。
「あぁあんっ、いいっ、らめっ、おま〇こっきもちいっ……あ゛ーっ、あ゛あぁんっ」
「っくそ、搾り取るみたいに動いて……っ」
「あ゛うっ、はげしっ……いっあ゛ッあんっふあぁっ」
ずちゅっずちゅっずちゅっ、ごりゅっごりゅっごりゅっごりゅっ……
たっぷり濡れている、熱くて硬いペニスが内壁を強かに擦る。世の中にこんな淫らな行為があったのかというくらい、とてつもなくいやらしく感じられる。
「はーっ……きついっ……もうイきそうだ、イくよ」
「ああぁんっ、イって、俺でイってっ……? ふあッあ゛ッあんっあんっああーっ」
ずぶっずぶっずぶっずぶっ、パンパンパンパンパンパンッ!
自分で気持ちよくなってくれたのだということに嬉しくなって、ぎゅっと抱きつくと、誠一は荒い息を吐いて動きを激しくした。
奥まで高速でピストンされ、性感帯を押しつぶすように擦られ続ける。
「ひあ゛ッああッいいッはげしすぎっあ゛ッひっあんっあんっあんっ……あぁっあ゛ッうあああっ」
「はぁっ……いくっ……!」
ズンッズンッズンッズンッズンッ、ごりゅっごりゅっごりゅっごりゅっ!
ビュルッ、ドビュッ、ビュブッ、ビュルッ、ドビュウッ……!
中で巨大なものが一層膨れ上がり、大きく脈打ち、射精されたことが伝わってくる。
楓は快感に喘ぎながら、ゴム越しでなく中に出してくれればもっとよかったのに、と淫らな欲望を抱いていた。
「はぁっ……はぁっ……」
「あぁーっ……ふあっ、すごいっ……あぁっ、あ゛、あーっ……」
お互いの体が汗ばみ、やけに熱くなっていた。
初夜の気を使いあっていたセックスとはまるで別物の、肉欲をぶつけ合う激しい行為だった。
「はあぁっ……んっ、あっ、あっ……」
誠一が使用済みのゴムを外すのをぼうっと見つめる。大量の精液がそこに溜まっているのが分かって、楓はごくりと唾を飲んだ。自分に欲情して射精したのだと思うと嬉しくなる。
誠一はゴムを縛って投げ捨てると、熱っぽい目で見つめてくる。楓は無意識に、ねだるように目を閉じていた。すると望みどおり唇が重ねられ、舌が侵入してくる。
「んっ……んんっ……」
ぬちゅ……れろ、れろ、くちゅ、くちゅっ……
うっとりとして、口の中を犯す舌を舐める。すると激しく擦り合わされ、粘膜が絡み合う。
夫とのこんないやらしいキスは初めてだった。触れ合うだけだった誓いのキスでは、こんな蕩けるような快感を口の中で味わえるなんて想像もできなかった。
「んーっ……んぅ、んっんっ、ふっ、んっ……」
くちゅ……ちゅく、ちゅく、れろ、れろ、ぬる、ぬちゅっ……
水音が響く。楓が舌を絡ませると、誠一は主導権を渡すまいと言うようにいやらしく口内を舌で蹂躙する。
ディープキスで体も熱くなって、誠一にぎゅっと密着する。またペニスが硬くなっていることに嬉しくなって激しく舌を吸う。淫らな期待にアナルがひくつく。
「んっ……もう一度、いいか?」
「はぁっ……はい、挿れて、また、ハメハメしてぇ……」
誠一は欲情した顔をしながら、またゴムを装着しようとする。楓は熱に浮かされそれを止めた。
「あっ……ゴム、つけなくていいから、生でして……?」
「……いいのか? ゴムをしなければ、中に出すことになるが」
「いいっ……中に、種付けしていいからっ……生ハメしてほしい、ゴムなんてしないで、セックスしたいっ」
誠一はごくりと唾を飲むと、完全に勃起したペニスに何もつけないまま、楓のアナルに押し入ってきた。
ずぶっ……ぬぶっ、ぬぶっ、ずぷぷぷっ……
先走りで濡れたペニスが、先程よりスムーズに挿入される。ゴムの微かに引っかかるような感触がなく、生の粘膜を感じる。
初めて夫婦で生セックスしているという事実と、ゴムがなくより生々しい怒張の脈打つ感覚が、楓を昂ぶらせる。
そして挿入している誠一は楓以上に、ゴムありのセックスとの違いを実感しているようだった。
「はぁっ……何だこれは、ねっとり絡みついてきて……くっ」
「ふああぁっ……生セックス、しゅごいっ……あーっ……ひっ、あっ、あぁあんっ」
ぬぷっぬぷっぬぷっぬぷっ……ぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっ
誠一はらしくなく上ずった声を出し、興奮をありありと漲らせながら性急に腰を使ってくる。
ビキビキと昂ぶったものでダイレクトに内壁を擦られ、抉られ、わけが分からないほど感じる。
「ひあ゛ッ、いいっ、あんっあんっあ゛ーっ……きもちいっ、ナマッ、あ゛あぁっ、誠一さんのち〇ぽでっ、直接おま〇こ犯されてるっ……あーっ、あーっ……」
「はぁっはぁっ……これがしたかったのかっ……ゴムをつけずにっ……内壁が俺のペニスの形に完全にフィットしてる……。生でして、孕んでもいいのか、この淫乱っ……」
「あ゛ああぁっ……孕むっ……だめぇっ、生セックスっよすぎて、孕んじゃうっ……こわいっ、ひあっあ゛ッあーっ、ああぁんっ……」
「問題ないだろう、俺たちは夫夫なんだからっ……お前のおま〇こは、受精したいと俺のペニスに絡みついてきているぞ、ほら、ほらっ」
ズンッズンッズンッズンッズンッ、ぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっ
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!
どんどん犯す動きが激しくなる。本当に孕んでしまうと本能的に感じる。どうやっても抗えない強すぎる快感だった。
「ひっあ゛ああーっ……いぐっ、中でっ、メスイキしちゃうっ…! ふあぁッあ゛ッあああんっ!」
びくっびくっびくんっびくんっ!
びゅくっ、びゅくっ、びゅるっ、びゅるるっ……
内壁を穿たれ、ペニスには一切触れられないまま中だけで絶頂に達して、汁が飛び散る。
アナルが忙しなく収縮して中の怒張を締め付け、誠一も辛そうに息を吐く。
「くっ……犯されてイったのか。……俺もまたイくよ、今度は中に、楓の中に全部出すからなっ……」
「あ゛あああっ……はひっ、イッあッうああぁっ……」
久しぶりに名前を呼ばれどきりとする。その間も動きはどんどん激しく、射精するためのものになっていく。
中でペニスが脈打ち、その瞬間が近づいていることを知らせる。
「ひあぁあっ……イってう、今っイってるからぁっ、らめっひぁッあ゛あぁうっあッあーっああぁ〜〜っ……」
「はぁっ……メスイキして、こんなに締め付けられて射精を我慢できるわけがないだろう……っ。全部出すからな、今まで溜めていた分たくさん出すから、一発で孕むだろうな」
「あ゛あああぁんっ! あひっイッあ゛ッあ゛ッああああッ! ひあっ孕んじゃうっ……あーっあーっ」
ずぶっずぶっずぶっずぶっ、ごりっごりっごりっごりっ!
パンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッ!
「くっ……出すぞ、出るっ、楓の中にっ……種付けしてやるっ」
「ひあ゛あッうあっあんあんあんあんあんあんあんッ!」
パンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッ!
ドビュッドビュッ、ビュッ、ビュルッ、ビューーーーーッ……
何度も繰り返された叩きつけるようなピストンの末、大量の精液が今度こそ中に注がれた。
熱い液体で中が満たされていく。イく瞬間誠一に強く抱きしめられ、楓も腕と脚を絡めて全身で抱きついた。
完全に受精するための体勢になっている。快感に溺れながらそう思った。
end
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