目指せ名探偵 02
あり
その年頃らしく、友達がオナニーの話題に盛り上がっていた。その頃無知だった僕が知らないと言うと、お前は知らないのかと散々からかわれて、でも思わせぶりに何なのかは教えてくれなくて、悔しくて棚橋に訊いたのだ。
棚橋はまだ学生だったけど、当時から大人で隙がなくて、僕は小言を食らうばかりだった。だけどオナニーについて訊いたときは、いつも余裕のある棚橋が珍しく焦ったような反応をしたのだ。
その反応が楽しくて、僕は執拗に棚橋に質問を繰り返したものだ。棚橋は『そんなことを吹き込んだ友人とは付き合うのをやめなさい』なんて言って教えてくれなかったけど。
しびれを切らした僕が他の人に訊くからもういいと言うと、棚橋は観念して教えてくれた。
『つまり……男性器を触って、射精することで性欲を解消するのです』
『男性器……ってちんこを?』
『はい、秘めるべきことですから、決して他の人の前で言ってはいけませんよ』
『そうなんだ。……射精ってよくわからないや。そうだ棚橋、やってみてくれない?』
そう言うと棚橋は絶句して、ふらふらとどこかへ行ってしまった。
その日の夜、僕は初めてオナニーをしてみた。それまでもちんこがむずむずすることはあったんだけど、初めて明確な快感を覚えて射精したのはそのときだ。
やってみて、それが恥ずかしいことだったとようやく実感した。棚橋に対して変なことを言ってしまったんだってことも。
それ以来棚橋に一切そういう話をすることはなくなったけど――、もしかして未だに根に持っていたのか。
「そ、そんな昔のこと……ひああッ」
「ええ、昔の話ですね。無垢だった貴方が、乳首を舐めただけでこんなに濡らす淫らな体になってしまわれて……」
「やっあッ、あんッ」
ぬちゅ、ぬちゅ、くちゅ、くちゅ、ぬちゅっぬちゅっ
棚橋が長い指でちんこを弄る。
何だこれ、自分でするのとは全然違う。今日はやけに敏感になっているし、乳首もじんじんし続けていて、音を立てて弄られるたびに強烈に感じる。
もう少ししたらイく――というところで、棚橋は指を離してしまった。
「――貴方はいつもどうやってオナニーをしているのですか?」
「はぁっ、はぁっ…そんなこと、」
どうでもいいからイきたい、なんて思ってしまってる僕だったけど、棚橋はとんでもないことを言い出した。
「ねえ、オナニーして見せてください。あの時は教えられなかったけど、今なら何でも教えて差し上げますよ」
「なっ……! ふざけるな、やり方くらいとっくに知ってる…」
「本当にちゃんとできていますか? イかないままでは辛いでしょう、ほら」
「……っ」
確かに僕のちんこはもうイきたくて、張り詰めてジンジンしていた。そこを棚橋にじっと見られる。
やるまで許してくれそうにない。昔宿題が全て終わるまで許してくれなかった――ときよりもっと有無を言わせない圧を感じる。
僕はもうイきたくて仕方なくて、やけになってちんこを握った。
「はぁっ…あッ、あッ、んんっ…」
じんと痺れるみたいに感じる。自分でしてもやっぱりいつもよりずっと気持ちいい。棚橋に見られてるのが嫌なはずなのに、ゾクゾクしてたまらない。
「あッ、あッ…はぁっ、あっ」
「……いつもそんな声を出すんですか?」
「ちがっ…こんなのっ、今だけっ…はぁっ、うぅ」
「今日だけ?」
「だって、…っお前が散々乳首舐めるし…っそうやってじっと見るからぁっ、アッあッ、あんっ…」
「俺に見られて感じてるんですか」
囁く棚橋の声は熱を帯びている。恥ずかしいことを言われても否定できない。
「乳首も弄ったらどうです。疼いているんじゃないですか」
「っ、はぁっ、あっ…」
気にしないようにしてたけど、確かに乳首はずっと疼いて辛かった。
僕は言われるがままに乳首にも手を伸ばした。
「あぁんっ…! アッあッ、きもちぃっ…あッあッ」
くに、くり、くり、くりっくりっ
ぬちゅ、くちゅっくちゅっ、ぐちゅっぐちゅっ
乳首をいじりながらちんこを扱くと、蕩けるみたいに気持ちいい。顔までだらしなく蕩けてしまってるって分かってても、手が止まらず快感を求めてしまう。
「、とても気持ちいいんですね、もうイきそう?」
「あッあぁっ、いくっ、もっイきそうっ…あッあぁっ」
乳首とちんこから全身が昂ぶって、快感が膨れ上がっていく。僕はもうイくことしか考えられなくて、乳首とちんこを絞り出すみたいに扱いた。
くにっくにっ、くりくりっ、ぐりぐりぐりぐりっ
ぬちゅっぬちゅっぬちゅっ、ぐちゅぐちゅっ
「いいですよ、淫らにイくところを俺に見せて」
「やっあぁあッイくっイっちゃうっ…! あッああぁーっ…」
びくっびくっびくっびくんっ
びゅっ、びゅるっ、びゅるるるっ
気持ちよすぎて頭が真っ白になった。
棚橋に煽られて、僕は経験したことがないくらい感じながら射精した。勢い良く出た精液が腹を汚す。
「ひああっ…あッ、あッ…はぁ……」
余韻に喘いでいる僕に棚橋が言う。
「全く、乳首を弄りながら淫乱のような声を上げてオナニーするだなんて、やはり俺があのときしっかり教えて差し上げるべきでしたね」
「なっ、お前がやれって……言った……」
反論が弱々しくなってしまう。だって棚橋の目が明らかに据わっている。はっきり言って怖い。
「お、お前、酔ってるな!?」
ようやく気づいた。こいつは酔っておかしくなってる。だって明らかにいつもの棚橋じゃない。こんな変態棚橋じゃない。
でも気づいたところで、棚橋の酔いが覚めるわけでもなく
「貴方がこんな風になったのは、俗世に染まってしまったからでしょうか。大体職場の上司からしていけない。何ですあの胡散臭い男は」
「いや所長はいい人だよ。……って、何で僕の職場のことを」
家を飛び出してからは連絡もしていなかったのに。どうして知ってるんだ。
「いい人? 全く世間知らずな人だ。少し親切にされたら信じてしまうなんて。何かされてからでは遅いんですよ」
「いや、本当に、ちょっと怖いけどいい人だってば。大体何で所長のことまでお前が知ってるんだ」
「何故あの男のことを庇うんです。まさかもう何かされて、弱味を握られているんじゃないでしょうね」
「いや人の話を聞け。ってうわっ」
いきなり怒ったみたいに突き飛ばされたかと思うと、棚橋が上に乗ってきた。何なんだ。
「想像したら腹が立ってきました。何もされていないか確かめなくては」
「確かめるって何を……っ!?」
棚橋は脚の間に手を入れて、尻の穴に触った。
くすぐったくてゾクゾクするみたいな、変な感じがする。
「そっ、そんなところ触るな、あッ、ぁっ…」
「ひくついてますよ。ここに挿れられるのは初めて?」
「い、いれる? そんなの今までもこれからもない……ひああぁっ」
「では、俺が初めてということですね」
ぬぶ……ずぶっ、ずぶぶぶっ…
棚橋が、指を中に挿れてしまった。
――何だこれ、おかしい。
痛くはない。でも中が擦られて、ジンジンして、変だ。
「あぁっ…やっ、あッ、うぅっ…」
「狭いな……俺の指をぎゅうぎゅう締め付けてきてる」
「ああッ、あっ、うあぁっ」
棚橋は独り言みたいに言うと、指を抜き差しし始めた。
ずぶっ…、ぬぶっ、ぬぶっ、ずぷっずぷっずぷっ
おかしい、気持ちいい。突かれると尻から蕩けるみたいな快感が広がって声が勝手に出てくる。
「あぁんっ…あッ、あッ、あひっ、やあぁっ」
「指増やしますね」
「あぁあッ!」
ずぶっ……! ぬぶっ、ずぶっ…
2本目の指が入れられたらしい。ぎちぎちにきつくて、そのせいで内壁を問答無用でゴリゴリ擦られる。
尻の穴がこんなに感じるなんて。はっきり言ってちんこを扱くよりずっとすごくて、女の子みたいに突っ込まれて余裕なく声が出てしまう。
「はぁっあッんっ…あっあ〜っ…」
「気持ちいい……?」
「うんっいいっ…きもちいっ、あッあッ、あぁんっ」
気持ちよすぎてつい素直に頷いてしまった。そうしたら棚橋は眉間に皺を寄せて何とも言えない顔をして、指を勢い良く引き抜いた。
「あぁあっ…はぁっ、あ、あ……」
止めてしまうのか。尻の穴は抜かれた後もものすごく疼いてひくついてる。僕は自分で指を挿れてしまいたい衝動にかられた。
だけど。
「なっ……」
棚橋が、勃起したちんこをこちらに向けてくるのを見て、僕は絶句した。
僕のよりずっと大きい。それに色も赤黒くて、反り返るくらい勃起して、血管を浮き立たせている。
同性のものだっていうのに、やけにいやらしいものを見てしまった感じがして、僕は目を逸した。
「な、な、何でそんなものを出す」
「分かるでしょう? 貴方の中に挿れるんですよ」
「ええっ…!? 無理だ、そんな大きいの」
挿れると言われた瞬間、想像して尻の穴が激しく疼いた。
でもどう見ても無理だ。指2本でいっぱいいっぱいだったのに、あんな――大きくて硬そうで、それにカリのところなんて傘みたいにゴツゴツ張り出していて、入るわけがない。
「嫌なんですか。あんなに指を挿れられて感じていたのに。中を突かれてイきたくない?」
「それはっ……ゆ、指なら許してやってもいい」
「指なら? 俺が貴方に指マンして感じまくるところを見て、それだけで終わると? 教えて差し上げますが、世の中そんなに都合よくはいきませんよ」
「ひっ……」
勃起した硬いモノが、尻の穴に押し当てられてしまう。
体が疼いて、穴がカリをひくひくと吸うのが分かる。
――これで、この大きくて硬いちんこで中を擦られたら――。
ゾクゾクゾクゾクッ
ひくっ……ひくっ……くぱ、ぬちゅ……
穴がちんこをしゃぶるみたいにひくついて、まるで入れられるのを待ってるみたいだ。もうどうにでもされていいという気になってくる。
い、いややっぱり駄目だ、無理だ、大きすぎる。
「お、お前、僕にこんなことしていいと思ってるのか。僕を誰だと思ってるんだっ……」
僕はついにプライドを捨て、捨てたはずの実家の権力を暗にチラつかせた。
「もちろん分かっていますよ、貴方は三門大貴さん。世間知らずなお坊ちゃん、貴方が家を捨ててくれて良いことがありました。三門家の人間でなくなったならこんなことをしても誰に咎められることもない」
――が、捨てたプライドも全くの無駄だった。
「ちょ、ちょっと待って、穏便な話し合いを…」
「また一つ大事なことを教えて差し上げますが、こうなった男は止めるのは無理なのですよ」
「そんなっ、あっ、あ゛あぁーっ…!」
ずぶっ……、ずぶっ、ぬぶぶぶっ…!
棚橋はいつもの余裕の笑みとは違う微笑を浮かべると、僕の中に勃起を無理やり挿入してしまった。
ものすごい圧迫感と、敏感な中を強く擦られる感覚に、意識が飛びそうになる。
「ひああぁっ…あ゛っう、あッ、ああッ…」
「っ、はぁっ、きつすぎます、力を抜いて」
「むりっ…あぁっ…はぁっ、っああぁんっ!」
くに、くに、くりくりっ
挿入しながら棚橋が乳首を指で弄ってきた。
いきなりの快感に中のちんこをぎゅううっと余計締め付ける。そうすると尻の穴の中が勃起ちんこの形になるってくらい密着して擦られて、イったみたいな快感に襲われた。
棚橋は息を飲むと、あろうことが強引に腰を押し入れてきた。
ズブッ、ずぷっずぷっ…ゴリッゴリッ!
「あ゛ぁああんっ! あひっあッうあぁっあッあんッあぁんっ」
「全く……何て淫らな人だ。ペニスをこんなに美味しそうに咥えこんで……っ」
「あぁあッらめっ、ひあッあんあんあんあんっ!」
くに、くに、くりくりくりくり
ズブッズブッズブッズブッ、じゅぶっじゅぶっずぷっずぷっ
淫らなのはお前だ。と言いたいのに気持ちよすぎて喋るどころじゃない。いやらしい声が勝手に口から出て止まらない。
棚橋は乳首を指で摘んだり、弾いたりしながら腰を動かしてちんこを抜き差しする。狭すぎて動くのも大変だろうに、暴力的なくらい力強い腰使いで奥までゴリゴリ犯す。
酔っぱらいのくせに本当に力強すぎる。
「あぁあっ…い゛いっ…あッ、あぁんっ」
「痛くは、なさそうですね。感じてるんですね、俺にお尻の穴を犯されて」
「きもちいっ…あ゛ッはぁっ、尻のあなっきもちいっ…あんッぅあッああぁ〜っ…!」
ズンッズンッズンッズンッズンッ! パンパンパンパンパンパンッ
棚橋に言われるとつい素直に答えてしまう。そうすると責めがもっと激しくなって、苦しいくらい感じまくる。
「っ、尻の穴じゃなくて、お尻ま○こですよ。俺のペニスを咥えこんで、こんなに感じているんですから」
「あぁっ…そんなのっ…あッあッひあんっ!」
「お尻ま○こ気持ちいいって言ってみて……? ペニスで突かれて気持ちいいって」
じゅぶっじゅぶっぐぽぐぽぐぽぐぽっ、ズンッズンッズンッズンッ
「ひああぁっ! あぁっ、お尻ま○こ、きもちいっ…! 棚橋のちんこでっお尻ま○このなかぐりぐりされて、いいっ、あッあぁんっ!」
「全く……本当にいけない人だ」
だから自分で言わせたんだろ。とはやっぱり言えなかった。棚橋は乱暴に乳首を押しつぶしながら、叩きつけるみたいなピストンをする。
もう気持ちいいってことだけで頭がいっぱいになる。
「あ゛はぁっあッアッいくッ…あんっああぁーっ…」
くにっくにっ、くりくりくりくりくりくりくりくりっ
ずぷっずぷっぐぽっぐぽっ、パンッパンッパンッパンッ
びくっびくんっびくんっ びゅくっ、びゅるっ、びゅるっ
もうずっとイってるみたいに気持ちよかったけど、乳首とお尻ま○こを同時に激しくされて、さらに上をいく快感がやってきて僕は射精していた。
一度目みたいな勢いはなくて、でも中々終わらなくて、その間も中を抉られておかしくなりそうな快感がずっと続く。
「あ゛あぁあっ…あひっ、アッい゛ぃっ…あッひああッ」
「乳首、舐めてあげましょうか…?」
「あぁんっ! 舐めてっ、ちくび、舌でくりくりしてぇっ…ぁァッひっああぁ〜っ…」
「全く……んっ…」
れろ……ちゅく、ちゅく、ちゅく、ぢゅっ、ぢゅっぢゅくっ
ずぶっぬぼっぬぶっぐりぐりっ、パンパンパンパンパンパンッ
棚橋が乳首を舐めながらイったばかりの中を激しくピストンする。自分でしてと言ったけど感じすぎて怖い。おかしくなる。
「ああぁっんっあッあッあっあッあぁッ」
れろっれろっちゅっちゅくちゅくちゅく、くりくりくりくりくりっ
ズブッズブッズブッズブッパンッパンッパンッパンッ
舌でめちゃくちゃに舐められ、歯を立てて吸われる。ぎゅうぎゅう棚橋のちんこを締め付けてるのが分かる。
「あ゛あぁ〜っひっアッい゛ぃっ、あッあぁッ」
「っ締まる…俺もイきそうです、貴方の中がよすぎて…っ」
くにっくにっ、ぐりっぐりっぐりっぐりっ、
ズブッズブッズブッズブッ、ぢゅぶっぢゅぶっ
パンパンパンパンパンパンッ!
棚橋がギラギラした目を向けてくる。いつもならその異様さにビビっていただろうけど、今は自分に欲情されてるみたいで興奮してお尻まんこがきゅうきゅう疼く。
「、出していいですか、貴方の中に…っ」
「うんっ、いいっあッあぁあんっ、あッあッあひぃっ」
「いいんですね、中でたくさん射精して、種付けしても」
「いいっ出してっ、僕の中で、イってっ…ああッあんっあんッあぁーっ…!」
「はぁっ、大貴さん…っ、いくっ、出ますよ…! くっ…」
ズブッズブッズブッズブッごりゅっごりゅっごりゅっ、パンパンパンパンパンパンッ!
ビュルッ、ドビュッ、どくっどくっ、ビュルルルッ…
「あ゛ああぁ〜っ! あひっ、あッあッ、あんっ、うあぁ、あ」
「はぁっ、はぁ……」
イく瞬間体を抱きしめられて、全身密着して奥まで挿入された状態で同時にイった。
体の奥が熱い。中に大量の精液が流し込まれる。
これが中出しされるってことなんだと今更自覚する。自分が自分じゃなくなるみたいな、不思議な倒錯感を覚える。
「はぁっ……なか、熱い……あぅ、あっ…」
強い余韻と倦怠感に脱力しながら天井を眺める。
そして思い出した。この部屋にはカメラを仕掛けていたのだ。
もしこんな姿を誰かに見られたら――と想像したら、震えるほどゾクゾクっとした。
もちろん恐怖でだ。それ以外何もない。あってはならない。
とにかく後のほうの動画は削除しなくては、と動こうとしたけど、棚橋にがっちり体を抑えられていて叶わなかった。
「どこへ行こうとしているんです……? まだ終わっていませんよ」
「いや、その……ひあぁっ……」
相変わらず棚橋の目は据わっていた。まだ酒が抜けてないらしい。そのくせ下半身はいやに元気で。
「今度は後ろからしましょうか。――ほら、こうするといいところに当たるでしょう」
「あぁんっ…あぁっそこっ、あッいいっ…アッあッあんっ!」
カメラのことは記憶の彼方に行ってしまった。
俺は三門大貴。探偵をしている。探偵業は大変だけど、何があっても投げ出さず頑張ろうと思う。
end
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