それもあり 03
あり
一体何故こんなことになったのだろう。ここへ来る前の想像では、今頃はペニスにメスを入れられているはずだったのに。
いきなり医師の目の前でオナニーさせられ、あまつさえ異常に感じてあんなに喘いでしまうなんて。
自分が信じられない。好きな女性に誘われたときでさえ、ペニスを見られると思うとぴくりとも反応してくれなかったというのに。
呆然とする新を尻目に、咲坂は何かの器具を準備しながら言い放った。
「どうやら……オナニーの仕方に問題があるかもしれません」
「え……? どういうことでしょうか」
思いがけない言葉に、新はびくりとする。
「皮を使って、亀頭にまで伸ばすようにしてオナニーしているでしょう? あれで皮膚が過剰に伸びてしまったと考えられます。更にそういったオナニーに長年慣れてしまった人は、皮を切除すると物足りなくなってオーガズムに達せなくなる……つまりイけなくなる恐れがあります」
「そんなっ、じゃあどうすれば……」
新は狼狽する。咲坂が信用できるかは怪しすぎるが、嘘だと一蹴するには重大すぎる話だ。本当だったら取り返しがつかないことになるのだから。
「そうですね、とりあえず……両手を出してください」
言われ、条件反射的に手を差し出すと。
「こうですか……ってちょっと!?」
かしゃりと音を立てて、新の手首に手錠がかけられた。
「な、何するんですか……うわぁっ」
咲坂は問答無用で玲を診察台に押し倒す。
「大丈夫ですよ、ちゃんと皮を使わず気持ちよくなれる方法を教えてあげますから」
明らかに論点がずれている。新は包茎手術のために来たはずなのに、何故こんなことに。
「いやいや、そういう問題じゃっ、ん、やぁっ」
自由になる足で咲坂を押しのけようとするも、突然急所を握られては抵抗もできなくなってしまう。
「ふふ……亀頭、敏感なんですね。ここ、こうするのが好き?」
「やっ、せんせっ、そんなこと、あぁっ、んっ……」
精液に濡れた尿道口の割れ目を、縦になぞるようにくりくり擦られる。
一度イッたにも関わらず腰が熱くなってきて、新は身をよじる。
「ああ、また硬くなってきましたね。じゃあ、次はこっちを……」
「っ!? なっ、そこはっ、いやだ、せんせいっ……!」
先生と呼ぶごとに咲坂が興奮を覚えていることに、余裕のない新は気づけない。
抵抗虚しく、両足をとられてまんぐり返しのような格好をさせられる。
咲坂は尻穴が目に入ると熱い息を吐いて、しばらく無言でそこを見つめた。
何をされるか分からない不安と、激しい羞恥が新を苛む。それでも新のペニスは依然萎えることなく、尻穴はまとわりつく視線に反応するかのようにひくひく収縮していた。
「――ひくひくって、ピンクの肛門が収縮していますね。何かほしくなっちゃったのかな……」
「せんせっ、なにを……ひぁっ」
恥ずかしい言葉と共に、冷たく粘度のある液体がいきなりそこにかけられる。
咲坂は間髪入れず震える尻を鷲づかむと、ねっとりと濡れた穴に指で触れてきた。
「ああ、ぐしょぐしょだ……すぐに入っちゃいそうですね、ほらっ」
「やっ、やめてくださっ……、ぁっ、んんっ」
粘液にまみれた指が、ゆっくりと尻穴周辺を撫で回す。ときおり指が少し中に入りそうになり、そうなると殊更穴がひくついてしまう。
「こんなに欲しがって……。大丈夫、私がおちんちん触らなくても精液出しちゃう、エッチな身体にしてあげる……」
言いながら、咲坂は指を中に押し入れてきた。
ぬちゃ、ぬちゃ……ぐぬっ、ズヌヌヌッ
「あぁっ、ゆびがっ、だめ、ひぁんっ……!」
十分に濡れていたせいか、痛みは全くなかった。それどころか咥えこんだ尻穴の中全体が、歓喜するように指を締め付けて。
「っ、一本でぎゅうぎゅうだ。今から、たくさんいいところをぐりぐりしますからね」
「やぁああっ、ふぁっ、ぁんっんっ、らめっ、それやらぁああっ!」
ぐちゅっぐちゅっ、ヌプッヌップ、ずぷずぷっ、ぐりぐりぐりっ!
咲坂はゆっくりと抜き差しを開始した。闇雲にうごかすのではなく、腹側のあたりを探るようにぐりぐりと擦ってくる。
ある一点を擦られるとイッたときのような強烈な快感に襲われ、新は卑猥な声で叫ぶように喘いだ。
「すごい、君にはすばらしい素質があるよ……。ああ、そんなに腰を振って。おちんちんも寂しそうだ。今いいものを挿れてあげる」
ステンレス製の細長い棒のようなものを、咲坂が取り出した。コードでスイッチらしきものと繋がれていて、それが何なのかは分からないがものすごく嫌な予感がする。
「せんせっ、なに、それ、あぁっ……あんっぁんっ」
「これはね、尿道バイブというんですよ。最初は辛いかもしれないけど、直接中からオチンチンを刺激するから、今まで経験したことがない快感が味わえますよ」
カリの部分をぬちゃぬちゃと擦りながら、咲坂は興奮も顕に説明し。
「やっ、怖いっ……せんせ、ひぁ、あっ、ああああああああっ!」
弱弱しい制止の声は、咲坂を煽ることにしかならなかった。バイブは尿道の中をしたたかに擦りながら、奥まで挿入された。
「ハァ……すごい声だ。お尻の穴も、ものすごく締まりましたよ。気持ちいいでしょう? これでスイッチ入れたら、どうなっちゃうかな……」
咲坂が笑いながら、バイブのスイッチに手をかけた。
ヴー! と音をたて、中のバイブが小刻みに震え始める。
「ああああぁっ!! やらぁっはぁっ、あんぁんっああんっ!」
ペニスを直接内側からごりごりされるような強烈すぎる感覚に、新は最早涎を垂らしながら喘ぐことしかできない。尻穴まで激しく痙攣し、いつしか2本に増えていた咲坂の指を食いちぎらんばかりに締め付ける。
「す、ごいなっ……」
締め付けを楽しむように、咲坂は指を奥まで入れたまま回したり、前立腺を高速でぐりぐりと擦る。
熱い、死んでしまいそうなほど気持ちいい。一瞬で終わるはずのオーガズムがずっと続いている感覚なのに、精液は出ていない。このままでは気が狂ってしまう。
「あああぁっ! アアアァッ、アンッアンッ、もっ、いかせてぇっ、せんせぇっ、はぁんっ、せいえきだしたいよぉっあひぃいいいっ」
めちゃくちゃに腰をふりたくりながら、新は懇願した。
その壮絶にいやらしい姿に、咲坂はごくりと唾を飲み。
「はぁっ、じゃ、言ってごらん。いやらしいお尻の穴に、おちんちんがほしいって。ちゃんと言えたら、イかせてあげますよ!」
咲坂は尻穴から指を引き抜くと、スラックスを脱ぎギンギンに勃起したペニスを取り出した。
それは新のものとは対照的にズル剥けで赤黒く、AV男優も裸足で逃げ出しそうなほど巨大だった。
しかし新は怖気づくどころか、うっとりとそれを握り。
「はぁんっ、せんせいの、ああぁっ、大きいっ、ぁあっおちんちんっ……おぇのいやらしい、んっ、お尻の、あなにっ、いれて、ああっいっぱいっこすってぇっアアアアァッ」
ズッ、ズヌヌ、ヌププッ、ゴリッゴリゴリッ!
物欲しげにひくひくしていた尻穴に、咲坂の巨大なものがずっぽりと挿入された。
「うぁっ、すごい、ぎゅうぎゅうですねっ……」
激しく締め付けて迎え入れる内壁に耐えられなくなったのか、咲坂はすぐにピストンを開始する。
前立腺を大きく張ったカリでごりごりと擦られると、腰だけでなく身体全体が痙攣するほどの快楽にみまわれ。
「やああああぁーっ!! ああぁんァンアンアンッ!! なんかぁっれちゃうっ! あっひぃあああああっ!!」
狂ったような喘ぎと共に、ペニスのバイブの隙間から透明な液体がぴゅっぴゅと飛び出した。
狭められた尿道を無理矢理液体が通る感覚にも激しく感じてしまい、新は泣きながら喘ぎ続ける。
「くっ、締まるっ……ハァッ、潮吹きするなんて、初めてなのにいやらしい人だっ!」
尻穴の締め付けと新の媚態に更にペニスを大きくした咲坂の動きが、激しさを増す。
パンパンパンッ! パチュッパチュッ、ズプズプズプッ、ヌプッヌプッヌプウッ!!
「アアアアァーッ!! いいっ、きもちいいよぉっ!! ああああぁっおしりぃっ! せんせぇっ、もっ、はぁんっ、いきたいのぉっぁあんっ、せいえきださせてぇっ」
「はぁっ、可愛い……いいですよっ、私も、中に出しますからねっ!」
猛烈な速さでピストンしながら、咲坂は尿道バイブを一気に引き抜き。
「っああああああああっ!! すごっ、アァンッ、ハァッ、ん、あぁっ、あああああっ!!」
「っ、あっ、いくっ……!」
新が大量の精液を吐き出すのと同時に、咲坂もまたドピュドピュと新の中に熱いものを注ぎ込んだ。
「ひぁ……ぁん、せん、せい……」
ペニスも抜かぬまま、咲坂は濡れた新の唇を舐め、身体を抱きしめる。
「中塚さん……手術は、どうしますか……?」
淫靡に笑って聞いてくる咲坂に、新は迷いもせず。
「ぁ……手術は、キャンセルで……」
だって、女性とのセックスなどもうどうでもよくなってしまったから。
end
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