白い秘密 02
あり
非常に嫌な噂を耳にしたのは、それから数日後のことだった。
体育の授業を終え、これから昼飯のために教室に戻るというときだ。
「なん……だって?」
「だからさ、ミナちゃんだよ。あの子を高梨がヤっちゃったんだって。羨ましいっつうか」
「……おい、拓海と仲良かった子だろ?」
「あっ、ああ、ごめん。でも最近は全然会ってないみたいだし、お前とは何もないんだよな?」
友人達の声は、途中からほとんど入ってこなかった。
半ば無意識に高梨の姿を探し――見つけた。
かっと頭に血が上る。
近づいていくと、余裕のない表情をしている拓海とは対照的に皮肉っぽい笑みを浮かべた、ように見えた。
そこに挑発的な色を見た気がして、拓海は衝動的に食ってかかった。
「――おい、ちょっと顔貸せよ」
「ん、何?」
高梨は文句を言うこともなく、拓海に着いて来る。
体育館裏なんていうベタな場所で、二人は向き合った。
「お前、ミナに……何かしたってのは本当なのかよ」
「ん? ああ、そのことか」
高梨は何故か少しがっかりしたように溜息を吐く。
まるで取るに足らない話だとでも言われたようで、神経が逆なでされる。
「ふざけるなよ。あの子は……遊びでそういうことするようなタイプじゃない。見れば分かるだろ。それなのに手を出したのかって聞いてるんだよ」
「見れば分かるねえ。見た目で判断するなら、あの子清純ぶってるにおいがプンプンしたけど。現にちょっとおだててホテル誘ったらあっさり着いて来た……」
最後まで言い終える前に、拓海は思い切り殴りかかった。
しかし忌々しいことに高梨は運動神経も人並み外れているため、寸でのところでかわされ掠っただけだった。
「っぶねーな。あんな子に騙されて純だと信じてたなんて、倉科って童貞? さすがにないか」
「黙れっ……!」
怒りのままに殴りかかるものの、今度はガードされてしまう。
正直喧嘩は好きじゃなかったから、人を殴ったことなんてほとんどなかった。
だけどこのまま引き下がるなんて許せなくて、拓海は一心に高梨へ向かう。
「く……そっ」
「言っとくけど、合意の上だよ。倉科がどうこう口出す話?」
拓海は息が上がっているというのに、高梨は平然とそんなことを言う余裕がある。
その言葉が間違ってはいないというのがまた気に入らない。
分かっている。ミナとの関係を絶った拓海に、文句を言う権利なんて最初からない。
無理矢理ならともかく、高梨はそんなことをしなくてもいくらでも女が寄ってくる男だし、ミナもそのタラシぶりにやられただけのことだろう。
ミナが純情であるなんていうのも、拓海の思い込みに過ぎなかったのかもしれない。
それでも。
「はぁっ……お、お前なんて、大っ嫌いだ……っ」
恨めしげに上目遣いで言うと、一瞬高梨の動きが止まった。
その刹那、拳が彼の頬をとらえる。
「つっ……」
「う、ぁっ」
高梨の身体がバランスを崩すのと同時に、拓海もまた地に膝をついてしまった。
まずい。
汗をかき激しく動いたせいで、傷あてパッドがずれ、乳首が擦れてしまったのだ。
「……おい? どうしたんだよ」
殴られた当人より明らかにダメージを受けている様子の拓海に、高梨がいぶかしがって覗きこんでくる。
伸びてきた腕を、拓海はがむしゃらに払いのけた。
「さわ、るなっ……」
声が掠れてしまう。きっと怪しまれた。最悪の気分だ。
「……悪かった」
負けを認める言葉をぼそりと呟いて、拓海は乳首に擦れないよう服をぐっと押さえながら駆け出した。
とにかくどこでもいいから人目につかないところに行きたくて、部室棟の中でドアの開いている部屋に入り込んだ。
「はぁっ、はぁっ……」
恐らく今は使われていないのだろう。少し埃っぽかったが、今はえり好みなんてしていられない。
乳首が、疼いて仕方がないのだ。
「ん、ふっ……」
恐る恐る体操着とタンクトップを捲り上げると、右のキズテープが半分はがれ、赤く腫れた乳輪と乳首が露出していた。
その先端から微かに白い汁が滲んでいるのが見えて、めまいがしてくる。
こうなってしまったら、疼きが治まるまで搾り出すしかないのだ。
拓海は荒い息を吐きながら、そこに触れて揉んだ。
「あぁん…っ、はぁ、んんっ」
強い刺激によろめき、何とか壁に手をついて身体を支える。
ここ一ヶ月で、乳首はより敏感になっていた。母乳を出すために、拓海は自分でも聞くに堪えないような声を出しながら、壮絶な快感に悶えなければならないのだ。
今日は高梨とのやりとりのせいで心身共に昂ぶっていたせいか、いつもより更に感じてしまう。
「あんッ、んっ、でちゃうっ、ミルクがぁ…っ、はぁっ、あぁんっ!」
涙目になりながら、ぽってりと勃ちあがった乳首をひねったとき。
「――倉科?」
部屋のドアが、錆びた鉄の音をたてて、開いた。
その男と目があったときにはもう、止まることなんてできない状態だった。
「ヤぁっ……見るなっ、みる、んっ、ぁんっ、はぁあっ…」
――最低だ。
拓海は、よりにもよって高梨に見られながら、乳首から母乳を噴出してしまった。
頭の中は絶望感でいっぱいなのに、身体はビリビリと痛いほど感じて、今度こそ立っていられずその場にへたりこむ。
乳首はまだまだ満足していないというように赤く尖り、じわじわと母乳を出している。
「倉科、お前……」
「はぁっ、うぅ……」
聞きなれない驚いたような声音に反射的に顔を上げると、高梨が拓海の痴態をじっと見ていた。
一番見られたくない相手に見られてしまったのだと、嫌でも実感させられる。
嘲笑いたくて仕方がないだろう。ほんの少し前、八つ当たりのように因縁をつけてきた男が、喘ぎながら母乳を出しているのだ。こんな笑える話はない。
逆の立場だったら、自分は誰かに聞いてほしくて話してしまうかもしれない。高梨もきっとそうする。
そう考えたらたまらなくなって、気がつくと涙が出ていた。
「っ、うぅっ……」
「お、おい」
「高梨…言わないでくれ、誰にも……」
目を逸らしたらさっさと立ち去れてしまいそうで、拓海は哀れっぽく高梨を見つめて懇願した。
惨めで、どうしようもない気分だった。
高梨の男らしい喉仏が上下し、後ろ手にドアを閉めたかと思うとゆっくりと近づいてきた。
「――お前、何なの、これ」
「っ、わかん、ないっ……一ヶ月前から、ずっと……」
「一ヶ月……だからその頃から、タンクトップ着るようになったのか」
男に興味を示さない高梨がそんなことを見て覚えていたのが意外だった。
気づくと高梨はすぐ近くまで来ていて、視線を合わせるようにしゃがんだ。
「このこと、他にだれか知ってんの」
「しっ、しらない。いえるわけ、っ、ないっ……」
「まあそうだな。言わない方がいい」
そんな風に断言されると、酷く惨めで恥ずかしいことだと再認させられるようで、後から涙が滲んでくる。
「もっ、かえれ、離れろっ……」
拓海は胸を隠すようにうずくまった。
今こうしている間にも、正直乳首を擦りたくてたまらない。
そのうち我慢できなくなって高梨が見ているのに弄りだしてしまいそうで、怖いのだ。
それなのに高梨は立ち去るどころか、いきなり拓海の服をめくり上げた。
「ヤぁっ! なっ、やめっ……」
「すげ、まだ出てる……」
「ひっ……見るな、うぅっ」
ビンビンに赤く腫れて母乳を垂らす卑猥な乳首を凝視され、全身が熱くなる。
――もう触りたい、めちゃくちゃに擦って、母乳をたくさん出したい。
気づくとそんな風に考えてしまう自分が嫌で仕方ない。
「ね、触っていい……?」
「なっ……い、いやだっ、もう離れろって」
「誰にも言わないから」
「……っ」
そんな風に言われ、拓海は唇を噛んだ。
興味本位の男に触らせるなんて嫌だけど、断ったら言い触らされるかもしれない。
「さ……触るだけなら」
「……じゃあ、おっぱい弄ってって言ってみて」
「……っ、うぅっ、おっぱい、いじって……」
俯きながら言うと、高梨が息を飲む気配がした。
やけくそで復唱してしまったが、要求した本人もまさか素直に言うとは思っていなかったらしい。
猛烈に恥ずかしくなって撤回しようとした刹那、乳首をぎゅっと握られた。
「あああぁッ! やぁっ、んっ、あんっ」
あまりの快感に腰が大きく跳ね、溜まっていた涙が目じりから零れ落ちた。
人差し指と親指で横から掴まれぎゅっぎゅっと揉まれると、そのたび少量の母乳が飛び出す。
「あんっ、あっあっ、やだぁっ……ふぅっ」
「エロすぎ……何だよこれ」
馬鹿にするな、と高梨を睨もうとして、その表情が予想外に真剣で色っぽかったことに、拓海は動揺した。
腰がぞくぞくして、おかしな気分になる。
「ていうかさ、倉科っていつも乳首にこんなの貼ってたの……?」
「っ、だって、ぁ、はぁん……」
まだパッドが貼られている左の胸を見て、高梨は上ずった声で囁く。
どうしようもなく恥ずかしくて抵抗したいのに、力が入らない。
すると高梨は、まるで気遣うようにゆっくりと、パッドをはがしていった。
そちらの乳首も痛いほどぷっくり勃ちあがっていて、高梨の吐息がかかるだけでびくっと身体が震えた。
こんなのは嫌なのに、乳首がうずいておかしくなりそうだ。
パッドが完全にはがれた瞬間、あろうことか高梨はそこにむしゃぶりついた。
「ひあぁっ! やっ、あぁんっ…だめっ……あっ、あんッ」
濡れた粘膜でれろれろと舐められ、甘美な快感に足先までひくつく。
勃起したものを舌で押しつぶしたかと思うと甘噛みし、噛んだまま舌先でちろちろ刺激する。
何をされても信じられないほど感じてしまって、高い声がひっきりなしに上がった。
「ヤっ、アッアッ、さわるだけって、いったのにぃっ…、はぁ、はぁんっ」
抗議するようにやわらかい髪の毛を掴んでも、高梨は止まらない。
咎めるようにちゅうっと乳輪ごと吸われ、腰が痙攣した。
全く触れていないペニスはビンビンに勃起して、薄く頼りない短パンの生地をあからさまに押し上げている。
激しい衝動に、拓海は弱弱しい喘ぎ混じりの声で懇願した。
「あっ、あぁんっ……も、はなしてっ、はぁっ……ふっ、ミルク、でちゃうからぁ……」
得体の知れない液体を飲むなんてさすがに嫌だろうと思って言ったのに、その途端乳首を吸う力は強く激しくなった。
「ああーーっ! ヤぁっ、すっちゃ、らめぇっ、あっ、アッ、あぁあんっ…」
早く出せといわんばかりに、高梨は吸って口内に含んだものを舌で舐めまくる。
右の乳首は指でぐりぐりと弾かれ、擦られ、見たことがないくらい卑猥に大きくなっていた。
「いっ、やだぁっ、いくっ、あんっ、ミルクでちゃうっ……! アァっ、あっあっあああんッ!!」
滅茶苦茶に乳首を蹂躙され、拓海は腰を振りたくリながらいやらしいことを口走って、母乳を噴き上げた。
結局一度も触らなかったペニスは服の中で精液を吐き出し、びくんびくんと震える。
右の乳首からは揉まれるたびぴゅっぴゅと母乳が溢れて床や高梨の手を汚し、左の乳首は今も吸われ、母乳が出るたび一滴もこぼすことなく飲まれてしまう。
「ああぁ……ふぁっ、あん……」
その時間はなかなか終わらず、拓海は無意識に高梨の頭を抱え込むような体勢で、ひたすら甘い息を吐いていた。
ようやく噴出が治まって唇が離れたときには、許容オーバーの快感に放心状態になっていた。
「倉科、乳首だけでイっちゃったの…? エロすぎ……」
「ん……」
高梨の手のひらが頬にかかる。
恥ずかしすぎて視線を合わせられずきょろきょろしていると、涙に濡れた頬を舐められた。
「な、に……ぅんっ」
高梨の唇が、そうするのが当たり前というような自然な動作で移動し、気がつくとキスされていた。
舌を差し入れられると、涙のしょっぱさに混じってよく分からない甘い味がする。
これが母乳の味なのだろうかと思うと、たまらなくなる。
高梨の口内に残ったその味を全て消してしまいたくて、拓海はいやらしく蠢いていた彼の舌を思い切り吸った。
するときつく吸われ返され、腰が甘く痺れる。
その巧みさに流されそうになるのを堪えて、拓海も負けじと舌を動かした。
そんな姿は、気持ちのいいキスに必死に応えているようにしか見えないなんてことに、今の拓海は気づけない。
「んっ……あふっ、んんっ」
キスしたまま乳首を指で弄られ、高梨の舌を軽く噛んでしまった。
しかしそれを咎められることはなく、高梨は拓海の腰に腕を回してきつく抱きしめ、よりキスを激しくする。
その濃厚さに、拓海はしだいに陥落していった。
おかしなことに、これが異常な行為だとはっきり認識できたのは、ようやく唇が離れたころだった。
「ふっ……なっ、なんっ……」
もう訳が分からなくて、拓海はとにかくこの場から逃げようとした。
だけど高梨は、目元を赤く染めた壮絶に色気のある顔で、悪魔のようなことを言った。
「このこと、知られたくないよね……?」
「……っ」
絶望的な気分だった。
高梨が何を言い出すのか分からず、胃のあたりがぎゅっと痛む。
すると高梨は、むき出しの拓海の脚を撫でてきた。
「倉科さ……胸はしっかりガードしてても、こんな脚を丸出しにするって、ちょっとズレてるよね」
「ひゃっ……なにがっ…んっ」
「短パンも、サイズ小さいんじゃない? 体育で動いてるときとか、食い込んでるし……。恥ずかしくない?」
確かに、拓海は高校に入ってから急激に成長したため、入学前に買った短パンはもう小さくなっている。
少し格好悪いかもしれないが、女じゃあるまいし気にすることなのだろうか。
脚だって人より色が白いのと毛が薄く目立たないのは自分でも好きじゃないが、長さや太さは程よいと思うし女子にも綺麗だと褒められるのだが。
首をかしげていると、高梨は太ももを撫で回しながら、いやらしく微笑んだ。
「……まあいい。それ、脱いで見せて?」
「ヤぁあああっ! あっ、あぁっ、だめっ…、そこ、あんっ」
「ん…お尻、気持ちいいんだ…?」
どれくらい時間が経ったのか、もう分からない。
拓海は四つん這いという屈辱的な格好で、後ろからアナルに指を挿れられていた。
短パンや下着はとっくに膝上ほどまでずり下げられ、用途を成していない。
何故こんなことをするのだろう。
高梨が女に困ることはありえないし、男だって相応の場所で誘えばいくらでもついて来るだろうに。
いくら考えてもその答えはでなくて、ただ与えられる未知の快感にドロドロに溶かされていく。
「はぁっ、あふぅっ…、アッアッ、いあぁっ!」
ヌッヌッ、ぬちゅ、ぬちゅ、ぐちゅっぐぷっ、ヌップヌップ!
抜き差しするたびに響くいやらしい音に、耳を塞ぎたくなる。
最初は違和感が強かった。だけど高梨は非常に上手く、今は中を擦られるたびじっとしていられないほどの官能が襲ってきて、声を抑えられない。
指のごつごつした形が分かるほど肉壁が強く締め付けているのに、高梨は容赦なく感じるところを抉り、穴を広げていった。
「あぁんっ…ちくび、もっやだぁっ…あっ、あっ」
片方の手では乳首を小刻みに弾かれ、最早性器以上に敏感になって拓海を悶えさせる。
絶頂が、めまいがするほど大きなうねりとなって押し寄せてきた。
「ひあァっ、またっ…、出ちゃうっ、んっ、あぁんっ」
そう訴えると、挿入されていた指が性急に抜かれ、乳首からも指が離れた。
肩透かしを食らって、どうしようもない疼きに荒い息を吐いていると、身体を反転させられ仰向けになる。
何を、と言う間もなく、酷く熱くて硬いかたまりがアナルに押し当てられた。
「はぁっ……ヤ、だ、ち○ぽ、なんでっ……」
拓海は喘ぎ混じりに訴える。
視界の隅にとらえたそれは、遊んでいる高梨らしく赤黒く巨大で、青筋を浮かべて反り返っていた。
あんな大きなものが、アナルに入るわけがない。
でももし挿れられて、あれで中を擦られたら――自分は一体どうなってしまうのだろう。
考えると全身がこれ以上ないほど熱くなって、腰から足先までびくびくと痙攣する。
「ねえ、挿れていいよね、これ……」
掠れたささやきと共に、亀頭が濡れた穴にぐいぐいと押し付けられる。
入り口を刺激されただけなのに、触られてもいない奥が疼いて疼いて酷く辛い。
そうしながら乳首をこりこりと弄ばれると、アナルがペニスを食むようにひくついた。
「ぁんッ、い、やだって……! そんな、でかいの、ん、はいらな……っ、ヤっ、あぅっ」
必死の抵抗も、高梨を煽ることにしかならなかった。
腰に本気の力が入り、怒張が卑猥な音を立てて中に挿っていった。
ぬちゅっ、ヌッ……ズプ、ズププ……ッ
「ああ゛ぁーっ……ヤッ、はぁっ、ひぃッ……アンッ」
「っ、きっつ……」
うごめき締め付ける肉壁を無理矢理押し広げられ、強い圧迫感と性感帯をごりごり擦られる感覚に、頭が真っ白になる。
こんなの、おかしくなる。死んでしまうかもしれない。本気でそう思った。
なのに高梨は容赦せず、挿れてまもなく腰を動かしはじめた。
「やあああッ! ひぅっ、あんっ、アンッ、うぅっ、やっ…、ぬいて、あぁっ!」
「ごめん、無理。……はぁっ、きもち、いいでしょ?」
「あんっ! だめっ、だめっ……ちくびっ、はぁんっ、んっ、あんッ」
腰を緩く動かしながら、高梨は両乳首を弄ってくる。
ぎゅっぎゅっと軽くこねられるたび腰がひくついて中の肉棒を締め付けてしまい、高梨が興奮したような息を吐く。
ぬちゅ、ぬぷ、ズプッズプッ、ぐちゅっぐちゅっ……パンパンパンッ!
抜き差しのスピードが徐々に上がっていき、乳首を弄る手も押しつぶすように乱暴な動きになる。
ペニスの裏側あたりを突かれながら乳首をぐりぐりされると、いちいち達したような壮絶な快感が拓海を襲う。
「ああぅっ、だめっダメッ……もう、そこっついたらぁっあっ、はああぁんっ……」
と、不意に高梨が拓海の身体を持ち上げ、対面座位のような体勢をとった。
自重のせいでより深く咥えこんでしまって悶えていると、ぽってりと腫れた乳首を吸われた。
「あぁんッ……いぃっ、アッ、らめっ、あっ、あっ」
乳輪までねっとりと舐め、これ以上大きくなってしまうと心配になるほど強く吸う。
きつい締め付けのせいで挿れているだけで気持ちいいのか、中の怒張がビクビクしているのが分かる。
だけど段々と拓海のほうがもどかしく切なくなってきて、半ば無意識のうちに、いいところにあたるよう腰をくねらせ始めた。
「あっあッ……ふぁっ、ひぅっ、あんッ」
怒張は怖いほど大きくて硬くて、拓海は自分が壊れてしまわないようにじれったいほどゆっくりと腰を動かす。
それだけでも、厚い粘膜に弄ばれる乳首の快感と合わさって、わけがわからないほど感じる。
「はっ……、ごめん、ちょっと……」
「えっ……? ああぁッ!? あひぃっ、アンッ、アンッ!」
不意に高梨が切羽詰った声を出すと、下から激しく突き上げてきた。
ガクガクと揺さぶられ、拓海は泣きながら高梨にしがみつく。
ぐぷっぐぷっ、ぬっぬっ、ヌプッヌプヌプヌプッ、ばちゅっばちゅっばちゅんっ!
「あっあっアアァッ、やだぁっまた、いっちゃうっ……、みるく、でちゃうっはぁっ、あうぅ…んっんっふあぁっ」
「ん、いいよ……もう一回、飲ませて……?」
乳首を舐めながら囁かれ、かーっと腰に熱が集まる。
ペニスも高梨の硬い腹筋に擦られ反り返って涙を流し、絶頂をうったえていた。
「アアアーッ、いくっ、いくっ……みるくがぁっ、あっあんっあんっアンッああああぁんっ!!」
前立腺に巨大な肉棒を押し付けるように腰を回しながら、拓海はどぴゅどぴゅと精液を吐き出した。
同時に乳首から母乳が噴き上げ、高梨の口内を叩く。
「くっ……おれも、イっていい? 中に出していい…っ?」
「ヤっああぁっ、らめっ、なかはっ、あぅっ、アッ、おかしく、なっちゃうからぁっ……あっヤあああぁっ」
「あッ……くっ」
ぬぷっぬぷっ、パンッパンッパンッパンッ!!
中出しが怖くてとんでもないことを口走ってしまったのに、高梨は聞き入れずガンガン腰を動かし、やがて体内に熱いものが叩きつけられ広がった。
そのショックで拓海も再び軽くイき、母乳が滲み出る。
高梨はもったいないとばかりに乳首に吸い付き、全てを舐めとられた。
「倉科……」
女なら昏倒しそうなほど色気のある顔でうっとりと名前を呼ばれ、拓海は霞む意識の中、今度こそはっきりと決意した。
(今度こそ、絶対、病院行って治してやる……)
end
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