女装2 恵一視点 02


あり


「ん……」
「ん〜〜っ……ふ、んっ……」

 驚くほど抵抗はなかった。舌をねじ込むと創の下半身がびくりと反応して小さく震える。そんな反応をされたらもう止まらなくなって、戸惑う舌を引きずり出して激しく絡め合う。
 
 れろ……くちゅっ……ちゅ、くちゅ、ちゅっ、れろれろれろっ……
 びくっ……びくびくびくっ……
 
「んっ、んっふっ……」

 創が、女装姿で恵一にキスをされて感じている。反応をもっと確かめたくて過剰に密着する。
 スカートの下には、恵一の姉が用意したレースの女性下着を穿いているはずだ。こんなにびくびくしていたらもう、清楚な下着にシミができるくらい濡れているかもしれない……。
 想像したらゾクリと背筋が粟立って、熱っぽくなった手をスカートの中に忍び込ませる。

「ん゛んっ……ふう、んっんっ」

 くちゅ……っぬ゛っ……ぬちゅ……
 
 期待通り、薄い下着を湿らす感触があった。くちゅりという音が興奮を誘う。
 女にはない硬く隆起した感触も、恵一を萎えさせるには至らなかった。むしろ小さな下着に勃起したものを窮屈そうに収めているのがやけにエロく感じる。恵一は張り詰めた先端を指でぐりぐりと弄った。

「ああんっ…っんっ、やあっ…あっ、はアッ」

 我慢しきれずに出てしまったという嬌声に、性器がどくりと精液を作る気配がした。
 創は絶対に声を聞かれたくないはずだ。演技でわざとらしい声を出す女とは真逆で。なのに喘いでしまうということはそれだけ恵一の悪戯に感じてしまっているということだ。
 ストーカー男も食い入るようにこちらを見ている。創が羨ましいのかはたまた創に欲情しているのか知らないが、見るんじゃねえよと思いつつ、手は止まらない。観客の存在が行為を煽る。
 
「どこが気持ちいいの……?」
「ぁあっ…んっ…クリ○リス……っきもちいっ…はぁんっ…クリ、指で弄られるのっ…やっ…あ〜〜っ…」

 恵一は言葉で創を追い詰めようとした。一応女のふりを続けなくてはいけないと思ったのか、クリ○リス、なんて卑猥な言葉を自分から言う創に、こっちが驚いて息が上がる。目の前の男はとっくに女装に気づいていると思うが伝える気はない。もっといやらしい姿を見たい。

「あああっ……あッあっ…クリ○リスが…あっあッ、ぐりぐりしないでぇっ…はぁん…」

 ぐちゅっぐちゅっ……くちゅくちゅくちゅっ……ぬ゛っ…ぬ゛りゅっ…
 びくっ……びくびくびくっ……

 創は体を震わせ、下着のシミが漏らしたみたいに広がる。男の耳にも届くほど濡れた音が響く。

(ちょっと意味わかんないくらいエロい。……なんでこいつ男なんだろ。こんなん、ガンガンハメて犯してって顔と体してんじゃん……)

 今自分は、ちゃんとふざけたチャラ男の顔ができているのだろうか。自分でも抑えられない感情に戸惑う。そんな恵一の気も知らず、創はメスの顔を晒しながら淫らにねだってくる。
 
「恵一……もっと下……っおま〇こ、触って……?」

 言われた瞬間、自分のペニスがバキバキに硬くなっていることを強く自覚させられた。
 ――男にも、ペニスをハメる穴がないわけではない。創が自分でおま〇こと言ったのだから、そこは紛れもなくハメられても仕方がない穴なのだ。
 すぐにでもぶち込みたい気持ちを隠して手を伸ばすと、そこはひくついていて指を吸ってきた。

「すげ…ま○こひくひくしてる。俺の指挿れてほしいの?」

 創は泣きそうな顔をして答えに窮したが体の反応はごまかせるものではない。指にくぱくぱと媚びてくる穴は性器より性器らしい。こんな穴を女装姿の下に隠していたなんて……。
 
「ゆっ指、おま〇この、なかにいれて…きもちいいところ擦って…あっはあぁあっ…」

 ずにゅっ……ぬ゛ぶ、ぬ゛ぶっ……ずぷぷぷっ……
 
 我慢できなくなったのかエロい顔でねだられて、恵一は食い気味で指をハメ込んだ。中はきつく、熱く蠢いて指に絡みついてくる。
 恵一はギラついた目で創を視姦した。可愛い女物の服を着て、レースの白い下着をつけて、清楚な顔をしながらテーブルの下で指マンされる創は、めまいを覚えるほどいやらしくて倒錯的だ。
 ハメた指を抜き差しすると、創は腰を揺らして、顔を蕩けさせて喘いだ。
 
「いっ…ひっあひっ、んっ、ああっ」

 痛がるそぶりもなく、淫らに指に吸い付いてくる。ペニスをハメる性器なのだという確信が深まって、興奮と不可解な苛立ちを覚えた。
 まさか初めてではないのだろうか。普通に考えてそんなはずはない。罰ゲームで女装するまで、確かに創はごく普通の男だった。ビッチな本性を隠してあんな恥じらう演技ができるような器用なタイプでもない。友達なのだからそれくらい分かる。
 慣れてるのか聞いても、はっきりとした答えは返ってこなかった。問い詰めたいようで聞きたくない気もする。穴を抉る抜き差しを激しくすると創も感じるばかりで、話どころではなくなった。

「指マン好き? 指増やしていい?」
「あっあ゛っんっらめぇっ…あひっいっ…やあぁっ」

 ずぬっぬ゛ぶっぬ゛ぶっ……ぐりっぐりっぐりっぐりっ
 
 嫌がる声を無視して二本目をねじ込む。ここにハメたら、さぞ中の熱い肉が怒張に絡みついてきて、イくまでピストンして中に出すまで抜くのは不可能だろう。そんなことばかり考えてしまう。
 
「はぁ……っはぁっ……」

 男も興奮して、我慢しきれなくなった様子で机の下に潜り込み、痴態を観察し始めた。撮影でもすれば多少は脅しにもなるのに興奮でそんな余裕もないらしい。もちろんそんなことをされたらすぐにボコってデータを没収してやるが。
 だが余裕がないのは恵一も同じだった。手でも出してこない限り男のことは放置しておくことにする。
 
「ああぁっ、もっでちゃうっ、いっちゃうっ…あっ、やっああああっ…」

 指マンだけでイきそうだと告げられ、また驚かされた。中だけでイくというのか。ま〇この代わりどころじゃない。どんな女よりいやらしく見える。
 
「指マンでいくって言いながら出せよ、ほらっ」

 ぬぶっぬぶっ…ずぷっずぷずぷっぐりぐりぐりっ
 
 興奮を隠せていない上擦った声で責めながらめちゃくちゃに指で卑猥な穴を突くと、創は舌を出して生理的な涙を流し、熱を出したみたいに喘ぎながら「指マンでイっちゃう」と掠れた声で連呼して、大きく腰を震わせた。
 
 びくっびくっ……びくんっびくんっ……びゅっ、びゅくっびゅくっ……
 
「ああああぁっ……ん゛ぁっ…も、やらぁ…っはぁっ…はぁっ…」

 驚くべきことに、創はほとんどアナルの中だけで絶頂に達して、ペニスから汁を噴き上げた。女性下着には似合わない白い液体がレースを汚す。
 イった瞬間、指を食いちぎる勢いでひくひくと穴が痙攣した。演技ではありえない生理的な体の反応だ。指なんて大した太さもないのに、みっちりと痛いほど締め付けられる。喉が鳴る。
 余韻に泣きそうになってはあはあ息を吐く創を恵一は抱き寄せた。もっと汚してみたい。同時に守ってやらなければいけない気分になる。
 軽くキスしたり、耳や頬を撫でる。ついでに観客の男に見せつけることで追い出すことに成功した。
 
「くっ……うう……」

 男は完全に前かがみの体勢で、テントを張った下半身が苦しそうだった。その姿を嘲笑しつつ、実際には恵一も笑えない事態になっている。

「はぁっ……ん、お前、本当に最低だな」

 やりすぎた行為に批難してくる姿勢は、確かに恵一が知っている創のものだ。そこそこ仲のいい、お人好しな男の友達。
 分かっているのに、ペニスは一向に萎えてくれない。薄いレースの下着をもっと大胆にずらして、隙間からいきり立った勃起をハメたい。
 男がいなくなったからか、羞恥をごまかすためか、創は恵一への文句が止まらない。そんな創に「トイレ」と告げて席を立った。まだ何か言いたそうだったがこれは創のためだ。
 あのまま一緒にいたら何をしていたか自分でも分からない。もしここが自分か創の部屋、あるいはカラオケの個室や人のいない場所だったら――だが現実にはここは喫茶店だ。さすがの創も許してはくれないだろう。
 そもそもの話、恵一はゲイではない。男に欲情する趣味はないはずだ。この期に及んで自分にそう言い聞かせる。

「はぁっ……」

 個室に入るなり、我慢が限界に達してすぐに勃起を取り出す。
 
(マジで……勃起しすぎで引く。別に溜まってないし、相手は創なのに……)

 ペニスは反り返るほど勃起して脈打ち、先端は早く射精をしたいとばかりに先走りの汁で濡れている。女にだらしない恵一は定期的にしっかり性欲を発散しているにも関わらず、触れてもいないペニスが勝手にこんなになるなんて。自分でも少し引いてしまう。
 握っただけでじんと感じて、いつもより敏感になっている。それだけ興奮しているということだ。恵一は先程の創の痴態を思い浮かべながら、血管の浮き出た幹を乱暴に扱いた。
 
『あぁんっ…ひっ、あっおま〇こ、だめっ…あっあっ、ああぁ〜っ……』

 恥ずかしそうに淫語を吐きながら感じまくっていた姿。そして指をぎゅうぎゅう締め付けるアナルの感触……。
 創は普段の面影を残しつつ、恵一が知らなかった淫らな生き物になっていた。自然と扱く手が速くなり、息が上がってくる。

(つーかあんな小さい穴にこんなのブチ込めるわけ……でも結構柔らかかったから、無理やりねじ込めば入っちゃうかも。死ぬほどきつくて、指マンのときみたいにきゅうきゅう絡みついてくるのかな。はぁっ……あー……ヤバ)

 段々とオカズが現実の出来事から乖離していく。創は女装をしたまま蕩けた顔で足を開き、淫らな穴を見せつけ、そこに……。

『ああぁっ……だめぇっ、そんなおっきいの…おち〇ぽハメたらぁっ…あっ恵一……らめぇっ、いいっ!おま〇こズボズボいいっ、激しいのきもちいっ…』
「〜〜っ……はぁっ……あーイくっ……」

 ハメるのを想像しながらガンガン扱いた瞬間、ものすごい勢いで精液がペニスを駆け上がった。気づけばいきり立ったペニスから大量の精液が吐き出されていた。

「はぁっ……あー……ダサ……」

 一緒にいるのに、その相手をオカズにしてトイレで抜くなんて、もちろん初体験だ。
 それでも、一度射精しても冷めた気分になることはなかった。これから創をどうするのか。恵一がとれる選択肢はいくらでもあるように思えた。
 一つ一つを想像するだけで胸のどこかが疼き、じっとしていられない気分になる。何事もなかったように見えるよう服装を整えてトイレから出た。
 恵一はすぐに後悔することになった。

「よう恵一」

 抜き終わるまで長い時間ではなかった。その間に、創は新たな客によって囲まれていた。一緒に創を女装させた仲間達に。
 その中で一人――小野寺が興味を示した目で創の女装姿をじっと見ていて、恵一は嫌な予感がした。いや、ただの興味なんて生易しいものではなく、獲物を見定める獣の眼光だった。
 グループを支配しているのは小野寺だ。恵一としては別に全てにおいて劣っているつもりはないが、それでも小野寺より上に立ちたいとは思わない。わかりやすく悪いことをしているわけでもないのに、逆らうべきではないと本能的に感じる男だった。
 
 
 結論として、創は小野寺のいいようにされた。ゲームを口実にいやらしいことをさせられ、体を弄られ、最後には小野寺の巨大なペニスを狭く小さな穴に強引にハメられた。
 そうしたかったのは自分だ、と、行為が進むごとに恵一は歯噛みしつつ、下半身を再び熱くさせていた。小野寺はモラルが人より欠けている恵一でさえ躊躇うような一線も、その気になれば簡単に超えてしまえた。
 面白くない。でも、女装して同級生に好き勝手に体を触られ、勃起ペニスを擦りつけられ、感じながら健気に扱いてにイかせようとする創の姿は、どうしようもなくいやらしくて可愛かった。
 我慢できず、熱い口の中に硬いものを突っ込んで、無理やりフェラさせた。異様なほど興奮した。参加することで「無理やり酷いことをしたその他大勢の一人」に成り下がると分かっていても、暴力的な欲情のほうが勝った。
 
「ん゛っ……んっふぅっ……んっん〜〜っ……」

 恵一のものをしゃぶりながら、山口やコージの童貞ペニスを扱き、ブラをずらされて小さな乳首を弄られ、アナルを太い杭で犯される創は最高にエロい。イライラしてペニスにクる。
 
 れろっ……れろっ……ぢゅぶっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっ
 ずぶっずぶっずぶっずぶっ、どちゅっどちゅっ、パンパンパンパンパンパンッ!
 
「ん゛むっ……んっん゛ッふう…ん゛〜〜っ……」
「はぁっ……ちゃんとしゃぶってよ、喉奥まで咥え込んで……あーっ……そう、いいよ」

 半ば八つ当たりのように創の小ぶりな頭を押さえつけ、喉奥まで勃起をガンガン突き入れた。苦しそうな必死な顔にも煽られる。
 創の口の中でペニスはドクドクと暴れ、口の粘膜で硬い棒を散々扱き、イく寸前に引き抜いて蕩けた創の顔に大量の精液をぶっかけた。

「ん゛むっ……ふあああっ…だめっ、あっあ゛っ、あぁあんっ」

 恵一が射精した後も、小野寺の容赦のない腰使いは止まらない。今創は恵一ではなく小野寺の巨大なペニスに感じて、小野寺のペニスでアクメしようとしている。
 小野寺は創のペニスを扱こうとした山口を制して、創にメスアクメさせようとしていた。嫉妬と欲情の篭った眼差しを向け、恵一が乳首とペニスを愛撫してすぐにでもイかせたくなる。ペニスをハメてガンガン突いてメスアクメさせるなんて、雄として雌に自分を刻み込む圧倒的な行為だ。創が小野寺のものになってしまいそうで焦りを覚えた。

「イくぞっ……お前のま○こに、種付けしてやるよ」
「あ゛あああっ…らめぇっ、なかっ…おぉっ…あぁっ、あああああああ〜〜っ…」

ぐちゅっぐちゅっぐちゅっ、パンパンパンパンパンッ!
 どびゅっどびゅるっ、ビュルッ、ビューーーーーッ……
 
 一際激しいピストンに、誰もがごくりと唾を飲んだ。小野寺がガツガツと最奥まで腰を打ち付けて射精に震え、創はその何倍も大げさなほど腰を震わせ、壮絶なアクメをキメているのが傍目にも分かってしまった。

(くそ……っ、なんで、俺にあんな、彼女みたいな態度で初々しく甘えてきたくせに、小野寺のち〇ぽに媚びてんだよ……)

 腹立たしい。なのにまた勃起している。何なんだろうこれは。
 以前オカズの話になったとき、山口だか誰かが「寝取られもの興奮する」などと言っていて、全く同意できずに鼻で笑ったものだが……笑えなくなってしまいそうだ。
 
「創……大丈夫?」
「んっ、ん……恵一……」

 創の目は濡れて焦点が合っていないながら、どこかに失望の色がある気がして、そんな目で見るなと言いたくなる。
いやらしい遊びが始まったとき、創はどこか恵一に助けを求めているような縋るような顔をしてきた。恵一はそれを無視した。こんな事態になった原因を作ったのは恵一なのに、友達を見捨てたと言われても仕方がない。
いつもふざけている自分が本気で女装した創を庇ったら一体どう思われるか、そもそも小野寺に敵うのか、そんなことを考えて二の足を踏んでしまった。
らしくもなく罪悪感を覚える。でも遅かれ早かれ、創の友達としての信頼には応えられなくなっていただろう。
 
 そもそも、トイレで情けなく抜いたりせずさっさと創を店から連れ出せばよかったのだ。どうしてそうしなかったかといえば、創を弄んでいるふりをしながら実は余裕なく興奮して勃起しているなんて、創知られたくなかったから。結局全部くだらないプライドのせいだった。
 今思えば別に知られたってよかった。興奮したペニスを擦りつけ、人のいないところでハメたいと欲望のままに告げて、トロトロになった創の穴にねじ込んでやればよかったのだ。強引で傍若無人な小野寺より、もっとトロトロに甘やかして、嫌というほどイかせて感じさせる自信はあった。

「……創、メスアクメキメて気持ちよかった? エッチな格好して、ホントやらしいね」
「あ……はぁっ…」

 中に種付けされ、顔や体も白濁で汚されて呆然とする創。優しくしてやればいいものを、口から出てくるのは嗜虐的な言葉だ。それに創が絶望しつつ興奮しているのが伝わってきて、ゾクゾクする。
 ずっと「創に欲情するなんておかしい」と何度も言い聞かせてきた。でもきっと前提から違っていた。他の誰が女装したってこんなにムラムラするはずがない。「創だから」欲情してしまうのだ。気づくのが遅くなった。でも、もう取り返しがつかないというわけじゃない。
 別に創の処女がほしかったわけじゃない。これからいくらでも、どうとでもしてやれる――。
 ちらりと小野寺の方を見る。創の淫らさを圧倒的な力で暴いた男の目は厄介なことにまだ冷めてはいない。
 本当に厄介だ。だからって今度ばかりは引けそうにない。寝取られた男という負け犬で甘んじているのは今だけだ。

(……取られたって言ったら元々俺のものじゃねーよって突っ込まれそうだけど。いいよ、すぐ俺のものにするし)

 淫らで可愛い創の頭をこれ見よがしに優しく撫でながら、恵一は頭の中で策を巡らせていた。

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