ちょっとした勘違い 02


あり


「んっ、ん……」
「ん、可愛い……」

ファーストキスの衝撃を受け止める間もなく、角度を変え何度も唇が押し当てられ、セカンドもサードもそれ以上も失っていく。
体が動かない。唇を吸われ、掠れた声で可愛いなんて言われて何故かぞくりとした。

「晴也…口開けて?」
「ん、ふぁ、んっ」

条件反射で口を開けてしまったところに、衛藤の熱い舌が侵入してきた。口内の敏感なところをぬるぬると舐められ、腰が震える。

俺は必死に頭を働かせた。もしかして、もしかしてだけど、衛藤が好きなのって俺……!?
だってこいつは冗談でこんなことするような奴じゃない。はずだ。
思い返せば今まで一度でも「玲奈が」好きだという言葉を聞いただろうか。いやない。
しかしありえない。こんなイケメンがまさか男の俺を好きだなんて。……という大前提が間違っていたのだとしたら。

「んっ…んっ、んっ、ぅん……」
「ん……好きだよ…」

混乱の渦にいる俺に、衛藤が疑惑を確定づける一言を放った。すぐには頭が追いつかない。
その間にも衛藤の舌はねっとり動いて性感を刺激してくる。舌どうしをゆっくり何度も擦り合わされると下半身がじんとして、足がふらついて衛藤にもたれてしまう。すると一層強く抱きしめられて、……硬いものが、俺の体に当たった。

「んん〜っ、ん、ぅん、ふっ…」

ちゅ…ぬちゅ、ちゅく、ちゅく、れろれろれろれろ
ごりっごりっごりっぐりゅぐりゅっ

驚いて身を引こうとしたけど逆にゴリゴリと押し付けられ、キスも激しくなる。
何これ……衛藤が俺にキスして、俺で勃起して、自分でもびっくりするくらい嫌だと思ってない。

「んんっ……」

それどころか、舌をエロく絡められると気持ちいいし、爽やかで全然ガっついたとこがないと思ってた衛藤が凶器みたいに硬いものを押しつけてきてるって異常な状況にゾクゾクして、俺のまで勃ってきちゃってる。

「ん……エロい顔してる。キス好き?」
「はぁ……ぁ……」

お前の声のほうが明らかにエロい。甘いのにどこか切羽詰まったみたいな、欲情した目で見つめられドキドキする。
……い、言えない。こんな目で見られたら、妹のことを好きだと勘違いしてたなんてとてもじゃないけど言えない。
これ以上は止めなきゃとは思っても、気持よくて頭がぼーっとして……。

「あー可愛い…ん、」
「ふぁ…んん…っ」

熱い吐息と一緒にまたキスをされた。衛藤は舌を吸いながら俺の脚の間を太ももで割ってぐりぐりしてくる。

「んんっ! ん、んっ」

ぬちゅ、ちゅっ、ちゅく、ぬる、ぬる…
ぐりっぐりっ、ぐりっぐりっぐりっぐりっ

本当にこれが衛藤なのかってくらい、性感帯を容赦なく激しく刺激される。なのに気持ちいい。口内を舐められるとチンコがビクっとして、そこを硬い太ももで擦られると全身が痺れるみたいに感じる。

「んっんっんっ…ぅん、ん〜っ…」
「……っ、はぁっ、ホント可愛い…」
「ひゃぁっ…あっだめ、んんっ…」

衛藤は素早く俺のジーンズを脱がせてしまった。俺のチンコは完全に勃起してボクサーパンツを押し上げて……先っぽの方は汁で濡れて色が変わっちゃってる。カリの色とか形が透けて見えるくらいで、こんなみっともない姿恥ずかしくてたまらない。

「やっ、見るな……、ん」
「どうして? すごいやらしい…写真に撮りたいくらい」
「やっ……」

衛藤は馬鹿にしてる感じなんて一切なく、熱っぽい目でそこを凝視してくる。余計恥ずかしくて更にチンポから汁が滲んでしまう。

「先っぽピンク色なんだね…」
「あぁっ! ぁっん、はぁっ」

衛藤の指がカリをぐりっと擦る。自分で触るのとは全然違う。腰が勝手に跳ねちゃうくらい気持ちいい。

「こんなに濡らして…敏感だね」
「やっあっ…んっ、はぁっ、あぁっ」

パンツの上からチンコ扱きながら衛藤が囁いて、それから耳を舐めてきた。ゆっくり舌を這わされたり甘噛みされるとゾクゾクして、チンコに快感が突き抜ける。

ぬちゅ…ちゅ、ちゅく、ちゅく……、ぬちゅ、ぐり、ぐちゅぐちゅぐちゅ

「あぁっあッもっ、いきそうっ…」
「もうイっちゃうんだ? 気持ちいい?」
「んっあっんっ…いい…っきもちいっ、衛藤、そこっきもちい…はぁっ…」
「……っ」

衛藤がパンツを引きずり下ろした。直接扱いて貰えるとはぁはぁ言いながら待っていると。
指がチンコを通りすぎて、尻の穴を撫で回し始めた。
「っあぁっ! やっ、そこはっ…」
「はぁ…俺ももうイきたくて我慢できない。晴也の中にハメてたくさん突きたい」
「あッやぁっ…はぁっ」

衛藤は興奮した様子で、俺が今まで一度も考えたことがなかったようなことを言い放った。
まさか、尻の穴に衛藤の勃起したでかいチンコを挿れる……!? 無理に決まってる。……のに、想像したら体の奥が疼いて息がどんどん上がってくる。

「はぁ、晴也のアナル……ひくひくしてるよ」
「ま、待って、俺、心の準備が…っ」

完全に気持ちよさに流されてたけど、さすがに最後までしたら取り返しがつかなくなる。もう遅い気がしつつ俺は必死に訴えた。

「お前のことは友達だと思ってたから、これはいきなりすぎっていうか…っ」
「――俺のこと、好きじゃない?」

傷ついたように問われ胸がずきりと痛む。
嫌いではない。かっこ良くて性格もよくていいやつだと思ってたし、何よりこんなエロいことしてるのに全然嫌じゃなくて、むしろめちゃくちゃ気持ちいいし……。

「その、好きは好きだけど……友達から始めるって言っただろ? まだこういうことは……」
「――そっか。晴也が奥手なのは分かってたから、ゆっくり好きになってくれればいいよ」
「衛藤……」

綺麗な笑顔を向けられほっとした。のは一瞬のことで。

ぬちゅ、ぬぶ、ぬぶっぬぶぶぶっ

「ひっああぁっ!?」

俺の尻に、突然衛藤の長い指がずっぽりハメられた。

「やっあッ、何でっ…あッあッあんッ」
「っ狭いね。……ねえ晴也、好きで好きで、頭の中で何度犯したか分からないくらい好きな子から家に呼ばれて、二人きりなんて言われたら…、我慢できるわけないだろ?」
「っそれは…ぁあっそこっやッ…あっあぅッ」
「俺、散々好きだって言ってきたよね。そんな相手を家に呼んだらどうなるか、本気で分かってなかったとしたら鈍感すぎて心配になるよ」
「ひあぁッやっぐりぐりしないでっ…あぁっ」

ずぶっ…ずぶっ…ぬぶ、ぬぶ、ぐりぐりぐりぐりっ

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