失恋と10万円3話 02
あり
心を落ち着かせようと、バスタブにお湯をはりながらボディソープで体を洗う。
普通の入浴になってしまっているが、そういえばゲイは風呂場で体の準備をする……とゲイバーで聞いたことがある。要するに、挿入しやすいように慣らすということだ。
篤己はごくりと唾を飲む。やっておいたほうがいいのだろうか。上手くできる自信はない。挿入を期待してる淫乱だと海斗に罵られるかもしれない。でも……。
悩んでいられたのは一瞬のことだった。浴室のドアがいきなり開いたのだ。
「ひっ!? かっ、海斗、何っ!?」
「……だからなに髪まで洗ってんだよ。また俺を待たせる気だったのか」
「い、いやこれはわざとじゃなくて……」
浴室は明るい。海斗の、細いがしなやかな筋肉のついた体がよく見えてしまい、恥ずかしくて目を逸らす。こちらが見えているということは相手からも見えているということだ。
血迷って指を挿入する前で本当によかった。下半身のほうに行っていた手でそのまま自分の体をできるだけ隠す。
「わざとじゃなくてバスタブにお湯まで入れるか? あのときみたいに大人しく待ってると思った?」
「ひっ……あ、あのっ……ちょっと待って、」
「お前に好きにさせてるとどれだけ待たされるか分かったもんじゃない。俺が洗ってやるよ」
海斗はいつもより少しだけ早口でそう言うと、篤己の後ろに回り、体に触れてきた。
「あっ……ふあっ、そ、そんな、いいから、自分で洗うからっ……はぁっ、んんっ……」
「お前がトロいのが悪い。じっとしてろよ……」
「だ、だって、はぁっ、んっ、あっ……」
ボディソープの泡に塗れた体に、海斗の指が滑る。くすぐったくて、ゾクゾクして、体がびくびく反応してしまう。とてもじっとなんてしていられない。
洗うというにはあまりに力が弱くて、愛撫のような手つきだ。首筋や肩、背中を撫で回され、そこに性的な意図を感じて足が震える。
「はぁっ……ぁっ、ん、んっ……」
「洗ってるだけなのに、何で変な声出してんの……?」
「だ、だって、くすぐった……ひぁっ……」
指が胸にまで来ると、まだ触られていないのに乳首がじんじんとやたら疼いておかしな気分になる。
「あっあっ……や、はぁっ、んっ」
「……勃ってるな。ここも洗ってほしい?」
「ひっ……っ、んっ、そこ、はぁっ、だめ」
「何で駄目なの……? 乳首、搾乳するみたいに弄られまくるのが好きなくせに」
「っだって、もうじんじんしててっ……海斗に触られたら、おかしくなっちゃうっ……あっ、あぁあんっ!」
ぬるっ……ぐに、ぐにっ……
耳元に熱い吐息がかかったかと思うと、両方の乳首を一度に押しつぶされた。
ボディソープでぬるぬるになっているせいかいつも以上に敏感で、想像していたより強烈な、下半身に突き抜けるような快感に襲われる。
「ひああっ、あっあんっ、だめっだめ……っ、あッああ〜…っ」
「やらし……」
掠れた声で言われ、耳まで感じる。全身が敏感になっている。
強弱をつけながら乳首を責められ、体がびくびく跳ねる。
いつの間にか後ろから抱きしめられるような体勢になっていて、海斗の体に腰を擦り付けてしまって恥ずかしいのにどうすることもできない。
ぬるっ……くちゅ、ぬる、ぬちゅ、ぐりゅっぐりゅっ
「ああッ、んっ、あッ、あッ、ふあっ、あんっ……はぁっ、んっああぁっ」
「すごい反応だな。いつもより感じる?」
勃起して色が濃くなった乳首を後ろからじっと凝視され、とてつもなく恥ずかしくなり、熱いのに全身がゾクゾクする。
「ひあっあッ……み、見ないで……っんっ、明かり、暗く……っあッあうっ」
「無理、ここは明るさ調整できないし。……泡の中でピンクの乳首がビンビンになってるよ。恥ずかしくないの?」
「はっ恥ずかしいに決まってる……! もう……やっあッあんっあんっあぁーっ……」
「はぁっ……」
くにっ、くにっ、ぬるっぬるっぬちゅっくちゅっ、ぐりっぐりっぐりっぐりっ……
海斗は意地の悪いことを言われ憤慨していると、更に激しく乳首を擦られ、ぐにぐに転がされる。
後ろから荒い息がかかって、海斗も興奮しているのかと思うとドキドキして、余計感じてしまう。
「あっあッんっ……やっ、あッそれっだめ、……あッ、海斗っ……」
名前を呼ぶと海斗の体がびくりと揺れた。
乳首の快感でいっぱいいっぱいで気づくのが遅れたが、先程から硬いものが尻に当たっていて、ぐりぐりと押し付けられる。
恥ずかしくて、どうしていいか分からなくて、なのに体の奥が狂おしく疼いてたまらなくなる。
「ひああっ……かっ、海斗、あの、勃っ……んっあッあんっ……」
「――お前のせいで勃った」
「ひっ……で、でも、まだ、俺の乳首触っただけ……あッあんっ!」
ギラついた目で睨まれながら、乳首をぎゅうっと摘まれる。また海斗のペニスに尻を擦りつけてしまい、挿入されたときの快感が勝手に思い出される。
湧き上がるような快感がどんどん強くなっていく。
「あぁっ……もっいいからっ……海斗、今度は俺がお前のを……そのっ……」
「…………脚閉じて」
「え……?」
「いいから、早く」
どことなく切迫した声で言われて従うと、脚の間に海斗の昂ぶりが入り込んできた。
ぬるっ……ぬちゅっ、ぬちゅっぬちゅっ
「ひああ〜っ……んっあッあッ、やっ、そんなっ……あぁっ、ふあっ」
「っ……」
下半身もボディソープに塗れていて、熱くて硬いものが滑りよく篤己の股を擦る。
これは素股というものだ、と気づいてまた恥ずかしくなる。海斗は腰を動かしながら、乳首を責めるのも止めない。
ぬるぬるの乳首をしつこく指で転がされ、濡れた下半身同士が擦れ合って。
蕩けるような快感に頭が真っ白になる。
くにっくにっ、ぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっ
ぬるっ、ぬるっ、ぬちゅっ、ぐちゅっぐちゅっぐちゅっ
「あんっあんっああぁっ……だめっ、こんなのっ、やらしすぎっ……あッひっぅんっ」
「やらしいのはお前だろ……。乳首と素股気持ちいい?」
「あぁっいいっ……きもちいっ、乳首も、ち〇ぽもぬるぬるで、擦れて感じるっ、いいっ……ああんっ、あッあッんんっ、ふああぁっ」
「淫乱っ……」
自分をこんなにしたのは紛れもなく海斗なのに、一方的に責められるのは心外だ。
だけどもう気持ちよすぎて、抗議する余裕なんてない。口を開けばいやらしい言葉が出てきてしまう。そうすると余計気持ちよくなって、体が蕩けていく。
「ああっ、あんっんっあッひっああッ」
充血した乳首を高速でこね回される。大きくてゴツゴツした海斗のペニスが、篤己のものをゴリゴリ擦る。この凶器が自分の中に奥まで入ったなんて未だに信じられない。今日もされるのだろうか。ただでさえ敏感になっているのに、この硬くて大きいものを挿入されたら――。
海斗に気づかれるのではないかというくらいアナルが激しくひくつき、そこから抗えない絶頂感がやってくる。
「あぁあっ……いっ…いきそう、いっちゃう、海斗……っひああぁっ」
ぬちゅっずちゅっずちゅっずちゅっ、パンッパンッパンッパンッ
喘ぎながら訴えると、海斗の動きが一層激しくなった。乳首を弄られながら、後ろからガンガン腰を押し付けてきて、怒張で激しく擦られる。
いやらしくて、どうしようもなく気持ちいい。
「ひああぁ、もっほんとにっ、だめっいくっいくっ……ああぁっ」
「くそっ……俺も……はぁっ」
「海斗も……? 嬉し……あっあッひあああぁ〜っ……」
ぐにっぐにっぐにっぐにっ!
ぬちゅっぬちゅっぐちゅっぐちゅっぐちゅっ、パンッパンッパンッパンッ!
びくっびくッ、びくんっびくんっ……
ビュッ、ビュルッ、ビュルル、ドビュッ、ドビュッ……
半ば無意識で脚をぎゅっと閉じ、そこを海斗の昂ぶりきったものが高速でピストンする。乳首はビンビンに勃起したところを指で押しつぶされる。
蕩けるような快感の中、篤己は痙攣しながらイった。直後に海斗も荒い息を吐いて腰を打ち付け、大量の精液をマーキングするように篤己の体にかけた。
「はああっ……あッあッ、ん、はぁっ……」
「はぁっ……」
快感の余韻で体はびくびく震え続ける。洗ったばかりだというのに汗ばんできた体を海斗が後ろから抱く。
漠然と、逃げられないのだと思う。その感覚が少し怖くて、なのに不思議な高揚を篤己に抱かせていた。
「――お湯溜まったな。入るか」
「……う、うん……」
本当は一人で入って落ち着くつもりだったのだが、海斗と一緒では到底落ち着けそうにない。だからと言って断ることもできず、手をひかれバスタブに入る。
お湯は適温で入ってみると気持ちよかった。だけどまた海斗に後ろから抱かれるような体勢にされ、案の定リラックスするどころではなかった。
「あ、あの……」
「何?」
「いや、何か……こういうの初めてだし、ちょっと……」
こんな風に風呂に入るなんていかにも恋人みたいだと思って、言葉にはできなかった。鼻で笑われたら傷つくし、だからといってもし肯定されたら……ものすごくテンパってしまうだろう。
「初めて……。まあそうだろうな。処女だったって言っといて他の男とこんなことやってたら……」
「や、やってたら?」
「…………」
「海斗……ああんっ」
くに……くに、ぐりっ……
話の途中で、また後ろから乳首に触れられる。さっき乳首でイったせいでものすごく敏感になっていて、少しの刺激で性器を鷲掴みにされたみたいに強烈に感じる。
「ひああっ、もっ、そこだめぇっ……あッああっ……」
「柔らかくなったかと思ったら、ちょっと触っただけでまた勃起してるな」
「海斗っ……あっあっ、ちくびはっもう……っふ、風呂くらいふつうにっ……あぁんっ」
「ああ、お前は普通に浸かってていいよ」
こすっこすっ、くにっ、くにっ……ぐりっ、ぐりっ、ぐりっ……
海斗はしれっと言ったが、普通にしていられる訳がない。指が動いて乳首を刺激するたび、体が跳ねて水音が響く。感じまくっているのがバレバレだ。
下を見ると、海斗の指で勃起したピンクの乳首が弄られている様がよく見える。指先で捏ねられ、左右に捻られ、親指と人差し指で摘んだかと思うとぎゅうぎゅう絞られ――。
「あッあッあッあんっあんっ……やっあひっうっああーっ……」
気持ちよすぎる。快感で体が蕩けて、お湯の中にドロドロに溶けてしまうような錯覚がする。
「あっああッ……んっ、ふっ、あッ、んっんっ……はぁっ、んぅっ……」
浴室に喘ぎ声がはしたなく響く。恥ずかしすぎて手で口を塞ぐと、すぐに海斗に引き剥がされてしまった。
「篤己……こっち向いて」
「やっ……あッあうっ……だめっ、無理っ、あっんんっ」
「何が無理なんだよ」
「だって……っ俺、すごいみっともない顔してる……ふぁっ……乳首だけで感じすぎて……っ、だから駄目……ひあぁっ」
そう言った途端、強い力で無理やり体を反転させられ、海斗の脚の上に向き合って座るような体勢にされてしまう。
慌てて片手でまた勃起しているペニスを隠し、片手で顔を隠したが圧倒的に手の数が足りず、海斗に全身をじっと見つめられる。
「ああっ……み、見るなっ……海斗のアホっ……あッ、はぁっ……」
「――クソ、エロすぎるんだよお前」
海斗は蕩けた篤己の顔をギラついた目で睨みながら言うと、篤己の体を引き寄せ乳首に唇で触れた。
ぬる……れろっ、ちゅく……
「ひああぁッ! あんっ、やっ、あッァあッあんッ」
「んっ……」
すぐに舌が勃起した乳首に絡みつき、吸われる。海斗の口内はお湯より熱く感じた。熱くて滑った舌で乳首全体をいやらしく擦られ、イったみたいに感じまくる。
「あぁんっ、あッひあッあッらめっ……あうっんっふっ」
れろ……れろっ、ちゅく、ちゅく、ちゅっ、ちゅううっ……
歯を立てながら吸われ、痛いくらいにされたかと思うと触れるか触れないかギリギリの舐め方をされる。
乳首がもう、おかしくなってしまう。
「あッあッ……んっはぁっ、だめ、んっ、あっあんっ…」
「ん、……はぁっ……」
海斗は緩急をつけて乳首を舐め続け、飽きる様子もなく篤己を感じさせ続ける。
そのペニスがまた勃起していることに気づいて、クラクラした。
ひたすらされるがままは嫌だという気持ちと、ただの本能的な欲求が混ざり合って、篤己は震える手を伸ばした。
「はぁ、んっ……すごい、硬い……ああっ……」
海斗の昂ぶりは思った以上に太くて硬くて、いつでも種付けできる器官なのだと示すようにドクドク脈打っている。
心臓がドキドキ高鳴って目が離せない。これでは本当にペニスが大好きな淫乱になってしまったみたいだ。
篤己は唾を飲んで硬い幹を扱いた。すると海斗に強く乳首を吸われ、ひっくり返った声が浴室に響く。
「ああぁっ! んっ、はっあッあッ、ちくびっだめっ……あッあぁんっ」
「んっ……っくそ、お前の好きなようにはさせないからな……っ」
海斗は絞り出すように言うと、片手を篤己の下半身に伸ばし――アナルの中に指を挿れてきた。
ずぶっ……ずぬっ……ずぷぷっ……
「あああぁ〜っ……! あっあッやッあぁんっ」
「相変わらず狭いままだな……っ」
「やっああっ、そこっ……だめ、あッあッあッああーっ」
ずぶっ……ぬぶっ、ぬぶっ、ぬぷっ、ぐりっ、ぐりっ、ぐりゅうっ……
狭い穴は指をぎゅうぎゅう締め付け、指で擦られる粘膜から強烈な快感を拾う。
バスタブの中で向き合ったまま指を挿れられ、抜き差しされる。声が止まらない。
海斗は息を乱し、指で責めながら再び乳首を舐めてきた。
れろっ……れろ、くちゅ、くちゅ、ぢゅううっ……
ずぶっ、ぬぷっぬぷっぬぷっぬぷっ、ぐりっぐりっ……
「あああぁっ! らめっ、いくっ、いっちゃっ……あッああぁんっ」
「んっ、ん……」
「ひあっ海斗っ、あッあッ出るっ、あッふあっあ゛あーッ……」
ぬぶっぐちゅっぐちゅっ、ぐりぐりぐりぐりっ
びくっびくっびくんっ……びゅっ、びゅっ、びゅるっ……
乳首を舌で転がされながら指で敏感な内部を抉られ、篤己の体は蕩けきって痙攣しながらイった。
ペニスがビクビク震え、お湯の中に射精してしまう。
「ああッ……うあ、はあっはぁ、んッ……」
快感が強すぎて頭がクラクラする。意識に白くモヤがかかる。何も考えられなくなる。
「はぁっ…………おい? おい、篤己……っ」
海斗の呼ぶ声が遠くに聞こえる。
……どうやら、すっかりのぼせてしまったらしい。
「うーん……」
朝の目覚めにしては何かが違う。ベッドの感触が違う、照明も違う。意識が浮上させながら篤己は思った。やけに頭がぼうっとしている。
目を開けて、一気に現実に引き戻された。
酷く不機嫌な顔をした海斗が目の前にいた。
「かっ海斗……あの……おはよう……?」
「――お前、マジでふざけるなよ」
「ひぃっ、ごめんなさいっ」
慌ててベッドから起き上がると、ぶっきらぼうにスポーツドリンクを手渡された。
飲むと体に染み渡る感じがした。美味しくて一気に半分以上空ける。
「体はもう大丈夫か」
「うん、ちょっとぼうっとするけど全然大丈夫」
「本当に?」
「本当だって。俺こう見えても結構丈夫なんだよ」
「……そう」
海斗は飲み終わったスポーツドリンクを受け取るとテーブルの上に置いた。どうやらベッドまで運んでもくれたようだし、髪もいつの間にかほとんど乾いている。
寝てる間に乾かしてくれたのだろうか。何だかんだ言って海斗は優しい。
そう、時々思いもよらないことをするが、性根の優しさは隠しきれていない。などと暖かい気分になっていると、いきなりベッドの上に荒々しく押し倒された。
「あっ……あれ……?」
「お前は……俺を焦らして楽しんでるんじゃないだろうな」
「え? ちょっ……あッ、ああああッ……!」
海斗は先程の優しさが嘘のような、飢えた獣のような目で篤己を射抜きながら――アナルに昂ぶりを押し付けたかと思うと、強引に挿入した。
ずぶっ……ずぬっ、ずぶっずぶぶぶっ
「ひあ゛ああッ……あっあ゛ッあああッ」
「くそ……トロトロになってたくせに、馬鹿みたいに締め付けやがって」
「ああッだめっ、動いたらっ……あ゛ッあ゛ッあああーっ!」
ぬぶっ……ずぶっ……ぬぶっ、ずぶっ……ずぶっ……
海斗は荒々しく腰を動かし、篤己の中を犯す。
痛みはほとんどない。実際アナルの中は浴室での長い乳首責めと指ハメで熱く蕩けていて、それでいて搾り取るようにぎゅうぎゅうペニスを締め付ける。
中を少し擦られただけで絶頂に等しい感覚が走る。それを硬くて大きなモノで何度も何度もされるのだ。頭がおかしくなりそうなほどの快感を与えられ続ける。
ずぶっ……ぬぽっぬぽっ……ぐりぐりぐりっ……
「ひあっあッあんっ……やっ……はぁあっ」
「はぁっ……」
いきなり挿入され、大きなものでいいところを突かれ。ものすごくいやらしい気分になってしまう。
「あひっあうっひぃっ……あ゛ッあ゛ッらめっ、あっあんっ」
「何が駄目だ、気持ちいいんだろ、篤己……っ」
「んっあッい゛いっ、よすぎてっだめになっちゃうっ……海斗ぉっ……あッひっおっああッ」
ずちゅっずちゅっずちゅっ、パンッパンッパンッパンッ
密着した状態でペニスが抜き差しされ、粘膜をゴリゴリ押しつぶす。
セックスをするための部屋で、肉のぶつかり合う卑猥な音が下半身から響く。
「あうっあッあッあんっふっ……あッあああッ」
「はぁっ……」
クラクラする。黙っていれば近寄りがたいほど綺麗な海斗の顔が、今は欲情に濡れ犯罪的に色っぽくなって、篤己のことを激しく犯している。
止めてと言ってもきっともっと激しくされるだけだ。このままでは海斗とのセックスのことしか考えられない馬鹿になりそうで怖い。
「ひあああ〜っ……あうっ、んっやあッあんっあ゛ああっ……」
「嫌だっていうなら、人を誘うのを止めたらどうだ。四六時中エロい顔しやがって」
「さっ誘ってなんかっ……あッあんッあ゛あッああぁ〜っ……」
ズヌッズヌッズヌッ、ぐりっぐりっぐりっぐりっぐりっ、パンッパンッパンッパンッ
奥まで一気に突かれ、狭い中をカリがひっかくように擦りながら抜かれたかと思うと、また奥にねじ込まれる。
頭がおかしくなる。アナルの快感が全てになってしまう。
「あ゛ああッ……あひっ、いっあッあんっぁうっ、あッあッああッ」
「こんな……男を咥え込むためにあるような穴して、本当に他の男とヤッてないんだろうな」
「あああ〜っ……んっ、はぁっ、してないって、何度も言ったっ……あッあんっいっあうっ」
「なら言えよ……。このメスま〇こは誰のものだ」
ずぶっ……ずぶっずぶっずぶっずぶっ、ぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっ
腰を回され、柔らかく無防備な粘膜を硬い棒で蹂躙される。ぎゅうぎゅう締め付けて、中が海斗のペニスの形になっていく。
「あぁあんっ……海斗だけっ、海斗のっ……だからっ、あッもっとゆっくりっ……あんっひっはああっ」
「俺の、何だよ?」
ずちゅっずちゅっずちゅっ、ぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっ
「あ゛ああ〜っ……! あうっ、海斗っ……海斗専用ま〇こ……っおれっま〇こになっちゃうからっ、もうっらめっあッァッあああ〜っ」
「この淫乱っ……」
羞恥よりもう快感で訳が分からなくなって淫語を口に出すと、海斗は怒ったように息を荒げて余計めちゃくちゃに中を突いてくる。
前回散々海斗から言われた言葉だったのに責められるなんて理不尽以外の何物でもなかったが、今の篤己は気持ちよさに蕩けきっていて、淫らな言葉を口にして責められていることにさえ感じる。
「ああぁんっ……だって、海斗がズボズボするからぁっ……海斗のち〇ぽの形になっちゃうっ……ひあっあッおっああーっ……」
「くそっ……もう黙ってろ」
「ひっあッああぁんっ」
ずぶっずぶっずぶっずぶっ、パンッパンッパンッパンッ!
「ふあっ……あっいっああっ……そこっだめっ……あんっんんっ……」
中で怒張がドクドクと脈打つ。射精が近い予感がして、狂おしいような気分になって篤己は海斗にしがみついた。
密着しながら腰をガンガン突かれ、中の全てをゴリゴリ擦られる。何度もイきながら、その更に先にある巨大な絶頂がやってくる。
「あ゛ッい゛ッあああっ……! いくっ、いっちゃうっ、ひっあッあんっすごいっあああっ」
「はぁっ……イくのか? 俺も……出すぞ、お前の……篤己の中に精子全部出すからな」
「ああっひあっ……中出し……? あッんっあ゛ああ〜っ……」
ズヌッズヌッズヌッ、ごりゅっごりゅっごりゅっごりゅっ!
篤己は海斗に強く抱きつき、脚も無意識に海斗の腰に回して密着する。その状態で高速ピストンされ、頭が真っ白になる。
「はぁっ、出るっ、出すぞ……!」
「ひあああっ! あ゛ッあ゛ッうっひぃっあッアンッあああッ……!」
パンッパンッパンッパンッ!
ビュッ、ドビュッ、ドビュッ、ビューーーーーッ……!
昂ぶりが奥まで抉るように突きまくり、大きく震えたかと思うと、熱い液体が内壁に叩きつけられた。
篤己のペニスからも白濁が飛び、アナルが搾り取るように激しく収縮する。
「ああああ〜っ……あひっ、いっ……あっ、んっ……はぁっはぁっ……」
「はぁっ……はぁっ……」
お互いの体液が混ざり合う。もうどうなっているのか分からないくらい強い快感の余韻に頭がクラクラする。
(ああ……また意識が……。話も全然できてないのに……)
天国へ行くってこんな感じなのだろうか。結局海斗のことを深く知ることができないまま、またなし崩しでセックスをしてしまった。
気持ちよすぎて失神してしまうなんて、これでは淫乱と罵られても仕方がないのかもしれない。
「……おい? また……!? 篤己っ」
「んー……」
海斗に呼ばれてももう目が開かない。ふわふわと宙に浮いているみたいだ。
「――くそ、また焦らす気か。話もろくにしてねえのに……」
海斗が何か呟いた気がしたが、意識はもう深い沼の中に沈み、聞いて理解することはできなかった。
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