誠人、入院する。 03


あり


いつも無機質で感情の読めない目が、微かに見開かれ、少しも逸らされることなく視線が交わる。

「ヤあああぁっ! なおきぃっぁっあッいくっ、いくっ…! んっあっアッあッせいしでてるっあぁあんっ!」

何かを考える暇も余裕もなかった。その瞬間の尚紀の視線は、抑止になるどころか誠人を激しく興奮させ、乳首とペニスの快感が全身に広がって弾けた。

「あぁあっ…はぁっはぁっ…らめっ…あっぁんっ…」

イッた後も村井がしつこく乳首をしゃぶってきて、息も絶え絶えになる。
だけど精液を出したことでほんの少し考える力が戻ってきて、同時に血の気が引いてきた。

「はぁっ……ぁっ、なおき、見るな…っ、出てけ、んっぅっ…いますぐ、帰れ…ッ」

再び快感に支配されそうになるのを必死に堪えて、誠人は尚紀に呼びかけた。
これが一番恐れていたことなのだ。義理とはいえ、まだ高校生の弟を淫らな行為に巻き込むなど、絶対にあってはならない。
しかし尚紀は立ち去ろうとはせず、それどころかゆっくりとベッドへ近づいてきた。

「だめだっ、なおき…っんっぁっひあぁ…!」

ほかに気をとられているのが気に入らないとばかりに、村井が突然アナルに触れてきた。
襞にぬるぬるの汁を塗りこむようにされると腰が甘く痺れて、一気に力が抜けてしまう。

「あッアぁっ…せんせっ、んんっ、らめぇっあっあんっ」
「ん、アナルひくひくして、俺の指を吸ってくるよ…。中にハメて突いてほしいの…?」
「ヤあぁっ…ゆび、いれちゃっ…あっ、はぁっはっ…」

ぬっ、ぬちゅぬちゅ、ちゅぶ、ぐりっ、ぐりっ……

フェロモンの力は正常な判断能力を奪う。尚紀に見られているというのに村井はおかまいなしで、むしろ見せ付けるように誠人の身体を後ろから抱き込み、執拗にアナルを弄ってきた。
そうすると硬く大きなものが尻にあたって、柔らかな肉に食い込むようにごりごり押し付けられる。
中々挿入しようとはせず、ぬちゃぬちゃといやらしい音をたてながら襞を伸ばすように揉んだり、ほんの少し指先をめり込ませてくるだけだったが、それだけで指を入れられたときの激しい快感が思い出されて、もどかしくなってきてしまう。
尚紀が、見ているのに。

「――あんた、何してるの」
「あぁっ……なおっ…だめ、あぁんっ…見ちゃらめぇっ…はぁっ、でてって、ぇ……」

初めて尚紀が口を開いた。その声からはやはり何を考えているのか伝わってこないし、それを推し量っている余裕もない。
ただ最後の理性で己を奮い立たせて、誠人は必死に訴え続けた。
――きっともう無駄だろうと、心のどこかで分かっていたけれど。

「俺だけ追い出そうとするってことは、合意なんだ? 家族を心配させておいて、病室でこんなやらしいことする、どうしようもない変態だったなんて……」

尚紀がすぐ傍まで近づいてきて、涙のにじんだ目でも表情がはっきりと見えた。
眉間に皺を寄せ、まっすぐこちらを射竦めてくる――静かに獲物を狙う獰猛な獣のような男が、そこに立っていた。

「あっぁっ……なお、き……ぁうっ」
「ねえ、そいつとキスはした?」
「っ、してなっ……んんーっ…!」

反射的に答えた瞬間、尚紀が食らいつくように唇を塞いできた。
口を開けたままだったのですぐに舌が入ってきて、乱暴に歯列を舐め、誠人の舌を絡めて吸ってくる。

「…ふっ、んっぅ、ん、んん……」

ねっとりとした粘膜の擦れあいに腰が甘く震えて、舌を吸われるたびにペニスから汁が漏れていく。
半ば無意識に手を伸ばして尚紀の髪に触れると、キスをしたまま乳首を摘まれた。

「ふぁっ…んんっ、んんーっ! んっぅんっんっ」

ちゅっ……ちゅくっちゅくっ、れろっれろっ……ぐにゅ、ぐりっぐりぐりぐりっ

医者らしくじれったいほど繊細に責めてきた村井と比べて、尚紀は乱暴で荒々しく、強く掴んだまま左右にぐりぐりと捻ってくる。
痛みもあったが、乳首が性器になったかのような直接的で激しい快感に、誠人は足先を伸ばして身悶えた。

「……淫乱が……っ」

恍惚とする誠人に、アナルを弄っていた村井が苛立ったように舌打ちし――突然指をずっぽりと挿入した。

ぬちゅっ、ずっ、ヌッヌッ、ぬぷっ、ずぷうううっ

「んんんーっ! ふぁっあっアッあんっ…んはっん、んんっ…」

アナルは待ち焦がれていた快感に激しく収縮し、硬い指が勝手にいいところに擦れる。
快感にわけがわからなくなって尚紀の舌を軽く噛んでしまうと、咎めるように乳首を責める動きが激しくなり、ぷっくり勃った両方を無理やり親指で押しつぶされた。

「そんなにハメられるのが好きか…? 俺の指、ぎゅうぎゅう締め付けて…ああ、ここがいいのか」
「んんんっ! んっはふっ…んぅーっんっんっんっ!」

掠れた声で囁きながら、村井がハメこんだままの指をぐっと曲げてきた。
前立腺を強く圧迫され、腰が激しく痙攣して尻に当たった硬いペニスに何度も擦られる。
その間にも尚紀には乳首と口の中を乱暴に愛撫され――理性は完全に吹っ飛んでしまった。

「んんっ……はぁっ、あっあぁッ……なおきぃっ…」

ようやく唇が離れると、尚紀のジーンズを押し上げるものが目に入ってきた。
欲情されているのだと思うと堪らなく興奮して、誠人は躊躇うことなくそれに手を伸ばした。
形を確かめるようになぞると、ジーンズの上からでもその熱さと硬さ、凶悪な大きさが分かって、アナルが更にひくつく。
――これがほしくてたまらない。これで、中をごりごりされたい。
そんな欲望を見透かしたかのように、尚紀が吐息交じりに囁いてきた。

「チ○ポほしいの、兄さん…。あんたって、弟のち○ぽ咥えこむほど、変態なんだ……?」
「……っ、ほし、ぁっ、ハメて、なおきのおち○ぽ…っ、はぁっ、奥までずっぽりハメハメしてっ、ぁんっ、突きまくってほしぃっ…あっふぁあっ」

疼く体の命じるままにいやらしい言葉で誘うと、尚紀は怒ったように顔を歪め、反り返った怒張を性急に取り出した。
誠人がそれに見惚れる間もなく、村井の指を引き抜き――一気にずっぽりと挿入した。

ずっずぷっズプズプヌプウウウウッパァンッ!

「ひあぁああーっ…! あひっ…あ゛ッあぁあっ…はぁっハァッ…アあッ…」

寸分の隙間もなく、大きくて硬いものが穴をみっちりと埋め尽くす。
いったん少し抜かれ、ごりっと前立腺に亀頭を押し付けられた瞬間、誠人のペニスから大量の汁が噴きあがった。

「あ゛ああぁんっ! アァッ、あっあんっあんッやらっやらぁっ! はぁっあんっあぁああんっ…」
「――っ、締めすぎ…。男のくせに潮噴きして、そんなに突いてほしいのか…っ」

達したことでアナルは激しく蠢き、中がペニスの形になってしまったことが分かる。
尚紀のものもビクリと震えてより大きくなり、堪らなくなったようにピストンが始まった。

「あぁっ! アッあッあひぃっ…すごっあんっはぁっあぁんっ」

激しい突き上げに倒れこみそうになったとき、逞しい腕に身体を支えられ、何かを頬に押し付けられた。

「チッ、ガキが、人のものを横取りとはな。――仁藤君。君の中をいっぱい犯すものだよ。おしゃぶりできるよね…?」
「あっアッあぅっせんせっ…んっ、んんんーっ」

それは、ギンギンに勃起した村井のペニスだった。弾力のある、大きく張り出した亀頭からは先走りが滲み、誠人の頬を濡らす。
村井は返事も待たずに口を開かせると、強引に怒張を捻じ込んできた。
苦しくて、だけど酷く興奮して、誠人は必死に吸いながら尿道口のあたりをれろれろと舐めた。

「はぁっいいよ、いやらしい子だ…っ」
「んっんっふぅっんっ…ちゅっ、れろっ、んんっ……」
「……何やってんだよ、こっちに集中しろ……!」

感じている声が嬉しくてフェラに没頭していると、尚紀は太ももが胸につくほど誠人の身体を折り曲げ、奥まで激しくピストンしてきた。

ずっずっズプッズプッズプッ、ごりっごりごりッ! パンパンパンパンッ!

「んんっんーっ! はふっ…んっんあんっ…あぁッあひっあんあんッ! んんっ! ……んっぅっ、んんっ」

狂いそうになるほどの壮絶な快感に呼吸もままならなくなって、思わず村井のペニスから口を離してしまったが、すぐに頭を押さえつけて引き戻され、強制的にイラマチオさせてくる。
上下の穴を同時に犯され、誠人は涙目になって全身を震わせた。

「はぁっ、くっ、淫乱すぎ…。兄さん、イくよ? 中に、種付けしてやるよ…」
「んんっ、んっんっふっ…んぅっ、んんーっ」
「あっ…、いいよ。仁藤君のイラマチオ顔、すごくエロくて可愛い。精子、たくさん顔にかけてあげる…っ」

ぬちゅ、ズプッズプッズプッ! ぬぶ…ヌプヌプヌプッ
ぬぷっぬぷっぐちゅっぐちゅぐちゅっ…ズブズブッばちゅんばちゅんっ!

まるで張り合うかのように、二人は激しく腰を動かす。
気持ちがよすぎて、本当にこのまま壊れてしまいそうで、誠人はただ腰をふりたくって絶頂を待ち望んだ。

「あーっ、イくっ…仁藤君…ッ」
「んんーっんっんっんっぅんっ!」

村井が頭を強く押さえて腰をガンガン打ちつけたかと思うと、卑猥に濡れた赤黒い肉棒から、大量の精液が顔にかけられた。
それに浸る間もなく、尚紀の律動がこれ以上なく速くなり、中を刺激する。
反り返ったペニスの大きく張り出したカリが、突くときも抜くときも前立腺をごりごりと擦りまくって、その度に誠人のペニスから汁が飛び散る。

「ッ出る…っ、はぁッ、兄さん、イくっ……!」
「――ッ! あ゛あああぁッあひっあひぃっ! あっあんっあんっあぁあんッ!!」

ズブッズブッズブッズブッ! ぬぷぬぷぬぷッパンパンパンパンッ! びゅっドプッドピュッドピュウッ!

中の怒張が膨れ上がり、熱い液体が大量に注がれた。
尚紀はそれを塗りつけるように腰を緩く動かし続ける。

「はぁああ…らめぇ…ぁんっあぁッ…」

誠人の腹は精液でびしょ濡れで、気づかないうちに何度も達していたらしい。
精液を出して浴びたことで、少しずつフェロモンの効果が薄れ思考が戻ってきたが、甘ったるい余韻で腰が抜け、中々動くことができない。
ようやくずるりと尚紀のものが抜かれたのもつかの間。

「ひあああぁんっ! やぁっもっやらッあっあんっはぁあっ」

いつの間にか完全に復活していた村井のペニスが、ずっぽりと奥まで押し込まれた。
尚紀と違ってねちっこく、誠人から動くのを促すように腰を回してくる。

「イヤじゃないだろ…? 自分から腰揺らして、ずっと俺のペニスを待ってたんじゃないか、ほらっ」
「ふぁああっ…らめっあーっ…あふっあっんんっ……はぁんっ!」

村井に犯される誠人をじっと見つめていた尚紀が、不意にペニスを乳首にこすり付けてきた。
びりびりと全身が甘く痺れる心地がして、誠人は涙目で尚紀を見上げる。

「……淫乱。乳首、俺のチ○ポで犯されるのがいいの? 自分でやってみてよ…」
「あぁあっ…あっぁん……」

ペニスを握らされ、壮絶に色っぽい声で命じられ――逆えるわけがなかった。
硬い茎をしごきながら、尿道口の割れ目にめり込ませるように乳首を押し付けると、異様な倒錯感に頭が真っ白になる。

ズプ、ズプッ…ぬっぬっぬぷっパンパンッ
シュッシュッ、ぬちゅっぐりぐりぐりっ

「あぁあっあんっいぃっ…もっち○ぽらめぇえはぁああっ……」

アナルと乳首を犯され、言葉で責めたてられ。
病室に響く喘ぎ声は、夜中まで止まることがなかった。

end

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