誠人、ゲイバーに埋もれる。 03


あり

「チ○ポビクビクしてるね…。乳首だけでイっちゃいそう?」
「あっあぁっ、あひぃっ…、らめっ、あーっ…」

片方を指で押しつぶし、片方を舌先で転がしながら、伊勢がいやらしく訊いてくる。
確かに乳首だけで射精してしまったことはある。でもそれはフェロモンの強烈な効果で正体をなくしていたときの話であって、素面でそんなことできるはずがない。

「もっ、やらぁっ……いせさっ…、あぁっ、こんなっ、はぁっ、はぁっ…こんなとこでこんなっ…あっぁんっ」
「あー…マジで興奮する…」

必死の抗議も、今は伊勢を煽ることにしかならないらしい。
散々弄られて充血しきった乳首を思い切り吸われて、また下着のシミが広がっていく。

「あーっ…はっあぁっ、アッアアァッ」
「はぁっ……ヤバ…俺も我慢できないや」

言うや否や、伊勢はジーンズのファスナーを下ろすと、ギンギンに勃起した肉棒を誠人の眼前に突き出した。
それは赤黒く巨大でカリが大きく膨れ上がっており、血管がビクッビクッと脈打っている。
素面の状態で他人の勃起したものなど見るのは初めてだったが、驚くべきは全く嫌悪感がわかないことだった。
それどころか、やけに喉が渇いて、自身の肉棒や乳首がキュンッと疼いてしまい……。

「……コレ舐めるのと、コレで乳首擦られるの、どっちがいい?」

伊勢は掠れた卑猥な声で、とんでもない二択を迫ってくる。

「なっ、舐めるなんて無理っ…やあぁッ!」
「は、あ……ホント乳首が好きなんだね。舐めてもらうのは、今度でいいや…っ」
「あひぃっ! あんっ…あっあっあああぁぅっ」

ズッズリッグリッグリッ、ヌッヌッヌチュッヌチュゥッ

硬く弾力のある亀頭が、大きくなった乳首を押しつぶす。
先走りですぐに乳首は濡れ濡れになってしまい、卑猥な音がトイレに響く。
外の男達もより興奮したように息を荒げ、ドアの下の隙間から足が見えるほど近づいてきていた。
喘ぎ声や音を逃すまいと盗み聞きされているのだと思うと羞恥がぶわっと膨れ上がって、抑えるべき声が余計高く上がってしまう。

「すげっ……気持ちいい? チ○ポで擦られて、イきそうっ?」
「あっヤッ! あぁーっ…らめぇっ、んっはぁっぁああっ」

伊勢は気持ちよさそうな声を出して、より大きくなった肉棒で滅茶苦茶に乳首を擦ってくる。
もう訳が分からない。誠人の肉棒はずっと射精しているかのようにビクッビクッと痙攣しっぱなしで、両脚を少し擦り合わせただけで信じられないほど感じる。
このままでは本当に射精してしまう。人が聞いているのに、こんな変態的な行為で。

「もうやぁっやらぁっ! ちくびらめぇっ…あっアアァッあんっあんっ! いっちゃうからぁっズリズリしないれぇっあひいぃっ!」
「っ、いいよっ、乳首だけで、イけよ…! 俺も出る…ね、顔にかけていいっ?」
「らめぇっはあああぁんっ! やらぁっいっちゃっ、れちゃうぅっ! んんーっ、あッ、あんッ、ぁあああんっ…!」
「っあーっ、出るっ…出すよっ…!」

ヌッヌッヌッ、グリグリグリッ、ヌチャッ…、ドピュッドピュウッ!

激しく痙攣して腰を振りたくりながら、誠人は下着の中に射精した。
ほぼ同時に伊勢も達し、誠人は濃い精液を大量にかけられてしまった。

「はぁっ、すごい、よかった…」

未だ硬いままでビクビクしている肉棒を頬に押し付けられる。
大波のような絶頂の余韻が治まってきても、あまりの状況に呆然としてしまってろくに動くことも出来ない。
こんなはずじゃなかった。確かにフェロモンに侵されたときだけ相手をさせようなんて都合が良すぎたかもしれない。
だからって突然こんな、他人に聞かれながらいやらしいことをされて射精してしまうなんて。
泣きそうになりながら、顔についた精液をトイレットペーパーで拭う。惨めな気分だ。

「……ごめん、目に入らなかった?」

伊勢が頬に手を当てて覗き込んでくる。その声は優しかったが未だ色っぽい吐息混じりで、誠人は気まずさに目を逸らす。

「も、もう帰りたいです…」
「うん、立って」

言われ、ようやく開放されるのかと震える脚で立ち上がった刹那、誠人は身体を反転させられ後ろから抱きつかれた。

「なっ……? やっ、ぁっ」

ゴリゴリと硬いものを尻に押し付けられる。達したばかりだというのに、伊勢は絶倫なのだろうか。

「ね…今出て行ったら、君外にいる人達に犯されるよ」
「そんっ……はぁッ、あぅっ…」

そんなわけないとは言えなかった。外の男達は立ち去る気配なく、はぁはぁと荒い息を吐いているのだから。
もし彼らに襲いかかられたらどうなってしまうのか、想像するだけで恐ろしい。

「大丈夫…俺は他人のチ○ポで汚された君をやるのはごめんだから…」

それはよかった、と素直に喜べないセリフではない。
伊勢は手馴れた手つきで誠人のベルトを外しジーンズを下ろすと、濡れた下着越しに肉棒に触れてきた。

「あんっ! んっあぅっ…やっあぁっ」
「すげーぐちょぐちょ…、ね、君のやらしい声でもっとたくさんオナニーさせて満足させられれば、襲われることはないよ」
「あぁっ、らめっ、ンンッ、ひぁんっ…!」

達したばかりで敏感になっている亀頭をぐりぐりと弄られ、腰がビクッビクッと跳ねる。その度に尻を伊勢の肉棒に擦り付けるようになってしまって、羞恥と興奮に頬が熱くなった。

「ほら、今何されてるのか、いやらしく言ってみて…?」

密着した体が熱く、脳まで快感に支配されていくようだ。
誠人の肉棒は尿道口から吐き出される汁で濡れ下着にはりつき、ピンク色の亀頭を透けさせていた。

「あっ…アァッアッ…お、ち○ぽっ、ぐりぐりって、やっ、はぁんっ…」
「気持ちいい?」
「っ……アッ、やらぁっ…んっ、あっふぅっ」

脚がガクガクして立っていられず、誠人は壁に手をついた。そうすると伊勢に尻を突き出すような体勢になってしまい、後ろからごくりと唾を飲む音が聞こえた。
濡れたパンツがゆっくりと下ろされる。

「ハァッ、ハァッ…そこはっ、んっあぁっ」
「はぁっ…すごい、ヒクヒクしてる…」

抵抗する間もなく尻たぶを両手で広げられ、濡れてひくつく尻穴を凝視される。
見られていることを意識してしまうと、余計そこは物欲しげにヒクッヒクッと痙攣して、全身がじんわり痺れるような感覚に襲われた。

「やっ…いせさん、そこは、やらぁ、んっ、はぁっ…」
「ん…大丈夫、さすがにここで突っ込みはしないから」

その言葉に安心したのもつかの間、伊勢の肉棒がぐいぐいと尻に押し付けられた。

「あぁんっ! あっ…はぁっ、はぁっ…」

硬く濡れた亀頭が、柔らかな尻のかたちをぐにぐにと変えていく。
怖い。挿れないとは言ったが、もしこれが中に入ってきたらと考えると怖くて仕方がない。
それなのに誠人の身体は甘くゾクゾクした快感にとらわれ、下半身は絶えず痙攣していた。

「っ、いせ、さぁん…」
「っ、ホントえろいな…脚閉じて…?」

言われるがままに脚を閉じる。すると伊勢の膨らんだ亀頭が太ももの間にめり込んできた。

「あぁぅっ! ヤッ、あんっあんっあぁんっ」

そのまま何度かピストンされる。誠人の出した精液のおかげで滑りはよく、本当にセックスしているかのような卑猥な水音がトイレに響いた。

ヌッ、ヌッヌッ、ズリッズリッ、ヌリュッヌリュッ!

「っあー、すごい、興奮する…」
「やぁあっ、あっふぅっ、あっあっ…ああーっ!」、

長大な肉棒は、ピストンのたびに誠人の敏感な部分をめちゃくちゃに擦りあげる。
色の濃い亀頭が股の間から見え隠れする様はひどく卑猥で、視覚だけで快感が増大してしまう。

「君の太もも気持ちいいよ…はぁっ、突っ込んでやりたいけど、これも堪んないや…っ」
「んんーっ、やっらぁっ! あっはぁっ…んぁっ…はぁっん…!」

気持ちよすぎて抗えない。無意識に太ももを交差するように肉棒を圧迫すると、伊勢が感じ入ったような息を吐き、それにも煽られていっそう声が出てしまう。

「外の人たちも、すごく興奮してるみたいだよ…なにしてるか、教えてあげて…?」

言われて、外に意識を持っていくと。

「はぁはぁっ……」
「ハァッ、あっ、はぁっ」

シュッ、シュッ、ヌチュッ、シコシコシコッ!

荒い息に混じって聞こえたのは、肉棒を扱く音だった。
――欲情されている。この淫らな行為を聞かれ、それをネタにオナニーされているなんて。

「はぁっ……あっぁあっ、んっひゃぁっ…」
「っ、やらしい、腰動いてるよ? ほら、みんなをイかせてあげるために、エッチなこといわなきゃ…」

もし扉を開けられたら、という恐怖も確かに残っていた。だけど恐怖を凌駕するほどの快楽が、誠人を突き動かしていた。

「あぁあっ…ぁっ、おっきいっおち○ぽがぁっ…おれの股、ごりごり擦ってっはあぁっ…んっあぅっ、きもちっ、いいっ…!」

死ぬほど恥ずかしい。自分が何を言っているのかもよくわからない。
だけど一度いやらしいことを口に出してしまうと、快感も堰を切ったように全身を苛み、考えるどころではなくなってしまう。

「はぁっ、そんなに、いいのかっ」
「やぁっ…いいっ…あっ、あぁんっ、あんあんあぁんっ!」

ピストンはどんどん激しくなり、誠人の腰も勝手に揺れていた。
肉棒は完全に勃起し、尿道口をぱくぱくさせてとめどなく汁を垂れ流している。
不意に後ろから乳首をぐりっとつままれ、痺れるような快感とともに一気に射精感が襲ってきた。

「あぁあんっ! ちくびぃっ…またっれちゃうっ…んんっ、やあぁっ!」
「はっ…淫乱っ…! いいよ、見ててあげるから、出してごらんっ…」

ぐりっぐりぐりっ、ヌリュッヌリュッ、パンパンパンパンッ!

乳首を引っ張られながら、下肢の敏感な部分を肉棒で激しく擦られ。

「あああーっ! いくっ、れちゃうぅっ! はぁあんっ、アッアンッああぁー!」

ビクビクッ!と痙攣し、腰を振りたくリながら、誠人は精液を吐き出した。

「やぁっ! もうっやあああぁんっ!」

イっている最中にも容赦なくゴリゴリとピストンされ、逃げ出したくなるほどの快感に泣き叫ぶ。
痙攣しながら激しく肉棒を扱き上げる太ももに、伊勢も気持ちよさそうな声を出し誠人の体を抱きしめてくる。

「はぁっはぁっ…出すよ、くっぁ、いく、いくっ……!」
「ぁあん…はぁっ、はぁっん……」

ドピュッ、ビュルッドピュッドピュッ!

二度目にも関わらず大量の精液が、誠人の白い尻にぶっかけられた。
外でも男達が喘ぎ、何度目かの射精を迎えていた。
精液のツンとする臭いと荒い息、異様な熱気が狭いトイレに満ちる。

(……死にたい。)

逞しい腕に抱きしめられながら、誠人はちょっと本気でそう思っていた。

end

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