初めての自由恋愛改 02


あり


「お茶でも飲む?」
「い、いいです。それどころじゃない」
「だよね。俺もそんな気分じゃない。会いたくないってどういうこと?」
「……そ、そのままです。俺達、元々あんなことになるはずじゃなかった」
「うん、俺もまさか男に勃つとは思わなかったから頭ぶん殴られた気分だったよ」

シュウは入口側に立って、直哉の逃げ場を塞ぎながら追い詰める。気づけば背中に壁があった。
『男に勃つとは』
それこそシュウが何度も直哉と行為を繰り返した主因なのだろう。
女性ならきっといくらでも相手がいても、シュウは本来男の客はとらないし、直哉しか適当な相手がいなかったのだ。

「……シュウなら、新しい相手をすぐ見つけられるでしょう。男だろうと」
「ん? どういうこと?」
「どうって、だから、男とセックスしたいなら」

低い声で訊かれ、背筋が凍る。

「あー、俺が、男が物珍しくて、他に男がいないからナオとヤッてると思ったの? ナオはそれが嫌だったんだ。もう少し仲良しになったと思ってたんだけどな。心も体も」
「……う、それが駄目なんです」
「なにが駄目?」

露骨に不機嫌な声に震えが走る。シュウは直哉の頭を掴み、無理やり視線を合わせた。

「俺の顔見て、もう一度言えんの」
「あ……っ、放してください」
「俺がナオに無理やり何かしたみたいな顔しないで。ね、いっぱい気持ちよくしたよね。初めてだったナオをたくさん甘やかして、知らない快感教えてあげただろ……?」

怒ったような、高揚しているような、少し掠れた声で畳み掛けてきて、綺麗な色の瞳で直哉を見る。
間近で色気のある顔を見て、囁く声を聞いて、やるべきことを忘れそうになる。

(シュウ……、こんな気持ちになってぼうっとしちゃうのも、シュウがホストで、人を魅惑する仕事をしているからだ。俺みたいな一般人が太刀打ちできる人じゃない)

誘惑に負けたらきっと快感が待っていて、そのもっと先には破滅しかない。
直哉は怖怖とシュウを見て、心の底からの感情とは違う言葉を絞り出す。

「――、やっぱり駄目。俺はもうシュウとは、あ、会いたくない」
「……本気で嫌になったの」
「い……、嫌……もう、彼女を寝取ったやつより無理、あ、ん゛ん…っ?」
「……っ、ふー……」

ぶつかるように重なった唇を避けるには、二人の距離が近すぎた。
シュウは押し付けた後、あわあわと話していた無防備な唇の中に舌をねじ込み、奥までつついて直哉の舌を強引に引きずり出し、ずりずりと濡らしながら擦る。

「ンむ……、ン、ふー、ん゛ぇれろ……ぉ…っ
「ん、……んッ……、はあ……」

淫らなことをする気分じゃなかったはずが、キスという行為でぞくぞくとした快感と共に急速に駆け上がる。本当はこうしてほしかったのだと体が反応する。

「ん…ん゛…〜〜っは…あ…っ」
「はあ……、ナオ、ほら簡単にエロい目になった。俺を拒否するなら嫌だって顔してくれないと」
「あ……、み、見ないで、嫌」
「……、あーもういいよ分かった。俺は去る者追うほど暇じゃないし」

ついに望んでいたはずのことを吐き捨てられ、直哉は今までで一番空虚に感じる。
ここで追いすがったらホストの思う壺なのだと、必死に自分を思いとどまらせる。

「……う……、じゃあ俺、もう」
「誰が帰っていいって言った?」
「え……っ、…ッんん!?」

理性がまともに働いてくれるうちに何としても帰るべきだった。しかし帰宅のドアにはシュウが立ちはだかったままで、再び深いキスをされた。今度は体を強引に抱き寄せられ、激しくぶつかる。

れろ、れろ、れるれるくちゅ……っくちゅくちゅ……――ずり、ずり、ずりっずりッ……

「ん゛ぇんっン……っふぅ、んぶ…っ
「……、ん……」

口の中が濡れて交わり、お互いの粘膜の境界が曖昧になるほどねっとりと続く。
抱き合う体も熱くて、逃げてもすぐ腕で引き寄せられ、そうこうしているうちに舌を擦られる快感で足が震え、逃げるどころでもなくなる。
固くなりかけた直哉の下半身に腿が食い込み、跨ぐ形になって強く当たった。

「ん゛っ、ん…ッ〜〜ン゛…ッはあっ、はへぇ……っこ、こんなむりやり、」
「ん――、無理やり終わらせようとしたのはそっちでしょ? 俺はあれが最後なんて思ってなかったからやりたいこと全部できてない。――最後にいーっぱい気持ちいいことしよう?」
「……っ、だめです、シュウ、ひあ゛ッ……

シュウが意味深な手付きで胸を弄り、服をきたまま容易に乳首を見つけた。
こす、こす、と軽く擦られると、乳輪の中に入って先端が露出するのみだった乳首がみるみる形を変え、勃起していく。

こすっ……こす、くに、くに、くりくりくり……っ

「あぁあ……ッあッん、そこだめあッあッ…あへぇ…っ
「ん……雑に弄っただけで勃ってきた。すっかりモロ感乳首になっちゃったね。俺が弄って開発したんだけど」
「あっ…んっ、あぁ…ッんッン゛…っ〜〜あへぇ…乳首が、勃起したらもっと敏感になっちゃう……っあ〜…

柔らかい皮膚が硬くなり、今や根元までシュウの手で外に引っ張り出され、性器同様に勃起して敏感な乳頭の体積が増した。後はもう、どう触れられても過敏に感じる。
膝から下までがくがくして、シュウの太ももに乗り上げた股に体重がかかり、乳首と同時に擦れる。

こすっこすっこす……っくりくりっ、ぎゅっ、ぎゅむ、ぎゅうう〜……っ、くりっくりっ
ぐりぐり…ッ! ぐりっぐりっ…、ぐりゅっ……、ぐちゅっ……

「……いいよ、もっと敏感になって。こうして摘んだだけで、今みたいなち〇ぽに響く声出して、もっと弄ったらアクメしちゃう乳首になって、ナオ」
「お〜……ッん、ぉんっ…ぐりぐりしないで……っ
「俺は今日が最後だから、ナオがどんだけ恥ずかしい体になっても触れないけど……っ、ほら、もっと感じて、乳首でアクメして」
「う…んっあああ…ッ!あひあへアへえ〜っ…あッぁ…っ

くりくりくり……っぐり、ぐりっぐりっぐりっ、ぎゅ〜……、ぐりぐりぐりっ

シュウの指が片方の乳首を高速で弾き、転がし、もう片方は倒してぐりぐりと捏ねたり摘んで引っ張る。
濡れた唇が耳に当たり、淫らな言葉を囁かれて腰に甘い痺れが落ちる。

「ん……、ふー……乳首気持ちいいね、ナオ」
「ぉ……んっ、お゛〜……乳首が、あ、ああ…
「さっきから俺の足に股ずりずり擦り付けて……、駄目だろ、ナオは乳首だけでアクメしないといけないのに、腰振って気持ちよくなったら」
「ひあああ゛…ッ勝手に、ぁんっ…んッア…ッ
「……ふーん。ナオは乳首が気持ちよくて勝手に腰ヘコしちゃうんだ。やらしいね」
「お゛…ッおぉ〜…

へコッ……へこっ、へこへこっ……
ぐり、ぐり、ぐり……っ、ごり、ごりっ、ぐりゅんっ、ゴリッ……

乳首に神経が集まって、僅かに掠っただけでも、痛いほど潰しながら揉まれても、何をされても感じる。ヘコヘコと情けなく動く腰が最初は無意識だったけど、勃起の先端が濡れる頃には意識しても止まらなくなった。体重をかけて擦れると痛くて気持ちよくて、イきたい、という淫らな欲望が腰の動きに現れる。

「あ゛〜…あんんっあっあンっあへぇ…あッちくびひう…そんなの、だめきちゃういい気持ちいのきちゃう……〜〜

乳首を二本の指でしっかり捉えられシコシコと扱かれ、快感が脳から下半身にまで走って直哉は舌を出して喘ぎ、びくつく腰を前後に揺する。
絶頂が近いのを察したシュウは直哉を軽く持ち上げ、太ももから離した。

「勝手に俺の脚使っちゃ駄目だよ。ナオは乳首でアクメするんだろ?」
「は、あ…っできないです……胸でだけなんて、……あッああァ…っ

もうすぐでイけそうだったのに。絶頂寸前でふらふらの体を壁にもたれさせ、なんとか立った姿勢を保つ。
その間もシュウは乳首の側面を親指で押して潰し、執拗に感じさせてくるので、直哉も未練がましくヘコ、ヘコ……と腰が前後に揺れてしまう。

「まだ乳首イキは無理か。こんなに敏感なのにね。――ナオ、普通の人は本番してるときだってそんな声出さないんだよ?」
「お゛…ッん、ン、ンぐ……っ〜〜おほぉ…〜ん…ッ

こすこすこすくにくに、ぎゅっ、ぐりぐりぐりぐりぐりっ

自分の異常さを掠れた声で指摘され、慌てて口を閉じたが、緩急をつけて乳首を掠り、一気に扱く動きに鋭く感じて汚い声が出てしまった。

「腰反って舌出して、ほぼアクメ顔になってる。まだイけないの? ほら…、ほらっ」
「お…っおっおッ…ふ、むり…、下、あぅこすらせて…あァんッ…

さすさすぐり、ぐり、ぐりぐり……っ
ヘコっ、ヘコ、へこぉ……

「ナオ……ふー……、まあいいよ。ずっと乳首だけいじってても構わないけど今日が終わっちゃいそうだし。――俺を見て。どこをどうしてアクメしたいの?」
「〜〜〜〜……ッあ゛ー…はぁはあん……っんっ、乳首くりくりしながらち、ち〇ぽ、擦ってイきたいです
「はー、ナオはメスなんだから、ち〇ぽじゃなくてクリ○リス、だろ?」
「〜〜〜〜……っお…ほお…ッ

オスとしての直哉を全否定して辱める淫らな言葉に、乳首と勃起と、アナルの奥までがぎゅうっと切なく疼く。
シュウは耳たぶにキスをして、舌が当たるのも構わずそこで喋る。

「言って。クリと乳首で女の子イキしたいって。今度は脚じゃなくて、俺のここに――ナオの中に入ってナオを女の子にする棒に擦り付けてアクメしたい……って」
「アアあ……っ?ん、ん゛ふーフーッ…

ごりぃっ…! ごり、ごりゅごりゅ……っ

今までの意趣返しのように、太く硬い塊が今度は直哉の太ももに押し付けられる。

(ああぁ、ん、っ、シュウ、勃起してる。やっぱり大きい、実物は何度目でも慣れない……。俺だってもう完全に勃起してるのに、大きさ違う、オスとして勝てない、なら、あぁ、乳首っいい、いきたいいきたい。なら、女の子みたいにされても仕方ない……)

「お、…お…これ、ん、…おふ…い、いい擦ってアクメしたい……っ
「ちゃんと言わないとだーめ。乳首弄ってあげないよ……?」
「あぁ…はへはっ…

興奮した勃起の存在だけで興奮し、絶頂に近づく。シュウは許さずに言葉を求め、ぴんと腫れた乳首から指を放してしまう。

「……っあはぁ…ち、ち〇ぽ…俺に擦り付けて、乳首ぐりぐりしてあっあ…ッ女の子のアクメさせてもう、もう…っンホオおッ
「ちょっと違うけど、まあいいよ。ふー、興奮したから………、アクメして、女の子イキしてっ」
「おっおッほ、おっ〜〜…

くりくりくりくり、シコシコシコシコッ!
ぐりゅんっ! ぐりっ…ぐちゅぅ…、ごり、ごり、ごりぃっ!

屹立した勃起が強く擦り付けられ、一度放した乳首を引っ張られて根本から先まで扱かれる。
切ない感覚の最上級のような快楽に、アクメまであっという間だった。

「あ゛〜いくいぐアクメ……っあ゛……っ
「ん゛っ、どこでアクメするの? ナオ」
「〜ひああちくびと、く、クリ○リス……っあひシュウのち〇ぽ強すぎてあ、へぇ女の子アクメしちゃう……っおっ…お…ッ
「よくできました……っ」

こすこすこすくにくにぐにぐに、シコッシコッシコッシコッ
ぐりっぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっ!
びくびくびくっ、びくびくびくんっびくっびくんっ

「あ〜…くりい゛…ッシュウ、あ、いぐ……ん〜……ッ
「ふー……、ん、ん……」

シュウは腰を振って、セックスしているように直哉の股を抉り、乳首を摘んで強烈なアクメに突き上げた。

(〜…いくいくいく…ッん、ああぁキス、アクメする瞬間ベロチューするなんて…ずるい、だめ全部気持ちいいシュウ、シュウに女の子にされるの気持ちい、幸せ……)

れろ、れろ、ちゅくっちゅくぬ゛るっ、ぬ゛ぬ゛るっぬりゅん…っ……
へこへこへこ……びく、びくんっ、びくん……

「ん、んぶ……っ〜ン……っふぇえ……あへあへ…
「ふー……、腰ガックガクだね、大丈夫、落としたりしないからいっぱいアクメして?」
「ん゛……っお゛〜…ふ、もうだめ、アクメ、つらいずっとはだめほぉ…
「ダメって言いながら、ん、俺のち〇ぽに股ずりずりしてきてるの、エロすぎて笑える」
「あ゛〜……

ホストにしても色気がありすぎる声で嘲笑われ、羞恥と快感にぞくぞくして、余計に股間をシュウの怒張にぐりぐりと押し付ける。
下着の中が濡れてぐちゅりと音が鳴る。アクメの後も乳首を指の間を使ってこね回され、精液ではない汁が漏れている。
中に挿れられてイくのともまた違う。射精をしたのにそこをクリ○リス扱いされ、メスのアクメ以外の何者でもなかった。

「はへ……はあ、はあ〜……あ、ン…っ
「ふー……、ここベッドないんだよね。ナオ、頑張って立ってて」
「あ゛……っん、んあー…っ
「濡らしすぎ。俺のち〇ぽに擦られて、メスの本気汁いっぱい撒き散らしちゃったね」
「ん゛ぁン……あ、ひ……

シュウは直哉の下を脱がせ、びくつく股を視姦する。
ボクサーパンツの前は濡れそぼって全体的に色が濃いグレーに変わり、局部に密着して形を隠す能力を失っている。


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