夜行バス2
あり
東京発大阪着の夜行バスは休憩を挟んで8時間超の長旅だ。とはいえ毎日の睡眠時間と同程度だし、寝ていればすぐだと思っていた。寝ていられるものならば。
智洋が高校からの友人二人とバスに乗り込んでから、新幹線であれば目的地に到着している時間が経過した。ケチケチせずに新幹線にすればよかった。まだ半分も進んでいない現実から逃れることはできない。
パーキング休憩から戻ったとき、反対の窓側に座る男が一挙手一投足を血走った目で舐め回してきて、智洋はぐっと片手で片腕を掴んで視線を逸らした。
「はー眠い。トモおやすみー」
「お、おやすみ」
最後列の席だけが異空間のような熱気が漂う中、前の席から気の抜けた声をかけられ、智洋は短く返答した。前の席には聡と直人が座っている。どうあっても秘密を守りきらなければならない。
「みんなが寝たら続きをしようね」
「……っ……」
通路側を塞いで座る痴漢が、淫らな息を耳に注ぎ込んでくる。座席で隔たれている友人達より今やずっと親密な距離感だ。
智洋は暗い車内でこの男に体を触られ、ローターまで使って弄ばれ、反対側の席の男に見られた。パーキングでは同じトイレで用を足すのを強要され、素股で興奮したペニスを扱かれるのを拒否しきれなかった。
「トモ、体調よくなさそうだったね。酔い止めか鎮痛剤いる?」
「んっ……平気、ありがと」
時刻通りにバスが出発して間もなく、直人にも声をかけられどうにかごまかす。直人は鋭く目端が利く男なのでバレないかと心臓がバクバク鳴った。
その間も痴漢がずっと、太ももの間に手を差し込んで動かしてきていた。
ふー…ふー…と生温かい息がかかって、上ずった声が喉まで出かける。
「必要なら起こして。おやすみ」
「うん……っん、ふ…っ」
ぬる…っれろ、れろ、ぬるぅ…れろ…
待ち切れない痴漢が耳の穴に舌を突っ込んできた。腰がびくりと跳ねて股間が疼く。揺れているバスでなければとっくにバレていただろう。
自分の口を自分の手で塞ぐことで事なきを得た。
「エッチなことされて感じる声聞かせて……」
「あぅ……っん、聞かれちゃう、あぁッ…」
「大丈夫。夜行バスなんてうるさくてもぐっすり寝れる図太いやつしかいないって。ほぉら」
「んっ…ふうぅ…っん、んむ〜……」
ぎゅっと乳首を摘まれ、智洋の体に切ない快感が走る。胸が反って肘が前のシートにあわやぶつかりかけた。
4列シートの夜行バスは格安料金が売りで、体力があって粗悪な環境でも気にせず眠れる若い男がメインの客層ではある。だからといって気取られない保証はどこにもない。
「ふー…っ、フーッ…んっ…ぅあ…ん、ンっ…」
「乳首気持ちいいね。触って、触って…って誘う形に尖って、はあっ…くりくりされるの嬉しいってさ」
「ぅうん…っやぁ…、あっ…んっ…」
「否定しても無駄だよ。ん……もっとエロいこと続けてほしいから俺の隣に戻ってきたんだろ……?」
「〜……っ」
くり…くり……さすさす、さすぅ、くり…くり、ぐり……
指先で摘んだ乳首をくりくりと回して捻り、片手では股間の盛り上がった先端を弄られる。
ペニスからどぷりと汁が漏れて震えた。
――パーキングで降車した時点で選択肢はいくらでもあった。運転手に言って席を替えてもらうか、体調不良を訴えてバスを降りるか、取るものもとりあえず逃げ出すか。
いずれにせよ友人達には訝しんで理由を問うてくるだろう。だから……。
尻の中で粘膜を苛み続けるローターが智洋の判断能力を鈍くする。
「ぁひっ…ん、あ、あッ…ぅう…」
「あれ? せっかくトイレでおしっこして拭いたのにまた下着をびしょびしょにしてるね。今度からはおむつを用意しないとなあ……ふー…、ふー…、脱いで」
「あー…はぁ、ん…ん…っ」
形だけの抵抗は意味をなさず、痴漢の手でまたズボンを下ろされる。すでに射精したペニスはガチガチにはならないものの、指で敏感な乳首を責められて半透明の汁は止めどなく溢れて下着を汚す。
ヴヴヴヴヴヴ〜……ッ
「〜〜〜〜……ッひぐ、アアっ…んっん、んむ…っ」
「お尻ずーっと疼いてたんだね。分かるよ、チ〇ポに訴えかけてくるエロい顔してた……。はぁ…足上げて、シートに乗せて」
「んっ…んひッ……」
「いいねえ、ハメられ待ちポーズ。フーッ、フーッ……」
痴漢は興奮した声で屈辱的なポーズをとらせ、窄まりに指を入れてローターを奥に押し込んだ。
ぬぷっ、グリッ…! ぐりぐりぐり…っ、ヴヴヴ……ッ
「あへッ…うっんん…ッあっ、あっ…あぁー……」
「はは、腰びくびくしてる。乳首も一緒にしような、ほらほら……っお……」
「あ、あッ…ぐ……っ」
敏感な乳首を摘んでぐにぐにと好き勝手に形を変えられ、細かくローターで中を叩かれ、どちらで感じているのか定かでなくなるくらい全身が気持ちいい感覚に浸る。
「はあぁ…ンぅ……っん…ん〜〜……」
反対の窓側に座る男の粘つく視線が、脅威でしかないのに意識するたび下半身に響く。自分の身体がどんどん性的に敏感になるのに歯止めが効かず、乳首を擦られる快感に内壁がローターを食む瞬間は唇を閉じるのも忘れる。
さす、さす、こすぅ……ぎゅ、ぎゅっ、くりくりくり……
「ンっふー……っんっんむ…、あッああんッ…」
ローターの振動音が身体に響いて智洋を支配する。前の席にまで届かないか気が気ではない。乳首を扱かれ腰を揺すった拍子にぐり…とペニスの裏を潰してきて、呼び水になって無様に腰をへこつかせるはめになった。
「はあ、はあ……っこれもういけるだろ。ハメていい? 小さいおもちゃより、本物のチ〇ポハメハメされたいだろ……?」
「ひっ……ん、ん〜……」
グロテスクに勃起したペニスを触らせられ戦慄する。まさか本当に、バスの中で最後まで犯そうというのか。
痴漢は興奮して荒々しい息を吐きかけ、ガンガンとピストンするように腰を振って太い怒張を見せつける。
「ひっ、いやだ、だめ……、みんなにバレたら……」
「バレるの想像して興奮してるくせに。仕方ないな。ハメたらベロチューして、舌ねっとり絡ませながらピストンして、声封じてやるよ。フーッ、フーッ……」
「……っや、むり、嫌……っ」
「嫌ならこのまま口塞がないで乳首とローターでメスイキさせてやるか。どんな雌声を響かせてくれるか楽しみだ」
ごりごりと先走りで濡れた凶器を擦り付けられ、思考に淫らな色のもやがかかる。
いつでも絶頂してしまいそうな快感を強制されながらも、直人と聡に知られたくない一心が細い鎖になって理性を繋ぎ止めていた。
もし痴漢と二人きりだったら――とっくに快楽に屈して怒張した肉棒の挿入をねだっていたのではないか。だってこんなに気持ちいいこと知らなかった……。
(二人にこんな無様な姿を見られたら……、根はいい奴らだから悪いのは痴漢だって慰めてくれそう。そういう問題じゃない。嫌だ嫌だ! 俺が、二度と会わす顔がなくなる……。もうしょうがない。友達を失うよりはましだ。痴漢とベロチューしながら、あの太いチ○ポを、奥まで……はぁはぁ、ハメ…て、ずぶずぶして、勃起しなくなるまでザーメンを中で搾……ああ、無理ぃ……)
「は…っはー……はぁん……、ハメ……もうローターやだぁ……チ〇ポ…ぉ…ん、ん……」
「ほしいって言って。っあー、このきつきつでねっとりしたケツま〇こに、ぶっといチ〇ポでハメ倒して……って」
「ん、ふー……っ、ち〇ぽ…っ……お、ま〇こに、……」
「――トモ、何してんの?」
熱に浮かされた全身に、氷水を頭からぶっかけられるより酷い衝撃が走った。
音を立てて走るバスの中で、友人が――聡が廊下側から覗き込んでいた。
明るく馬鹿を演じるキャラも鳴りを潜め、聡は信じられないものを見る目で狂った状況を凝視する。
「……っ! 〜〜……っ! こ、これは……っ」
「様子がおかしいと思ってたけど、まさか、痴漢されたの……? まず離れろよおっさん」
「ちっ、いいところだったのに。おっさんは酷いな」
終わった。聡と知り合って今までの友人付き合いが走馬灯のように頭を駆け巡り茫然自失になる。
聡はらしくなく強硬な態度で痴漢を引き離そうとする。やるときはやる男なのだ。痴漢に凌辱されている友人を助けようとしてくれている……。
二人の攻防とバスの揺れで体が跳ねて、ローターが凝った前立腺を致命的に潰した。
「お…ッん……、ひ、いッ…、いっ…いく……ッーー……っ」
ヴー……! ぐりぐりぐり、ぐりゅ、ぐりゅ……ッ
内側を叩かれる絶頂感に抗うすべはなかった。腰がびくびくと痙攣し、景色が白黒にちらつく。
「ひぐ……っいッいい…いくいう…ッ、いってる……あぁっ……みないで、見るな、聡……ぅあっ、あー……」
「――トモ……?」
「おっ…、ローターで雌イキしたのか……。フー……チ〇ポハメる前からアクメできるお尻ま〇こに仕上がるなんて、特別に淫乱だな……」
「はぁあ…、あっ、あン…っ、はふ…っこれは、違うんだ、ぁあん……っ」
聡は目を瞠って、友人の惨状を見なかったふりはしてくれなかった。
終わらないアクメに襞を収縮させる入口に、今にもいきり立ったペニスを挿入しそうな痴漢を後ろから牽制し、目を合わせたままごくりと息を呑む。
「あう…っ、ん……っ、直人は……?」
「寝てるよ。薬飲んだから簡単には起きないと思う」
「ああぁ、言わないで…っ、直人には、他のだれにも……っん、ん……っあふ…、ふー…っ、お尻に、ローターを…お…ッハメらえて、中イキしちゃったなんて……」
こうなってしまったらせめて直人にだけは秘密を守り通したいと必死になる。
直人は本来夜行バスで雑に眠れるタイプではなく、先程のパーキングから戻ると眠気を催す薬を飲んだ。
楽観的な聡でさえ異常事態に深刻な表情をしているのだから、繊細な一面がある直人には尚のこと見せられない。
今もローターで感じて、気を抜くと嬌声を上げて腰を揺らしてしまう。
「分かってるよ、直人には黙ってる」
「あぁ……っ、聡…ひぅ…ありがと……」
「その代わり俺のを挿れさせて。トモの……、ひくついてるエロい穴に……ふー……ふー……ッ」
「……っ!?」
雷に打たれる衝撃を一度ならず食らった。
聡らしい悪いジョークだと逃避する前にギラギラとした目で見据えられ、自然と視線が股間に向いて、ボトムが大きく鋭い角度でテントを作っているのを目撃する。
「……っ、アア、うそ、ぉ……、ん……、聡……」
「俺も嘘だと思いたいよ。友人が痴漢されてるところ見て、ガッチガチに勃つなんて……。抜かないとどうにもならない。ならトモの中で、フーッ……めちゃくちゃにチ〇ポ扱きたい」
「友人まで誘惑するなんて悪い子だな……。あー、俺もハメたくて限界なんだけど?」
「犯罪者は黙ってろ。トモ……トモ、ね、ハメさせて」
「はっ、はぁ…はあ…あぁ……」
「直人には秘密な」
聡は痴漢を強引に押しのけ、本気の表情で智洋に迫る。
秘密にする。その一点だけで拒む選択肢を誰が選べるだろうか。この状況では智洋の社会的な生存権を聡が握っているに等しい。あのどっしりしたオスの欲望に支配されるしかない……。
智洋は友人が作る大きなテントに目が釘付けになって唾を飲む。目の奥にハートを作って物欲しげな顔をしている自覚があった。聡はそれに応えて息遣いを荒げ、ベルトを外して勃起したペニスを解放した。
「――……っふー、んっふぅ……はぁ、はへー……」
「あー、先走りやっば。なんかすごい敏感になってるし、そこにハメたらすぐ精子出そう、はあ…でも、もったいないから我慢するよ。いっぱい中突いて、トモをいっぱいアクメさせてから中出しするから……」
勢いよく反り返った肉棒はカリ高で赤黒く、血管が怖いほど浮き出てバキバキと興奮を見せつけてくる。
種付けの準備万端の形が脈動するたびに智洋の内部もびくつき、脳まで揺さぶられて正気を保っていられない。
「あぅ…チ〇ポぉ……っいれて……っ、聡の、お…チ〇ポ……、……ッ、ん〜〜……!」
「トモ……お前からねだられたらしょうがないよな……。…ハア……ッハア……ッあー……」
「ひぐ……っ! うあ、待って、ローター、ぬいて、…っ!? あ、あああぁ……ッ」
ずぬっ…ずぬズブズブ……ッごりゅ…っ!
友人の性欲という目の当たりにしたくなかったものを具現化した滾る塊が、一息に押し込まれていく。
快感に冒された智洋は取るべき手順を失念していた。そそり立ったペニスの切っ先で、ローターが奥に押し込まれてしまい、許容範囲を超えた快楽に襲われる。
ヴヴヴ……ッ! ごり、ごりゅ…、ぬぷ、ぬぶんっ……!
「うあぁ……ッんひぃ、らめ、い…っい……ッあー…」
「はあ……っふー……、本当にローター咥えこんでたの……、奥がブルブルしてる……はは……ッ」
「ひぐ…っとって、…ぅう、苦し……っい…アア…っ…」
聡はローターの振動もお構いなしに、座席に智洋の体を押さえつけて腰を突き入れる。
中はローターによる執拗な前戯に柔らかくなっていて、思ったほど痛くも苦しくもない。どちらかといえば、敏感な肉をギチギチに満たすペニスで抉られ、ローターが奥に当たり、感じすぎて苦しい。
「ごめん無理。こんなに締め付けてくるま〇こにハメて一度抜いてほしいとか、無しでしょ……っ」
「ああぁッ…! んぐ…、らめ、アッ…あひッ……」
「フーッ、フーッ……ムカつくなあ。処女は俺がもらいたかったのに。でもこれで共犯だ……。約束通り口を塞いでやるよ」
聡の肉棒に媚肉がみっちりと絡み、少し腰を動かすだけで強烈な快楽が走り、到底声を我慢できない。
そこで痴漢が動いた。卑劣な男は痴漢行為を制止されてもただでは起きなかった。共犯関係に誘導して捕まるリスクを減らした上で、興奮したペニスを智洋の唾液たっぷりの口内に突っ込んだ。
ぬるぅ……、ぬぶんっ! ぐぽっぐぽっ、ぢゅぶぢゅぶぢゅぶ……っ
ずぶっ、ずぶっ、ズヌ…ッゴリゴリュッ……ぱんっぱんっぱんっぱんっ……
「んぐぅ…っんっんぅ、ん〜……ッ」
「あー最悪……っ俺がベロチューしながらセックスしまくってやろうと思ったのに」
「そう言うなよ。この子のエロい体、硬くなったチ〇ポを全身使って扱かないともったいないだろ……、おっ……ぬるぬるで気持ちいい…っ。もっと舐めて、口窄めて、チ〇ポ好きです〜って顔で吸えよ……ハアッハア……ッ」
痴漢は情け容赦なく怒張で口内の粘膜を犯す。フェラをしているというより口を使ってペニスを扱かされているという方が正しい。
上の口も下の口も雄の欲望で占領され、ずぶずぶと抜き差しされ、苦しいのに被虐の快感を覚える。
イラマチオする痴漢の方を向かされ、反対側の男が「ふーッ、ふーッ……」と興奮してペニスを扱いている姿が視界に入った。少し前までなら気持ち悪いとしか思わなかっただろうが、ペニスで満たされていると、あの勃起も自分の体で気持ちよくしてあげるべきだろうかと淫乱な考えが過る。
「んっむぅ……んぇ……」
「はあ……はあ……トモ、くさそうなチ〇ポしゃぶらされてもエロい顔して……チ〇ポ好き? 俺のチ〇ポがイイんだよね? なあ、あーきっつ……っ」
「いや、この子はマゾの雌なんだよ。イラマがいいんだろ、おら、おらおら…お…ッ」
「ン、ン、ふー……っんぶっ……ッ」
ぬぶぬぶ、ぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっぢゅぼっ……
パンッ…パンッ…パンッ…ヌブ…ッごりごり、ごちゅっ、どちゅん……ッ
智洋の蕩けた体を貪るオス達はギラギラと興奮をむき出しにして、隠れる気があるのか怪しい上ずった声で責め立ててくる。
止めようにも口をペニスで占領されては一つも自己主張できない。オスの興奮に好き勝手にされ意思を奪われた現状をそのまま表している。
「はあ……っはあ……、いいよ、トモ……ん……っ」
「んッんっ、ン……ぐ…っんーーー……」
ゴリ……ッ、取り返しのつかない音が体の奥で鳴ってローターが硬い亀頭で結腸にまで追いやられ、智洋は中だけで強制アクメをキメた。
びくびくと激しく痙攣する肉に聡も感じた声を出して一時ピストンを止める。
(ああぁ……いくいく…っ、いってる……俺、聡のチ〇ポで突かれて、中だけでいっちゃったぁ……、口が自由になったら絶対、直人に聞かれたらヤバい声出ちゃう。気持ちいいの終わるまでずっと、太いので口塞いでてもらわないと。チ〇ポ、一生懸命舌動かして擦って、吸って……)
「あぁ……ッフーッ、いい、上等な口ま〇こだな……、離したくないって吸い付いてくる……」
「く……っ、これイってるよねトモ……、トモが俺のチ〇ポで女の子みたいにイってる……ヤバい、俺もイく、中に……、外に出したら臭いそうだから中に出すよ、いいね?」
「ンッんっ、んっ、んっ、ふぅう……ッぅん、ん〜……」
聡の目は熱を湛えて智洋を見つめ、声は上ずって甘やかすようなのに、腰の動きは激しく嗜虐的に肉欲をぶつけてくる。何もかも友人として知っている聡とはかけ離れた姿だ。親密な女相手にはこんな風なのだろうかと想像してしまう。
ピストンはどんどん速くなり、強かに内壁を擦ってきて、射精したがっていると全身で感じる。
勢い余って前の席にぶつかり直人を起こしたら本当に終わりだ。智洋は両足を聡の胴体に絡めてこちら側に引き寄せ、より深く交わった。
「っトモ、はっ…中にほしいんだ。やらしい……、イく、イく……ッはあ……っ」
「うっく……俺も……ま〇こに出したかったけど金玉ドクドクいっててもう無理。喉ま〇こに出すよ……、お……ッあー……」
「んぅ……んッんっんむぅ……〜〜!」
ズバンッズバンッズバンッ! ヴー……ぐりぐり、ぐりゅぅっ……
ずぬっずぬ…ッどちゅっどちゅっどちゅっどちゅっごちゅ〜…!
ドビュッ! ドビューーッ! ビュブッびゅぶるッ、ビューーーー……ッ
「んぅう……、んむ…んっ、ん…っんぇえ……」
「ハア……ッはあ……ットモ、すっご、トモのお尻ま〇こにしちゃった……。精子搾り取られる……う……」
「あーいく……ッ出る、まだ出るぞ、吸って、飲んで……、はあっはあっ……口ま〇こ最っ高……」
「ん…っんぶ……、ふー、はふーっ…ンむ〜……っ」
(あー……お尻と喉奥に、同時に精子がビュービューきてる、苦しい……気持ち……いい、またアクメきちゃう、きてる……あぁん、もう、お尻の中どこを抉られても、気持ちいの止まんない……友達のチ〇ポに媚びるとか最低。気持ちいい…、いくいくいく……)
「ンぇえ……、ん、んー…はあっ、はふ……っふー……っ」
「はあッ……トモ、いきっぱなしになってたね。俺のチ〇ポで死ぬほど感じてた。俺もすごいよかったよ、ずっとハメてたい……」
「はっ…はっ…はへ……っ、ん、あぁ……っ、直人……起きてない……?」
痴漢は亀頭をしゃぶらせ精子を飲みこむまで解放してくれなかった。
聡は名残惜しげにペニスを奥に押し付け、掠れきった声であからさまな言葉を口に出す。友人なのに――、そこで直人の顔が再び頭に浮かんで体が震えた。絶頂の震えと恐慌による震えの区別があいまいになる。
聡は事後の相手に向ける高揚した顔に、悪巧みするときの表情を浮かべる。一部分だけ友人の聡らしさが戻ったことに智洋は動揺する。
「俺のチ〇ポより直人が気になるの?」
「んひっ…やぁ……っん、声が、……ん〜〜……」
智洋の視野には聡と痴漢と、血走った目でオナニーをし続ける男の姿しか映せない。
聡は頭を上げ前方の席を確認した。挿入の角度が変わって亀頭の返しで弱いところを殴られて悶えながら、判決を待つ罪人の気分になる。
「――寝てるよ、大丈夫。言っただろ、俺達だけの秘密だって」
「あぁ……はっ…はぁ……ほんと?」
「俺もいるんだけど。そろそろ本番させてよ。まだ全然チ〇ポ勃つ」
「うるさいな。トモ……、痴漢のチ〇ポハメられるのと直人を巻き込むのどっちが嫌?」
「ぅう……っ直人に、ばれるのだけはいやぁ……っひぅっ」
「分かった。抜くからじっとして、いっぱい中出しした精子漏れないように……ん……」
「はひぃ……っい…っん、ん〜……っ」
ずるりと内壁の襞をこそぎながらペニスが抜かれた。入口はすぐに狭まるが完全には閉じず、くぱ…くぱ…と収縮する。痴漢が見逃すはずもなく視線だけで犯されそうだ。
大阪までの距離を示す標識を高速で通り過ぎていく。熱に塗れた最後部座席で、地球の裏側でも目指しているかのように遥か遠くに感じた。
end
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