train 02
あり
「暑い……」
香川悠司(かがわゆうし)は無意識に一人ごちていた。
真夏と言うには幾分か早い季節だというのに、ここのところ真夏日が続いている。
もともと暑いのは嫌いであったが、こんな場所――――狭い電車の中では尚更のことだった。
来年大学受験を控える悠司は、尊敬する先輩が通う隣県の大学の説明会に参加するため、慣れない満員電車に揺られていた。
いつもは自転車通学の為、満員電車には乗りなれていない。
その上人身事故でダイヤが乱れているとかで、時間帯の割に酷く混雑している。
(きついし汗くさいし、周り男ばっかだし……早く着かないかなあ)
電車は憂鬱だったが、説明会は何日も前から楽しみにしていた。
今日久しぶりに会う先輩は、中学時代からの部活の先輩で、男としてとても憧れている相手だ。
何につけても優秀で容姿までいいのに、2つ下の悠司とも対等に話してくれる。
(先輩に聞きたいこと、さらっておこう。――――って、うげっ)
電車が揺れた途端密着度が増した気がして、悠司は眉をひそめる。
全身が汗ばんだ他人の体と密着しているのは、とても気分のいいものではない。
――女性ならまだしも、周りは運悪く男性ばかりだから余計だ。
顔をしかめていると再び電車が揺れ、横に立つ若い男の腕が強く悠司の胸に擦りつけられた。
(――!? やっ……)
思いもしない刺激に、悠司はゾクリと震えた。
鬱陶しい暑さの為、悠司は半袖のシャツ一枚で、アンダーシャツなどもちろん着ていない。
悠司は気づいていなかったが、汗ばんでその乳首は透けていた。
(やっ、なにっ、これっ……あっ、ン……)
揺れるたびに、乳首が男の腕に擦られて、経験したことのない感覚が湧き上がる。
(やだっ……でもわざとじゃないんだし、男がこんなことで文句言ったら……アンッ)
おかしな声が出そうになって、悠司は慌てて唇を噛んだ。
この混雑で身体をずらすのもままならならず、だんだんと摩擦が強くなる。電車が揺れるたびぐりぐりと音がしそうなほど擦れて、見えなくともそこがビンビンに勃起していることが分かった。
(あぁっ、イヤ……乳首、擦るのやだっ……。変だよぅ、俺……)
自分の反応が恐ろしくて、少しでも密着度を下げようとなんとか体を背後にそらしたとき。
「……!?」
若い男の脚に股を割られ、悠司は息を飲んだ。
(ぁっ、いやだ、気づかれちゃうよ……チンコがぁっ)
男の太ももが、勃起しかけた陰茎に押し当てられる。脚ががくがくと震えて押しのけることもできず、救いを求めるように顔を上げると。
ギラギラとした目でこちらを凝視する男が、ごくりと唾を飲んだ。
「はぁ……いやらしいね。こんなに勃起させて、押し付けてくるなんて」
「っ! ちがっ……あんっ」
明らかに欲情した声音で耳元で囁かれ、何故かずくんと身体がうずいて反論もままならない。
「何言ってるの? 俺の腕に、こりこりした乳首をずっと押し付けてきて……。イヤらしい顔して、誘ってたじゃないか」
「やっ、あぁんっ!」
湿った指でしたたかに乳首をつままれ、淫らな声が抑えられなかった。
(やぁ……気づかれちゃう! でも、これで誰か助けて……)
快感に潤んだ瞳で周囲を窺って、悠司は息を飲んだ。
何人もの男達が、悠司の痴態をじっと見つめていたのだ。
「あっ、あぁ……やだっ、見るなぁっああぁんっ!」
指の腹で乳首を擦られ、更に脚で玉からチ○ポまでごりごりと刺激され、先走りが下着を濡らした。
「ぁっ、すごい、淫乱だね。乳首だけでイけるんじゃないのっ」
「はぁんっ! ああああぁっ、らめえっ」
耳を吸われながら囁かれて、チ○ポからどんどん汁が溢れてくる。
いつしか男の手はシャツの下から入り込み、思うままに乳首をこねくり回していて。
「あぁ、おいしそうだっ。今吸ってあげるよっ」
チュプ、ぢゅううううっ。
「あぁあああっ! やらっ、れちゃうぅううう!」
充血した乳首をれろれろと舐められ、強く吸われ。
信じられないほど淫らな声で叫び、腰を激しく痙攣させながら、悠司は下着の中に精を吐きだした。
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