好きです! 02
あり
「何やってんの? この教室、今日文化祭実行委員が使うんだけど」
全然違う人だった。
「げっ、3年の時枝」
「ちょっとふざけてただけっすよ。すぐ出て行くんで」
その1その2は俺から手を離すと、前かがみで脱兎のごとく去っていった。不良のくせに腰の低い奴らだ。
俺は乳首丸出しのまま放置だ。酷い話だ。
俺は時枝先輩なる人物を見上げた。そういえば見たことがある。確か文化祭実行委員長とか何とか。
背が高くて中々のイケメンだ。青木君ほどじゃないけど。
「あ、あの、助けてくれてありがとうございます」
「ん? 別に助けた気はないんだけど。君も早いところ出てくれない?」
「はっ……」
きゅううううんっ!
胸が掴まれたみたいになる。こ、このセリフは……。
なんて素敵な人なんだろう。ぶっきらぼうさに隠れた、「俺は何も見ていないから気にするな」という優しさ。
「せ、先輩、素敵です」
「……君、大丈夫?」
「もちろん! 先輩が俺の貞操を守ってくれましたから!」
「いや体じゃなくて頭が」
「――なにしてんだ?」
俺が先輩を涙目で見つめていると、まさかの声が聞こえてきた。
「あ、青木君!?」
めちゃくちゃ怖い顔で青木君が教室の入り口に立ってた。そんな顔も超かっこいい。
はっ、まさかこれは修羅場!? 半裸の俺と突如現れた素敵な先輩が見つめ合ってるところを、青木君が目撃。やめて! 俺のために戦わないで!
……なんてね。さすがにそんな夢のような妄想するほど俺はお花畑ではなかった。友達には脳内一面花畑とか言われるけど、一応分かってるさ。俺の恋が常に片思いだってことは。
「……なんか変な空気になってるけど、何これ?」
「いやあ、話すと長いんですが、まずは俺と青木君の出会いから」
「あ、それはいい」
「ちっ……ちょっと来い」
苛立った様子で、青木君が俺の腕を引っ張った。
何と。青木君が、俺の、腕を。
今俺は、青木君と手を繋いでいる!
夢の世界にトリップした俺を、青木君は別の空き教室に連れていった。
「何してんだよ、お前」
青木君に至近距離で凄まれる。はあ、昇天しそう。
「なんというか、不良に絡まれたところを助けてもらって……青木君こそ、何でここに? 女子と、出かけたんじゃ」
「……忘れ物取りにきたんだよ。折角いつもの鬱陶しいストーカーがいなくて快適だったってのに。そしたら橋本たちに会って話聞かされて……クソめんどくせー」
「なるほど……はっ、ストーカー!? 大丈夫なのか? やっぱり青木君ほどのイケメンになると変態に狙われたり、フった相手から粘着されたりするんだろうな……心配だ。大事になる前に警察に相談した方が」
「お前のことだボケ」
ちなみに橋本とはその1のことだ。
「で? 今度はあの3年に惚れたってか?」
「なっななっ、そんなこと、ない! ……と言い切るには若干ときめいてしまったのがアレだけど……俺が好きなのは青木君だ!」
「俺が何も知らないと思ってんのか。お前の噂はよく聞こえてくんだよ。真性の男好きで、面食いで、惚れっぽくて、色んな男を好きになるってな。次はどうせあいつを狙うんだろ? こんな、女みたいな乳首晒して」
「あぁんっ
」
なんと、いきなり青木君が、俺の乳首をぐりって乱暴に押しつぶしてきた。
いきなりの快感にふらついて壁に背をつくと、青木君に壁に追い詰められたみたいな体勢になって……これが噂の壁ドン!? さすがの俺もこの状況には理解が追いつかない。
「あッ青木くんっ…んっ、あん
あぁッ
」
「クソビッチが……ころころ相手が変わるような奴が、好き好きうるせえんだよ」
「やっあっ…
あぅんっ
あっあんっ…
」
くにっぐりっぐりっごりっごりっぐりんぐりんっ
青木君の指が無遠慮に乳首を強く擦ってぐりぐり回す。痛いくらい気持ちいい。
「ビンビンに勃起させやがって……誰にでもこんなになるんだろ? 変態」
「あぁんッ
いいっ…
あおきくん、好きっ
ぁあッ
んッ
」
「くそがっ……」
否定しようとしたけど、さっきも思い切り感じちゃったんだった。だって、乳首がこんなに気持ちいいなんて……。
青木君に触られるとどうしようもなく切なくてじんじんして、ちんちん触ってないのにイきそうになる。
「青木くんっ…らめっ、いきそう
あッあぁんっ…
」
「乳首だけでイくのか、ビッチすぎだろ…。恥ずかしくねえのか」
「あぁっはずかしっ……でもきもちいいから、あおきくんの指っいいっ
…あんっ
あんっ
あんっ
」
ぐにっぐにっぐにっかりっかりっぐりぐりぐりっ
俺を責めながら青木君が両方の乳首を激しく弄ってくる。摘んだまま別の指のつま先で弾いたり、ぎゅうぎゅう絞るようにしたり、怒ってるみたいなのにその愛撫はすごく上手くていやらしくて。
俺はもうわけがわからなくなった。
「あひっ
あっいくッ
いっああッ
すきっ
あおきくん、すきっ…
あぁああッ!
」
びくんっびくんっ! どぴゅ、びゅ、どぴゅっびゅくんっ
体がびくっびくっってみっともなく揺れて、俺は乳首だけでイってしまった。パンツの中が精液で濡れまくりで変な感じがする。
「あぁーっ…
はぁっん
ぁっんっ、はぁっ……あおきくん……
」
「――マジで乳首だけでイったのか。ビッチのくせに、好きとか言うなって言っただろうが」
「はぁ、はぁ……だって…本当に好きなんだ。……他の人を好きになったこともあるけど、彼女がいたからきっぱり諦めたし…。俺、両思いの相手がいる奴に迫るほど常識なしじゃないし…」
「もっと別の常識も備えろよ……」
青木君がついという感じで突っ込んだ。
そう、俺は確かに惚れっぽい。中学の時に二人、高校に入ってからは青木君以外二人に恋をした。
でもみんな彼女ができたり、もしくは隠してたけど最初からいたことが判明して、俺はそのたびに枕を濡らしながら諦めたのだ。
人を好きになるっていう気持ちの強さは俺自身がよく知ってる。だから好きな相手が女子と思い合ってたら邪魔することなんてできない。
「……だから、もし青木君がデートの相手を好きというなら、俺は諦めるつもりで、心の準備はしてたし…」
「だからあの3年にぐらっときたってか」
「くっ」
青木君が、俺を更に追い詰めながら訊いてくる。追い詰めすぎて、青木君の太ももが俺の股の間にぐりぐりなってるけどいいんだろうか。俺はもちろんいいけど。
思えば俺は助けられるというシチュエーションに弱い。過去も、階段から落ちそうなところを助けてくれたとか、受験のときに消しゴムを忘れて焦ってたら予備のを貸してくれたとか、ことごとく助けてくれた相手を好きになってるのだ。だから助けてくれた時枝先輩にときめいてしまったのも仕方ないというか。
そう言うと、青木君がちょっと怪訝そうな顔をする。
「吊り橋効果……いや、なんでもねえ」
「? そ、それで、青木君はその、今日デートしてた女子と付き合うのか? それなら俺は……あ、諦める努力をする」
ちょっとの間沈黙が流れる。ビクビクしながら反応を待ってたけど、答えは
「さあな」
だった。何という生殺し。そして。
青木君が何故か、俺の脱がされかけだったスラックスを完全に脱がせた。
「ひっ? こ、これは見苦しいものを」
「もう黙ってろ、お前」
「っ……んっ……」
ドロドロに濡れてるパンツをずらして、青木君がアナルを触ってきた。
「んんっ、ぁっ、やっ、ひぁっ
」
「お前濡らしすぎ……こんなに濡れてれば入るだろ。挿れるぞ」
いつもの鋭い眼差しとはちょっと違う、熱っぽい目で見られてくらくらする。指が無理矢理ねじ込まれた。
ぬぷ……ぐりゅ、ずっ、ずぶ、ずぶ…っ、ずぶっぬぶっぬぶうう……っ
「あ゛あああッ…あひっああンッ
」
「きついな…っ、挿れられたの、初めてか」
「んっぁあっん
らめっぁあんっ…
」
俺は必死に首を縦にふる。
「ふーん……別にどうでもいいけど」
「ひっあッ
アアッ
」
ずぶ、ずぶ、ぬちゅ、ぬちゅ、ぬぶっぬぶっ
青木君が指を出し入れし始める。自分でもためらいがあっていじったことなかったのに、青木君に指マンされて信じられないくらい感じる。変な声が止まらない。
「あぁんッ
い゛いっ
…あっ
あッ
あんッ
」
「突くたびにぎゅうぎゅう締めやがって……でかい声出して、外に聞こえてもしらねえからな」
「あぁッ
だって、声、止まらなっ…あんっ
あんッ
あんッ
」
「あの3年に見られるのもいいかもな。どうせあいつと上手くいくことなんて万が一にもねえんだから。このビッチがっ」
ぞくぞくぞくぞくっ きゅんっきゅんっぎゅうううっ
青木君エロすぎる。言葉責めしながら指マンされて、全身が甘く痺れる。めちゃくちゃにされたい。
「はあっ、腰振って……ここがいいのか?」
「あ゛っ
あひっい゛いっ…
あっアッアッ
」
ずっぼり2本の指を奥まで挿れたまま、指を曲げてお腹側のところをぐりぐり擦ってくる。
やばい、何これ、イく、イってる、ずっとイって……とまんない、駄目だ、おかしくなる。
青木君がかすれた声で囁く。
「ここ好きなのか…びくびくさせて」
「あひぃあ゛っ
んっいぃっ…
好き、あああッ
」
「へえ……もっと太くて、長いので擦ってやろうか」
瞬間、背筋がぞくぞくっとして、俺はまた軽くイった。
「あぁッほしいっ……
青木君のっ、おちんちんっ…挿れて、いれてぇっ…
ぁあんっ
」
その答えを待ってたみたいにすぐ指は引き抜かれて、青木君は俺の体を机の上に乗せるとベルトを外した。
勃起させなきゃいけないから、俺は手とか口で頑張る気満々になってたんだけど、間髪入れずにすごく硬くて体積のあるものがアナルに押し当てられて。
「挿れるぞっ……」
「あっあ゛あああああッ
」
ずぶっずぶっぬぶぶぶぶぶっ…!
青木君の……おちんちんが、押し入れられて、俺のアナルにハメられた。
「あ゛っ
あひっ
あァッ
」
「っマジできついな…、動くぞ」
「らめぇっ……
あひっあんッ
あんッ!
」
ぬぶ……ずばんっ! ぬぶ……ずぶうっ!
ギリギリまで引き抜いてから、容赦なく奥までハメられる。中相当狭くてぎちぎちに締め付けちゃってるの自分でも分かるけど、青木君はそれを無理矢理こじ開けるみたいな強い腰の動きで中を擦りまくる。
「あんっ
あんっ
あんっ
あッいいっ
あッああぁッ
」
「っ、初めてのくせに、女みたいに喘ぎまくってっ…やっぱクソビッチだな…気持ちいいのか、おらっ」
ぬぶっずぶっずぶっずぶっ ぐりっぐりっぐりっぐりっごりゅっごりゅっ
「あぁああッ
いいっ
きもちいっ…
あおきくんっあっあぅっ
」
「何がいいって?」
「はあぁっあおきくんのっ、おちんちんっ…
あっおちんちんハメハメ、きもちいいっ…
あっああんッ
」
少し動きを止めて俺の答えを聞いた後、青木君は更に激しくピストンして感じる場所を滅茶苦茶に突く。
「あぁッ
あひっ
あひぃっ
んっあっあおきくんっ…
きもちいいっ
あんっ
そこっ、ぐりぐりすごいっ…
」
「蕩けた顔しやがって……っ」
ずぶっぐりっぐりっパンッパンッパンパンパンパンッ!
気持ちいいって声に出すと、興奮してもっと気持ちよくなる。青木君のおちんちんも更に硬く大きくなってる気がする。なんかもう、ここは天国? って感じ。
「あぁッ
すきっ
青木くん、あひっ
アッ好きっ
だいすきっ…!
」
「っうるせえよっ」
「あんっ…
ンッんんっ
」
噛み付くようにキスされた。
そんなに好きって言われるの嫌なのか、黙らせるためにキスって。ありがとうございます!!!
「んっふぅ、ん、ん
」
俺が必死に唇を押し付けてたら、舌をねじ込まれた。びっくりしてたら舌を舐められて、ぬちゅぬちゅっていやらしく絡まりあう。
初キスがこんなディープキスだなんて、さすがの俺もわけわかんなくなる。初キスの前にセックスしてるけど。俺のシミュレーションでは初キスの1ヶ月後にディープキス、その3ヶ月後にB、更にその3ヶ月後……。
なんて妄想はすぐどこかへ行った。青木君が舌を絡めながら腰をぐりぐり回して、その強い快感で何も考えられなくなる。
くちゅ、ぬちゅ、…
ちゅっちゅっ、れろ、れろ、ちゅく、ちゅく、ぢゅうううっ
ぬぶう、ぐりっぐりっぐりゅんっぐりゅんっ
「んんーっ!
んっんっふっぅんっんっ…
あああッ
」
「んっはぁっ、そろそろ出すぞっ…どこに出して欲しい?」
低くて掠れた、すごくエロい声で青木君が聞いてくる。
「あひっんっ
はぁっ、中はらめっ…そとに、出して、あんっ
あんっ
」
「……ふーん」
「ひっあっ
アアアンッ
」
ずぶっぬぶっぬぶっぬぶっ! パンッパンッパンッパンッパンッパンッ!
「っイくぞっ、お前の中に、種付けしてやるよっ…!」
「あひっ
らめっあ゛っ
ああッあああああーっ!
」
何故か恐くなって腰を引こうとしたけど、強く押さえつけられてガンガン腰を打ち付けてきて、暴力的なくらい中を擦られまくる。
「くっ……」
「あ゛あ゛っ
ひっああああッ
」
どびゅっびゅるっびゅるっ! びゅっびゅーーーーーーーーっ
ホントに頭がおかしくなるってくらいイイところを散々擦ってから、俺の中に熱い液体がたくさん入ってきたのを感じた。
「あぁ……
ん、はぁ、はぁ……」
イっても快感がすぐには引かなくて、しばらくじんじんびくびくするのが止まらなかった。青木君も中々抜かないからイったあとのおちんちんをずっとぎゅうぎゅうしちゃって、だんだん恥ずかしくなってくる。
中出しされちゃった。正直されてみたいって思わなくはなかったけど、一度でもされたらもう引き返せないような気がして。妊娠するわけじゃないんだから完全に気分の問題なんだけど。でも中出ししてくれたってことは、つまり。
「……つまり、青木君も俺のことが、好き……!?」
「……は? 誰がいつそんなこと言った」
「ですよねー」
ですよねー。……さすがにちょっと、俺だって悲しい。
「……やっぱり、あの子のことが好きなのか? なら俺やっぱり、頑張って……セックスしたけど、ううっ、ファーストキスもして、中出し、までされたけど、ぐすっ、がんばって、あきらめ……っ」
「……お前の思い込みの強さは病気レベルだな。あの女は告られたけど断った。タイプじゃねーから」
「えっ……」
沼の底みたいだった目の前が、一気に薔薇色になる。
「じゃ、じゃあ、やっぱり俺のことが、す、好き」
「だから妄想はやめろ」
「ですよねー」
俺の心は黄土色くらいになった。
その後、俺は何故か2回も青木君に挿れられて中出しされた。
◆◇
「というわけで、俺は変わらず青木君が好きだ!」
「いやお前それ、性欲処理」
「しっ!」
そりゃ両思いじゃないのにセックスって……って、冷静になったときはちょっと悩んだよ。でも俺は貞操観念がおかしい青木君でも好きなんだ。セックスできたなんて俺にとってはご褒美だ、いつか振り向かせてみせる!
「駄目だこいつ、早くなんとかしないと……」
「いやでも、青木なんてセフレ作ろうと思えばいくらでも作れる奴だろ? わざわざ渚に手出したってことは……」
「うーん、そう言われれば、確かに」
「あ、青木君! おはよう、好きです!」
「うるせーよ」
俺の恋はまだまだこれからだ。
end
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