寝た子を起こす 02


あり

あれ以来、より如月からの視線を感じることが多くなった。例えば友人に突っ込みでチョップしたとき、体育のストレッチで相方にふざけて体重をかけたとき――ふと気づくと如月が熱の篭った目でこちらを見てくるのだ。

(あいつ、欲求不満なんじゃ……)

欲求を発散するには体を動かすのが一番だと千里は考えていた。
だからある休日、ちょっとした気まぐれで如月をフットサルに誘ってみた。彼は初心者とは思えないほど上手く、複雑になるほどだった。最近サッカー部を見に来ていたので知らず知らずのうちに吸収してしまったのかもしれない。
しかし。

「何故ぶつかってこないんだ!」
「いや、同じチームだし…」

すると今度は別のチームに入って対戦することになった。

「だから何故ぶつかってこないんだ!」
「いや、フットサルは接触プレーに厳しいから…」

最後にもう一試合、という段になって、如月が提案をしてきた。

「宮城、賭けをしないか。負けたほうが勝った方の言うことを一つ聞く。どうだ」
「え……」

どうせ思い切り殴ってくれとでも言うつもりだろう。断ろうとしたが、

「なんだ、自信がないのか」

基本単純である千里はあっさりと勝負を受けることにした。要は勝てばいいのだ。金持ちなのだから高い飯を奢らせるくらいはしてやろうと。

勝負は点の取り合いの接戦になった。千里が得点を決めて仲間に軽いハグをされながら喜んでいると、如月にじっと睨まれた。彼も何だかんだで試合に熱くなっているらしい。
熱戦の結果――1点差で、千里のチームが負けてしまった。しかし悔しいと言うより、楽しい試合が出来た充足感のほうが勝っていた。

「お前、気合入ってたなあ。特に後半。あのゴールは悔しいけどすごかったよ」

興奮冷めやらぬまま楽しげに話しかけたが、如月は何だか思いつめたような表情で「家に来い」と言う。

「あの……俺、負けといて何だけど、怪我させることとかあんまりきついのは無理だよ」
「そんなことはしなくていいから」
「そうか……」

内心、前回家を訪れたときのことが思い出されていた。性的なことになってしまったのはあの一回きりだ。もしまたあれをやれと言われたら――。
心臓が高鳴るのが止められなかった。


あの日と同じようにお手伝いに迎えられ、如月の部屋へ入る。

「宮城……あのときと同じように、踏んでくれ……」

如月はもうすでに、というか多分帰宅中からはあはあと息を乱していた。それを笑い飛ばしてやることができない。千里だって平静ではいられなかったのだから。
つま先で触れてみると、それはすでに硬くなりはじめていた。

「あぁっ……宮城、宮城っ…」
「っ、踏む前から、こんなにして…」

ぎゅむっ、ぎゅむっ、ぐっ、ぐっ、ぐり、ぐりっ

踏むたびに如月のペニスはどんどん硬く、大きくなってくる。時折強めに踏むと如月が艶っぽい声をだして、焼け付くような眼差しを向けてくる。
――おかしい、こんな、こんな気分になるなんて。

「はぁっ…なあ、直接、踏んでほしい…?」

訊いただけで、ペニスがびくっと震える。如月は掠れた声で懇願する。

「あぁっ…踏んでくれ、直接…俺の汚いち○ぽを、お前の綺麗な足で弄ってくれ…っ」
「っ、変態…っ」

千里は息を乱しながら、足で脱がせ始めた。フットサルをやった格好のまま帰ってきたためジャージだったが、足で脱がせるのは難しく、かなり時間がかかってしまう。千里の足の動きを、焦れた様子の如月の視線がじっとりと追う。
ようやくジャージを脱がせ、パンツも引きずり下ろすと――巨大な怒張が勢いよく飛び出してきた。

「…すご……」

予想以上に大きくて、赤黒いものが、ギンギンに反り返って天を向いている。血管がビクビクしていて、先端が濡れていて――千里に踏まれて、こんなになっているなんて。
これを汚れた靴下で踏むのは忍びない気がして、千里は靴下を脱ぎ捨てた。

「はぁ、はぁ…宮城の生足…っ」
「……っ」

体が熱い。千里は如月の正面に座ると――両足でぐりぐりと怒張を踏んでやった。

「あぁっ! いいっ…宮城、はぁっ、くっぁっ」
「いい…? 足コキで感じて、エロい声出しちゃうんだ…?」
「はぁっ…あっ、それ、くっ…」

エロマンガで見たのと同じように、足を動かして如月の怒張を刺激する。不器用に上下に扱くたび、ビクビクと脈打つのが足に伝わってくる。

「すごい、こんな、びくびくって…」
「あーすごい…っ、宮城の足コキ、いい、いいよっ…」

コス、コス、しゅっしゅっしゅっ、ぬちゅ、くちゅ、くちゅっ

「はぁっ、宮城っ、宮城も、脱いで…っ」
「っ、何で? 俺の体、見たいの…?」
「あぁ、見たい、宮城の体見ながら、足コキされてイきたい…っ、はぁっ、脱いでくれ、宮城、宮城っ…」

端正な顔を歪ませ熱っぽく懇願され、千里もまた熱に浮かされたようにジャージを脱ぎ、勢いのまま下着まで下ろした。

「っ宮城のも、勃起してる…。感じたのか? 俺のを足コキして、興奮してくれた?」
「はぁっ、うるさい…っ」

図星を突かれたのが恥ずかしくて乱暴に足コキすると、如月が感じ入った声を出した。

「はぁっいいっ…宮城っ、宮城のち○ぽも、ピンクのアナルも全部見えてるよっ。ああっ舐めたいっ、宮城のち○ぽとアナルたくさん舐めさせてほしいっ」
「っ、変なこというなっ、はぁっ、ふぁ…っ」

ぞくぞくっとしたものが全身を駆け抜け、アナルがきゅんと収縮してしまう。早くイかせたい気になって、先端の滑りを指先に絡めてカリを刺激するように扱く。

「はぁっ如月っ…イっていいよ、足コキでイって…っ」
「あーすごいっ…最高だっ。宮城の足が俺の汚いのを、シコシコしてくれて、やらしいこと言ってアナルひくひくさせてるっ…あっいく、出す、ああッ」

くちゅっくちゅっシコシコシコッ
びゅくっ、びゅる、びゅるっびゅるるるるっ!

ひときわ強く扱いた瞬間、巨大なカリが膨れ上がって大量の精液が飛び出してきた。
千里の足がよごれていくのを、如月は興奮しきった顔でじっと見つめていた。

これで終わりにするべきだと、頭の隅に残った理性が言っている。だけど。

「はぁっはぁっ…宮城…っ」

むき出しの欲望を向けられ、千里は冷静さを失っていた。

「まだ、俺のこと舐めたいの? シャワーも浴びてなくて汚いよ?」
「ああ、舐めたい…。汚くなんかない。犬みたいに、お前の綺麗な体を舐めさせてほしい」
「…いいよ、舐めるだけなら許してやる。……あっ」

許しを得た途端、如月は千里の体にがっついてきた。
勃起したペニスを間近で凝視した後、本当に犬のように舐めてしゃぶる。

「あッ…あっんっ、ふっ…」
「んっ、おいしい、宮城のち○ぽ、可愛くておいしい……っ」
「っ変態っ…んっんっ、はぁっ…あッ」

ちゅっ、ちゅく、じゅぶ、じゅぶ、じゅぶじゅぷっ

興奮しきりながらも、如月は感じる場所を的確に責めてくる。先端を舌でぐりぐりされながら吸われると、元々高ぶっていた体はすぐにイきそうになってしまう。

「はぁあっ…ぁっ、ん、はぁっ…」

あと少しというところで刺激を奪われたかと思うと、今度は体の更に奥に如月の舌が到達した。

「あんッ! ひっあッまって、そこは…、ぁっひんっ」
「ああ、こんなにひくひくさせて…いやらしい…っ」
「ぁっまってって…んっ、あひっああッ」

初めてアナルを舐められ、ぞくぞくとした快感が背筋に走る。

れろっれろっ、ぬちゅ、ちゅく、ちゅく、ぬちゅっぬちゅっ

「あんッそこ、やっ、ぁっあんッあんっ」

ほぐすようにねっとりと周りを舐めた後、中に舌が侵入してくる。

ぬちゅ、ヌッ、ヌッ、ぬぶ、ぬぶ、ヂュブ、ヂュプッ

「ああーっ…ひっあッ、やっそこ、ぁんっんっふぅっ」
「はぁっ宮城のアナル、嬉しそうに俺の舌を吸ってる…んっ、ん…」

熱っぽく如月がささやくたびかかる息にさえ感じてしまう。舌では届かない奥のほうが切なく疼いて、もどかしくてたまらない。

「やっなんかもう、へん、やめ、ぁあっ、ひぁんっ」
「っいきそう? ち○ぽびくびくしてる…。ああ、挿れたい…舐めるだけって言われたのに、ここに変態ち○ぽ挿れてきつきつの中犯したい…っ」
「やっああッ…」

卑猥なことを言われ、それをされている自分を想像して――思わず堪らなくなって、足をばたつかせ――それが如月にクリーンヒットしてしまった。

「っ、ごめっ」
「宮城……っ! もう我慢できない、挿れさせて、挿れるよ、俺の汚いち○ぽをお前の中に…!」
「ちょ、いやっ、あっ、あ゛ッあああッ!」

サッカーで鍛えた千里の蹴りが、如月の理性を完全崩壊してしまった。如月は有無を言わせぬ強い力で千里の体を捕らえ、限界まで勃起して反り返った巨大な怒張を、物欲しげにひくついていたアナルに挿入した。

ズッ、ズッ…、ヌブ、ヌブ、ずぶっ、じゅぶぅっ

「っすごい、痛いくらいに締め付けて…っ最高だ。宮城っ、動いていいか? 変態ち○ぽでお前の中突いてもいい?」
「あ゛っひっ、ぁっあッ…待って、はぁっ、動くなっ…」

息も絶え絶えになりながら命じると、如月は焼け付くような興奮した目で千里を視姦しながらも、待てをする犬のように息を荒げながら動きを止める。

「はぁっ…おれが動く、から…っ、動かないで…っ、んっ、ぁうっ…」

もし如月に思うまま突かれたりしたら、自分のほうが如月よりおかしくされてしまいそうで、怖かったのだ。
対面座位のような体勢になり、千里はゆっくりと腰を動かす。

ずぶっ、ずぶっ…、ぐちゅ、ぬぶっ、ぐりぃっ……

「あぁんっ…んっ、あぁッ、ひっんっ、ぁっあっあッ」
「っいいよっ…宮城の中、はぁっ、ぐねぐね動いて、俺のち○ぽを扱いてる…っああ、動きたい、腰ガンガン振って突きまくりたいっ…」
「あぁッ駄目っ、俺が、してやってるんだからっ、はぁっ、じっとしてろ…っ」

如月は苦しげで、しかし命令すると中の肉棒がびくびくと脈打つのが分かった。
千里の狭い穴には大きすぎるものは、ゆっくりとした拙い動きでも強烈すぎるほど中の感じるところを押しつぶし、腰が溶けるような快感を与えてくる。

「あぁッ…もっ大きくするなっ…変態っ…だめっ、あぁんッ…」

気持ちよすぎて、腰の力が抜けてしまう。そうなると一番深いところまで繋がったままになって、わけがわからないほど感じる。何だか憎らしい気分になって、千里は目の前の肩口に噛み付いた。

「あーっすごい…っ、…もう駄目だ、動いていい? 宮城のトロマン突きたい、頼む、ガンガン突かせて…っ」

もうこれ以上ないと思っていたのに、アナルの中でまた怒張が脈打って大きくなる。ゴリィッと奥を刺激され、頭が真っ白になる。

「あぁあッ、いいよっ、突いて、はぁっ…変態ち○ぽで、激しくしていいからぁっ…アッああああッ!」

ずぶっずぶっじゅぷじゅぷっズコズコズコズコッ!

如月は頬を赤く染め、下から思い切り突き上げてきた。千里のぎこちない動きとは比べ物にならない激しさで敏感な粘膜をガンガン突きまくられ、気が狂いそうなほどの快感に支配される。

「あああっ…ひあっあ゛っあ゛んっひっあひっあんあんあんッ」
「あーいいっ気持ちいいっ…宮城もいい? 俺の変態ち○ぽ気持ちいいっ?」
「あッいいっ、アンッひっへんたいち○ぽ、すごいよぉっ…あんッあっあっあっあッ」
「っもういくっ、いっていい? 中ガンガン突きながらっ、汚いザーメンぶっかけてもいい…っ?」

ヂュブヂュブッぐちゅぐちゅっ、パンパンパンパンパンッ

いやらしいことを言われながら突かれるたび、体がぞくぞくして強烈な官能に包まれる。これではどちらが変態では分からないくらいだ。

「〜っ、いいよ、イッて、あッ出してっ、はぁっ、ザーメン、おれのなかにっあぁっあ゛ひっい゛っあああッ」

ズブッズブッズボズボッ! バチュンッバチュンッパンパンパンパンパンパンッ!

「あーイくっ! はぁっあッ宮城っ、みやぎっ…!」
「やっおれもっ…あぁっんっあぁんッ」

びゅっ、びゅるっ、ビュルッドビュルルルルッ!

暴力的に突かれ、千里は必死に如月の体にしがみついて首筋に顔を埋めた。そこに噛み付いた瞬間、中に熱いものがぶちまけられ、千里も同時に激しい絶頂感の中へ飛び込まされた。

「はぁっ、はぁっ…あぁ……」
「宮城……っ」

如月が、繋がったまま痛いほど強く抱きしめてくる。
途中から何かおかしくなった気がする……疑問を抱きながらも、千里の心身は不思議な充足感に満たされていた。

「宮城……次は俺のことを、縛ってくれないか……?」
「……」

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