寝た子を起こす その後 02


あり

千里は自分のことを至ってまともな人間だと思っていた。
特別優れていることがあるわけじゃないけれど劣っているわけでもなく、それなりに楽しく生きてきた。好きなタイプは目がぱっちりしてて胸が大きい女の子。ネタになるような性癖なんて何もない、つまらないくらい普通の男子高校生だったはずだ。
それなのに。

「はぁっ、宮城、踏んでくれ、俺を…っ」

一体何故、こんなことになっているのだろう。


◆◇

如月とアブノーマルな行為をした挙句、セックスまでしてしまったことは千里を苦しめた。気持ちよかったのでプレイに目覚めました、なんて単純に割り切れるほど千里は能天気ではなかった。だからしばらくは如月のことを避け続けた。話しかけられてもそっけなく対応して決して二人きりにはならない。すると如月は切なげな、それでいて熱の籠った視線を向けてくるのだ。ほんの少しの罪悪感とゾクゾクした感覚に見舞われ、千里はそんな自分に戸惑った。
鬱陶しい。あんな目で見られたら忘れたい記憶が嫌でも浮かんできてしまう。

(あんな奴、男に蹴られて喜ぶただの変態のくせに、俺のほうが振り回されてる気がするのは何なんだ)

――次は俺のことを縛ってくれないか。

如月の馬鹿げた言葉を思い出す。
そうだ――縛ってしまえばいいんだ。縛ればあいつの好きなようにはできないし、前回みたいに突っ込まれてガンガン突かれるようなことにもならない。俺が主導権を握って、縛られて何もできない如月に――。
想像すると体がぞくりと疼いた。



一人で廊下を歩いていると如月に捕まった。

「宮城、頼むから俺を蹴ってくれ。あんなに夢中にさせておいて放置するなんて、宮城は何て酷いんだ」
「……俺のこと嫌になった?」
「嫌に――なれればどれだけ楽だろう。お前に冷たくされると辛くて、ゾクゾクして、たまらなくなる」
「……」

切羽詰まった様子の如月が頬を染める。千里が思うより色々と重症のようだ。

「はぁっ、宮城…」
「うわっ、待てって!」

如月が突然脚に縋り付いてきた。ぞくぞくとした感覚に、千里は慌てて振り払う。

「し、してもいいけどお前の好きなようにはさせないから」

如月が期待に満ちた様子で、使われていない教室があると提案した。

教室に入ると、ドキドキしながら千里はまず如月のネクタイを引き抜くと、後ろ手に縛ってしまった。

「はぁ…これなら何もできないだろ。お前は俺のなすがままだ」

得意げに言い放って如月の様子を窺うと。

「宮城っ…」

荒い息を吐きながら興奮しきった獣のような表情を向けられる。縛られたこととこれからの期待からか、すでにペニスはギンギンに勃起してスラックスを押し上げていた。
千里もどんどん妙な気分になってきて、それを悟られないように努めて冷たく如月を見下ろす。

「触ってもないのに勃起させすぎ……踏まれるの期待してんの?」
「ああ、踏んでほしい、俺の勃起ち○ぽをお前の足で踏んで、扱いてくれ」
「っホント変態。お前に憧れてる奴らが見たらなんて言うだろうな」
「はぁっ、宮城、早く…っ

如月は興奮が増したようで低く掠れた声で懇願しながら、まとわりつくような視線を向けてくる。
心臓の鼓動が速くなる。こんな趣味は断じてないはずなのに、体が熱くてゾクゾクが止まらない。
千里はゆっくりと上履きを脱いで如月の方へ向けた。

「はぁっ、宮城の足…っ
「興奮しすぎ…足舐めだしそうな勢いだな」
「舐めてもいいのか…!? んっ宮城っ
「ちょっぁっんんっ

お預けを解除された犬みたいに、如月は猛然と足にむしゃぶりついてきた。

ちゅっぬちゅっぬちゅっ、れろっ…れろっ…

「んっ…くすぐった…ぅあっ

如月は息を乱しながら指をしゃぶりぬるぬると舐めてくる。くすぐったくて、それだけではない痺れに下半身がずくんとする。
如月は一心不乱に舐めているようで、性感を攻めるように執拗に舌を這わせてくる。指の間にねっとりと舌を差し入れて抜き差しされると、まるでそこが性器になったみたいにゾクゾクした。

「はぁっぁっ、ん、んっ…

ぬっ、ぬるっ、ぬちゅ、ぬちゅ、ちゅく、ちゅくっ

体が熱くなって、気付くと千里のペニスは硬くなって先端が濡れていた。男に足を舐められただけでなんて変態みたいで嫌、という気持ちすら興奮に変わる。腰の力が抜け、片足上げた体勢が辛くなってきた。

「はぁっもうやめ…っ、やめろってばっ」
「あぁっ…

制止の声を上げても足に吸い付いたままやめない如月をつい蹴り上げてしまった。案の定感じ入った声を出し、目元を赤く染めて明らかに興奮した様子で見つめてくる。

「はぁっ、宮城の蹴り…っ、もう我慢できない。お願いだ、踏んでくれ、宮城の足で俺の変態ち○ぽ…っ

実際如月の巨大ペニスはビキビキに勃起して反り返り、今にもイってしまいそうなほどだった。それを見ると体の奥が疼いておかしな気持ちが膨れ上がっていく。
千里はドキドキしながら足で勃起に触れた。

「っ…」

硬いペニスがドクッと脈打って足を押し戻してくる。如月の唾液とカウパーでぬるぬるになっていて、足を動かすたびにいやらしい音が響く。

「はぁっ、足コキでこんなにして、ホント変態」
「っいい、宮城、もっと強くっ…

欲情しきった顔で見つめながら懇願され、千里は動揺して強くペニスを踏んでしまった。

「ああッ…!くっ、すごい…」

痛いはずなのに、如月は眉を顰めながらも感じ入ったような声を出してペニスを大きくさせる。本当に筋金入りのマゾなのだ。その様子に少し引きつつ、何故かドキドキする。

「これがそんなにいいの…? チンコ痛いくらいに踏まれるのが」
「はぁッいいっ宮城っ、みやぎっ

ぐりっぐりっぐちゅっぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅっ

踏みつけながら扱くと巨大なペニスがビクビク震えて快感を伝えてくる。 理解できない変態だと思うのに、千里の体も勝手に昂っていった。 この大きくてごつごつ硬いのが中に挿入されたときの感覚が思い出され、アナルが勝手にきゅうきゅう収縮する。

「ッイく、もう我慢できない…っイってもいい? 宮城ッ」
「イきたい? 足コキで変態ち○ぽから精液出したいんだ?」
「あぁっ頼む、いかせてくれ、宮城の足コキで精液出したいっ……うぁっ

ぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっ!
びゅっびゅるっびゅるっビュルルルルッ!

押しつぶすように乱暴に扱くと、ペニスが大きく震えて精液が勢いよく飛び出した。絞り出すように更に踏むと二度三度と白濁が出てくる。 二人の荒い息が教室に響いた。

「最高だった…俺はもう宮城なしじゃいられない」
「な、何言って…」

灼熱のような瞳で見つめられどきりとする。 如月はマゾの変態なのに、結局主導権を握られていいようにやらされているような気がする。千里のペニスも完全に勃起して、体が疼いてたまらない。
千里は高鳴る自分の心臓の音を聞きながら、スラックスを脱いだ。

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