隣人トラブル 02
あり
勝手にうねる腰に中々狙いが定まらないまま、無理矢理にディルドを押し入れた。
ぬ゛ぶっ……ずっ…ずぬっ……ぬ゛ぶぶぶっ……
「っ……んぉっ、、ああぁっ……」
入っていく。狭い肉はぎゅうぎゅうと締まりながらディルドを締め付けて、拒絶しているのか歓迎しているのかわからない。
とにかく柔らかい粘膜を強く擦り上げる感触に、恐怖と興奮を覚える。ローションのおかげか痛みは思ったより全然ない。それより奥の方と、お尻とち〇ぽの間のあたりが、ものすごくじんじんする。
俺は息を乱しながら、手探りでディルドを動かした。この先に何かがある。行くべきではないと頭の片隅で囁く声もあったけど、それよりこの疼く場所に直接的な刺激が与えられてしまったらどうなるのか――という激しい興奮が手を動かしていた。
「ひぃっ……はっ、…はっ…ん゛っ……ん゛ああっ」
ずぬっ、ぬ゛ぶっ……ぬ゛ぶっ……ごりっ、ごりゅうっ
ディルドの出っ張ったカリの部分が、お腹側の場所を擦り上げたとき――頭が真っ白になった。それほど強烈な感覚だった。ち〇ぽを扱いて限界まで我慢してイくときみたいな、下手したらもっと強い快感が、一瞬で俺を襲ったんだ。
「うあぁっ…ん゛おっ、あっあっあ〜〜〜っ…」
言っても男のオナニーで隣に届くほどの喘ぎ声なんて出るか? と思ってたのに。どうしよう止まらない。ディルドに中から押し出されるみたいに、みっともなくひっくり返ったよがり声が勝手に出てくる。
聞こえちゃう、あの男にこんな声が。最初からそのつもりだったけど、こんな酷い、中で感じる恥ずかしい声を聞かれちゃう。
そう思えば思うほど穴全体が痙攣して、更に強い感覚をもたらす。
「ん゛ああっ、あっあんっあんっらめぇっ…なかっ、すごい、押されてぅっ…んっおっおぉっ」
ぬ゛ぶっ……ずぶっ、ぬ゛っ、ごりゅっ、ごりゅぅっ……
もうダメだ、隣の戸山にメス声聞かれちゃってる。いや聞かせたかったんだけど、いざとなると怖くなる。
この前みたいにAVだと勘違いしてくれるかな。今の俺の声、いつもと全然違うし。それにゲイってことはバレてないはずだ。俺がこんなことしてるとは普通結びつかないだろう。
ディルドじゃなくて、本物の勃起ち〇ぽハメられて、男とセックスしてるみたいな――。
「んぉっ、おっ、ふぁあっ、ち〇ぽっ…ち〇ぽ、俺のなかに入ってるっ…おれ男なのにっ、おま〇こみたいに太いのぎゅうぎゅう締め付けて…んあっああっ」
ぬ゛ぶっ、ずぶっずぶっ…ぬぷっぬぷっぬぷっぬぷっ
一度いけないことを思い浮かべてしまうと、ディルドを抜き差しする手が大胆になる。ローションのぬめりがみっち締め付ける肉壁とディルドに絡まり合い、えげつない音が出る。下手したらこのやらしい音まで聞こえているかもしれない。
戸山はさぞ気持ち悪がっているだろう。でも俺だって今まで散々、苦手な女の喘ぎ声に悩まされてきたんだ。
ちゃんと聞いて、俺のメス声。いや、聞かないで。もうわからない。気持ちよすぎて何がなんだか。
「ん゛ああっ…ちくびも、擦れてっ…あっあっあひぃッ」
Tシャツの下の乳首がやたらじんとする。白Tシャツだから勃起して生地に擦られてるのが透けて見えた。
一回意識したらもう到底無視できなくなって、俺は片手を伸ばした。
「あっあッ…乳首、っ…んっおっ、〜〜〜っ」
こすっ……こす、くにっ……
乳首は知らないうちに、かつてないくらい敏感になっていたらしい。触っただけで腰が跳ねてお尻が収縮し、快感が膨れ上がった。
「あああっ、なにこれ、しゅごっ…あっひっあぁんっあっあ゛ッ」
怖いくらい感じる。怖いのに一度触ってしまったら快感を求める手は止まらなくて、もちろんひっくり返った声も止まらない。
「あひぃっ、らめぇ、俺、っ乳首で感じてっ…びくびくしちゃう、んっ、ぉおっお゛っおっ…いぃっ、お尻と、乳首でっ、メスみたいに感じてぅっ、こんなのっ、あっあ゛っあぁんっ」
くにっ……くに、こす、こすこすっ……
ぬぶっ……ぬ゛ぶっ……ぐりっ、ぐりぃっ
乳首からの鋭い感覚に、ペニスの形をしたディルドに内壁がびっしり絡みついて、未知の感覚が湧き上がってくる。
何を変態みたいなこと言ってるんだろう。でも……本当に、ち〇ぽなんて一回も触ってないのに、いつの間にか勃起してすごく濡れてる。お尻と乳首だけで感じまくってる言い逃れできない証拠だ。
「メス」になってしまう。ディルドを、ち〇ぽをハメられて。俺は薄汚れた壁をぼうっと見つめた。ディルドは玉の半分までしかない、しょせん作り物だけど、この先には戸山がいる。改めてそれを思うと、まるで戸山にち〇ぽをねじ込まれて犯されているみたいな――。
「あ〜〜〜〜……ん゛あっ、あっあっあんっ、ち〇ぽっ…しゅごい、おっきぃち〇ぽで、おれっ、…メスになっちゃう、中でアクメキメて、メスの快感知っちゃうっ…はああぁ…っ」
信じられない妄想が、アクメへと近づける。俺は戸山にち〇ぽハメてほしいなんて、そんなこと思ってない。あんな女好きでデリカシーが無いやつ……。
それにしても戸山は確かに部屋にいるはずで、これだけみっともない声を出したら聞こえていないはずがないのに、向こうからは何の反応も窺えない。
黙って耐えるようなタイプではなく壁ドンくらいしそうなものだから、もしかしたらヘッドホンでもしているか、もう寝ているのだろうか。だとしたら当初の目的は何も達せられないのに、どこかほっとする。
声を聞かせて嫌がらせするつもりだった。でもここまで本気の声になるとは想定外だった。本気のメスアクメキメそうな声、誰にも聞かせられない……。
ぞくぞくっ……びくっ、びくっびくんっびくんっ……
「あ゛あぁっ、あっんぉっ、いきそっ、お尻でっ、おま〇こになっちゃった穴でアクメっ…ん゛ああぁっだめっ、聞かないでっ、あっ、あ゛〜〜〜っ…」
イきたい、感じすぎて燻ってる熱を一気に解き放ちたい。でも困ったことに俺の手はもう力が入らずプルプル震えて、ローションで滑るのも相まってうまくディルドを抜き差しできなくなってた。
手の震えの刺激だけでも、咥えこんでる肉から激しい快感が絶えず生み出されてるからたちが悪い。乳首もときどき擦るだけでお尻がきゅんっきゅんって締まるくらい感じる。
気持ちよすぎる。アクメにはギリギリ届かない拷問のような内側からの快感が続く。
ぬ゛っ……ぬ゛ぶっ……ごりゅっ、ごりっ、ごりっ、ごりゅうっ……
かりっ……こすっ……こすっ、くりっ……
「ん゛あああぁっ……い゛っ、い゛きたっ…おかしくなぅっ…ち〇ぽ、もっと激しく、お尻突いてぇっ…あ゛っ、んぉっ、あぁあっ、っ〜〜」
もう少し、もう少し激しく擦られたら。このままだと生殺しのまま頭がおかしくなってしまう。汗とローションに塗れて震える手が恨めしい。
この棒が本物の勃起した肉で、先に男がいて、一度でも腰を打ち付けてくれたら、即メスみたいな中イキができるのに……。
「あへぇっ…あッんあぁっ…だめ、あっ、あっ」
全身が痙攣する。その時だった。突然、インターホンが鳴らされた。
「……っ!?、はぁっ、んっ、ふぅ……っ」
息が止まるような驚きの後、慌てて口を片手で塞ぐ。その間にも無遠慮に二度三度とピンポンという音が響く。
「……三好さん、いないの? おい、出てこいよ」
「〜〜……っ」
しびれを切らしたような声で呼ばれ、さらなる驚きが俺を襲う。間違いない、戸山だ。
俺が部屋にいるのは分かっているから引く様子もなく、今度はドアを強く叩かれる。
――怒ってる。当然といえば当然だ。でも直接文句を言いに来るとは。少しでも俺と同じ嫌な気持ちを味わわせてやろうと思っただけ、なのに。
もちろん出られる訳がない。だって俺は、お尻にディルドを咥えこんで、勃起乳首を弄って、中イキする寸前だったんだ。こんな格好見られたら――。
「ん゛〜〜っ……ふぅ、ぅ……」
「無視? なんのつもりだよ」
落ち着け、鍵はちゃんとかけたから大丈夫だ。沈黙を守ればすぐいなくなる。
だから我慢……ああ、中の粘膜が、ディルドぎゅうぎゅう締め付けてる……っ。
戸山の声は元々高くも低くもないけど、怒ってると低くなって、強く乱暴な男を感じた。オス――それを感じるだけで、今の俺には甘い毒だ。
戸山に責められて、ピンチなのに、こんな状況でお尻ま〇こびくびくして感じちゃう……っ。
それでも俺は耐えるしかなく、少しして戸山が離れる気配がした。
「はあぁんっ……んっ、やっ、あ゛っもう、だめ、アクメっ……」
ディルドをハメたままのお尻と、乳首が狂おしく疼く。
ついにイける、もう我慢出来ない、と抜き差しを再開しようとしたのもつかの間、またインターホンが鳴った。
「……っ!」
「……出ないねえ。本当に中にいるのかしら」
「ずっと具合が悪そうな声がしてたので……心配なんです。開けてもらえませんか」
「そうね、倒れてたら心配だし」
戸山と、もう一人は大家のおばさんの声だった。
まさか、まさかそこまでして――。
改めて確認しよう。俺の姿は、白いTシャツ一枚で下半身はすっぽんぽん、肌色のち〇ぽの形をしたディルドを穴に咥え込み、ローションでどろどろに濡れ、乳首まではしたなく勃起させている。
どこからどう見ても隙のない変態だ。
俺がテンパってる間に戸山は鮮やかに大家さんを言いくるめたらしく、無情にも鍵が開けられた。
ドアも開けられてしまうという瞬間、俺は決死の覚悟でディルドを引き抜いた。ぬぶぅっとえげつない音が立ち、うごめく粘膜が擦られて。
「ん゛おぉっ……はぁぁ、ふーっ、ふぅーっ……」
漏れた喘ぎ声は聞こえなかったと信じたい。俺は汚れることも構わずディルドごと布団を被り、下半身を隠した。
「三好さーん、いるの? 大丈夫?」
「まずは俺が見てきます。同性ですし気兼ねしませんから」
「悪いわねえ」
幸いというべきか、玄関から俺の姿は見えない造りになっている。が、俺を守るものはもう何もない。
近づいてくる足音に俺はただ体を縮こませ、密かにお尻をびくつかせていた。
「…………っふ、ぅっ……」
「三好さん――……」
一体戸山がどんな顔をして俺を見たのか、確かめる勇気はとてもなかった。ギュッと閉じた目からはかろうじて涙は出なかったけど、泣けるものなら泣きわめきたい。
少しの間、不自然な沈黙が流れた。破ったのは俺でも戸山でもなく、第三者だった。
「どう、三好さんいた?」
「……ええ、いましたよ。大丈夫そうです。お騒がせしました」
「本当? 具合はどうなの? 三好さーん?」
「……っ」
「大丈夫だって言えよ。それとも大家さんにも上がってもらう?」
「あっ……ぅ……」
大家さんには至って愛想よく対応しながら、俺には低く押し殺したような声で急かしてくる。
俺はひどく混乱しながら上ずった声で何とか玄関に向かって返事をした。
「はぁっ……だい、じょうぶです」
「あら、いたのね。やっぱり声がおかしいけど熱でもあるの?」
「あとは俺が見ますから、ご面倒おかけしました」
戸山が早口気味に遮った。一度玄関まで戻り、大家さんともう一言二言交わすとドアが閉まり、一人が遠ざかっていく気配がした。
そしてもう一人がまた俺の領域に侵入してくる。俺はただびくびくと震えた。
「相手はどこだよ」
「……え?」
「相手の男はどこだって聞いてんの」
一瞬意図を掴めず、俺は苛ついた様子の戸山を真正面から見てしまった。
どうやらオナニーではなく男とセックスしていたと勘違いしているらしい。
どっちがましだろう。男とセックスすることと、一人でディルドを突っ込んで、あたかもセックスしているような声を上げていたことと。
「…………相手は、もう逃げた。ベランダから」
「ベランダ? ここ二階だけど」
「う、運動神経いいから。というかもう出てってくれませんか。何なんですか、大家さんまで騙して」
俺はなけなしのプライドのため、真っ赤な嘘をつく選択をした。が、戸山は引く気配が微塵もなく焦る。
「はあ? 何って何? あんな声聞かせといて」
「それは……っ、そっちだって何度も」
「それとこれとは訳が違う。女だって三好さんほどヤバい声出してないよ。なあ」
「何を……やめっ…………!」
いきなり掛け布団を掴まれた。慌てて握ったけど戸山の力のほうが勝った。見事に引っ剥がされてしまう。
足を閉じて手で隠したところでたかが知れていた。太ももまで伝うほど下半身がローションで濡れているのも、まだ勃起したままの乳首がTシャツに張り付いているのも、見られてしまった。
じろじろと無遠慮に凝視され、この世の終わりのような気分になりながら、手の奥にあるお尻がきゅううっと疼く。
「……何これ? すごい姿。こんな格好して、女みたいな喘ぎ声聞かせて、俺が来るの待ってたの?」
「ちがっ……あっ、やめっ、〜〜っ」
早口で責められ、俺の否定なんて完全無視で戸山は俺に覆いかぶさってきた。
大きな手を、濡れた太ももから局部に這わせる。
「こんな濡らして……ここ? ここにハメてたの? ――ああ、もう指ずっぽり咥え込めるじゃん」
「あっあっだめっ……ん゛おっあッあぁああんっ!」
ぬちゅ……ぬ゛ぶっ、ずぷぷっ
即指をハメられた。急展開すぎる。腰がびくびく震え、今は出したくない喘ぎ声が擦られた部分からせり上がって部屋に響いた。
自分で指マンするのとは全然違う。他人の熱を持った長い指が予測不能に粘膜をずりずり擦り、中は悦んですぐにぎゅうぎゅう締め付ける。
嘘、気持ちいい。ディルドじゃ中々イケなかったのに、このままじゃこんな女好きの指マンで、すぐアクメ……、蔑まれながらお尻でメスイキしちゃう……!
抵抗したい気持ちとおかしな昂ぶりで力が入って余計指を締め付けて、どんどん上り詰めていく。もうすぐというところで指がずぽっと抜かれた。
「んああああぁんっ……ひっ……あっ、はーっ……ああぁっ…」
指が入ってたのはほんの少しの間だった。指マンというより中の具合を確かめられたという程度だ。イかせてくれるなんて期待してしまったのが恥ずかしい。
ぼうっとして腰をびくつかせていると、その腰を押さえつけられ。
「………――こんなにトロトロならもうハメられるよな、ほしいんだろ、なあ」
「えっ……あ゛っ、ああぁ……うそ、ち〇ぽっ……ふぅっ……ふーっ……」
ぬ゛……っ、ぬ゛るっ、ぬ゛ぷ、ぬぷっ……
それを見た瞬間、押さえつけられているはずの腰がもっとびくびく跳ねてうねり、お尻の奥が痙攣した。
太くて長くて、手を添えなくてもギンギンと反り返っているグロテスクなち〇ぽ。カリは大げさなほど張り出し、裏筋には立派な血管が走っている。
そんな、ディルドよりもよっぽど凶悪な性器が、俺の下半身に擦り付けられ、濡れた音をたてる。
「あっ…はあぁ……ち〇ぽっ…しゅごい、おっきぃ、そんなの……っ」
「ハメるぞ、今更嫌がったって……」
「ふぅっ……ハメっ…ハメて、ち〇ぽ、奥までずぶずぶしてぇっ…、気持ちいところ擦って、中イキさせてっ…もう、我慢できない、アクメしたくてじんじんしすぎて、ち〇ぽほしくなっちゃてるから、あ゛っ、あ゛ああぁあっ…!」
「――……この……っ、はぁっ…」
ぬ゛ぶぅっ…ずっ、ずぬ、ぬ゛ぶぶぶっ……!
俺は肉欲に舌を出し、本能のままにねだった。なんで戸山が勃起してるのかなんてこの際どうでもいい。ただただ勃起した太い塊に歓喜する。
そんな反応は予想外だったようで戸山は目を瞠りながらも迷うことは一瞬もなく、いきり立ったち〇ぽがねじこまれていく。
熱い肉の棒。ディルドとは大きさも感触も違う。濡れた性器同士が絡み合いながら、容赦なく奥まで進み――。
「あ゛ひぃっ、おっ、お゛っぅ…っ、ち〇ぽが、おれの中っ…あっんぅっん゛っああっあ゛〜っ」
「あぁ……くそ、絡みついて……っさっきまでヤってたくせに狭すぎ」
「はあぁっ…やっ、またずっぽり、はいってぅっ…ん゛っあっあ゛っ」
戸山の声もどこか上ずっていく。でも俺はそれを意識する余裕もなく、穴が限界まで勃起ち〇ぽで拡げられる感触に悶えていた。
強い圧迫感と少しの痛みが、かろうじて理性を残させていた。なかったらハメられただけで即アクメしていただろう。
それくらいち〇ぽがハメられる快感と興奮は凄まじかった。
「……動くぞ」
「あ゛ああっ…ちょっと、あっ、待っ……っんぉおおおっ」
ぬ゛ぶっ……ずりゅっ……ぬ゛ぶうっ……!
意識して押し殺したみたいな低い声で宣言され、戸山はゆっくり腰を引き、そしてすぐにまた突き入れてきた。こちらの状況も知らないで。
そんなふうに、硬くてエラが張ったカリで中を擦りながら抜かれて、またゴリゴリ挿入されたら――。
嘘だ、こんなの、止めようがない。
prev text next