墜ちる騎士3話 01
あり
「これはこれは……いい子にしてはいられなかったようですね」
「ああっ……
ん゛っ、ふうぅっ…
」
「もう少し耐えるかと思いましたが、存外順調にメスになっているらしい。はしたない姿だ」
「ふざけっ…はぁっ、んっ、ん゛っ……
」
頭がぼうっとする。それでも柱に擦りつけながら性具を中に押し付けるために腰を振りたくるという行為をアレクシスの前でしたくないという感情は残っていて、淫らにくねってしまいそうな体を必死に押さえつける。
だが、そんな付け焼き刃がアレクシスに通用するはずもない。
「……ずっと、柱に擦りつけていたのですか。おま〇この中を感じさせる道具をハメられて、我慢できなくなって」
「ちがっ……あ゛っ、
うああっ……
」
「ならばどうして柱までいやらしい汁で濡れているんですか。ほら、色が変わってしまっている。相当擦りつけなければこうはならないでしょう」
「〜〜〜っ……
」
アレクシスが柱をなぞり、濡れた指を見せつけてくる。言い訳のしようもない。
「おしおきだから自慰できないようにしていたのに、誰もいないからといって擦りつけて快感を貪るとは。柱などに妬いてしまいそうだ」
「ん゛っ…
くそ……あ゛ぅっ
ん゛っああっ
」
きゅんっきゅんっ……
ぎゅうっ……ぐりゅううぅ……
言葉で責められ、穴が痙攣して性具にしゃぶりつく。
早く、早く……。
「抜いてとは懇願しないのですね」
「〜っ……
あ゛っ
ぬっ抜け……んっふうっ」
「慌てて言っても遅いですよ。挿入する前は嫌悪をあらわにしていたのに……もう性具の虜になってしまったのですか。股ぐらを濡らして、娼婦よりも淫らな顔をしている……」
「ちがっ……んっあっあああんっ…
」
我慢できない。腰が物欲しげに揺れてしまう。
なんとかしてほしい。女のようにイくなんてもちろん嫌だ。でも、性具に押し潰された部分の快感は処理しきれないほど強く、メスのオーガズムに達したいと訴えている。
「イきたいのにイけないのでしょう。それはそういう風に設計してある」
「ん゛ああっ……
」
「イきたければどうすればいいのか、教えてあげましょうか」
少し掠れた囁きが耳に触れ、それまでは露出の少ない禁欲的な服をきっちり着込んでいたアレクシスが、初めて服を緩めた。
「ああぁっ……
んっ、あっ……
あぁ……
」
目の前の男根に、リヒトの目は釘付けになった。
それは反り返るほど勃起しており、太さも長さもリヒトのものを軽く上回っている。色に至っては肌の色よりも差が際立っていて、驚くほど赤黒い。血管が浮き出て脈打つ姿は凶悪だ。
目が離せない。どういうわけか穴の奥が激しく疼き、狂おしい感覚が深まる。
「淫らなメスの目で見つめて……これがほしいですか」
「そ、んなっ……あ゛っ、おっ……
」
「これをハメたら、奥までガツガツと突いてあげられますよ。ただの性具では届かない奥まで、硬い肉の棒で犯して蹂躙して差しあげる」
「ひっ……ん゛っ
」
口の中に溜まった唾液が溢れそうになって、ごくりと飲み込む。
巨大な勃起を奥まで挿入されることを想像して、恐怖と屈辱、本来感じてはいけない凄まじい期待が体を駆け巡る。
(〜〜っだめだ、こんな、こんな大きくて卑猥な形をした性器を挿入されるなんてありえない。許されるはずがない……。入るはずがないし、もし強引にでも入って、奥まで力強く擦られでもしたら……、本当にメスになってしまう
男根に屈服させられてしまうっ……
)
どんなことをされてもけっして屈しない――という確固たる自信はもう持てなくなっていた。信じがたいことに、自分に向けられた逞しい屹立を見ているだけで穴の中は我慢できないほど感じて、淫らな願望が押し止めようとしても怒涛のように湧いてくる。
絶対に許してはいけない。言い聞かせようとしても快感が強すぎる。
「ひああっ……
あっ
ぅんっ…ンッ…
」
「頑固な人だ。本当はほしくてたまらないくせに。奥まで男根を咥え込んで、メスの快感を植え付けてほしいのでしょう」
「ちがう……はーっ、はーっ……
んあぁっ……
」
ビキビキと血管が脈打つ勃起に釘付けになる。何という圧倒的な雄の姿だろう……。ずっと達する寸前の感度で燻っている中に挿入されたら一体どれほどの衝撃を受けるのか。
穴を性具で責められ、巨大な男根を目の前にして、顔の筋肉がだらしなく弛緩し、舌が出てしまう。
中を思い切りハメてほしい。一度そうされたら、もう悩み苦しむこともなくなる。解放される……。
「物欲しげに見ていないで、どうしてほしいのか言ってください」
「ふぅ……っ、ん゛っ、ん……
」
アレクシスは男根を硬くさせながらも、あくまで冷静にリヒトを追い詰める。
いっそ言葉もなく無理やり強姦されるのなら、自分に言い訳できるのに。部下の命を守るためだから、抵抗できない状況だから仕方がなかったのだと。
だがアレクシスの目的はリヒトを犯すことではない。リヒトをメスにして、躰だけでなく心までどこまでも墜とし、騎士としての挟持を完膚なきまでに砕くことなのだ。
分かっているのだから、言わなければいいだけの話だ。言ってはいけない。男根を尻に挿入して、中の敏感に疼く部分をガンガン突いて、メスにしてほしいだなんて、そんなこと。
「あまり強情なようだと、また一日このまま放置することになりますが」
「あ゛ああっ…
いやっ、いやだ、ん゛っ
はあぁっ……
」
「そうしたら、さすがのあなたも気が触れてしまうかもしれませんね。おま〇こに性具を咥えこんだまま狂うあなたもまた美しいでしょうが」
「〜〜〜っ……
」
びくびくっびくっ……
ぎゅうっ、ぎゅううっ……
吐息混じりに囁かれ、淫らすぎる想像に体がびくつく。自らの尻の筋肉によって性具がきつく締め付けられ、リヒトは泣きそうになりながら腰をびくつかせた。
「あ゛ああっ……
イッ…なんかっ、きちゃうぅっ…
ん゛ぉっ
らめっ、なのにっ…めしゅいきっ…
あひっ
ん゛っあああっ……
」
ごりごりと性感帯が刺激される。ずっと蠢いていたものが、ついに弾けてしまう気配を感じて、リヒトは怯えながら恍惚とした。
ずっと達せそうで達せなかったのに。きっかけがアレクシスの卑猥な言葉や目の前に突きつけられた凶暴な男根のせいだとは、断じて思いたくなかった。
(あー……うそ、何か、何かが来て……
気持ちいところがごりごりされて、もうっ……
おかしくなる
)
「――ああ、いけませんね」
「ん゛っあああっ
」
想像もできない場所に行けるのだと確信した瞬間、しかし快感を生み出す性具は突然抜かれてしまった。
アレクシスが、抜いた性具をゴミのように放り投げる。リヒトはそれを恨めしげに睨みながら、筆舌に尽くしがたい疼きに苦しめられる。
リヒトをメスにすることがアレクシスの目的のはず。果たされようとしていたのに、何故邪魔をしたのか。
「ん゛ひぃっ……
あ゛っ
なんでっ……あっ
あ〜〜っ……
」
「まさか性具だけで達してしまいそうになるとは。挿入しただけですよ? 精神と違って躰は本当に素直で堪え性がない」
「ひぅ……
はっ、はっ……」
「言ったでしょう。あなたは俺のメスだ。危うく性具ごときに初めてのメスイキを奪われるところだった」
「な、あっ……そんな……っ」
「――ほら、これをどうしてほしいんですか」
心なしか先程より更に膨れ上がった男根に、喪失感に喘ぐ尻の中が切なくてたまらなくなる。
駄目だ、駄目だ、駄目だ。駄目なのに……。
「ん゛ぁあっ……
は、ぁっ……い、いれて……っ
」
「……これを、どこに……?」
「ひっ、うぅっ……
お、俺の……おま〇こにっ……
男根を、奥までハメて
擦ってぇ……っ
」
「……本当にいいんですか。そうしたら、あなたは俺のメスになる。取り返しはつきませんが」
ぬ゛っ……ぬぶっ……ぬ゛るっ……ぬ゛ぢゅっ……
太ももを熱いものが擦った。股の間に凶器が差し込まれ、濡れて蕩けた入り口に硬い亀頭が当たる。
存在を認識すると、穴のひくつきが激しくなる。まるで奥に誘い込もうとするようにひくひくと先端にキスをする。
「あああっ……
めしゅっ…メスになるのはっ…駄目、あっ、だめぇ
俺は、騎士なのに……っはぁあん…
」
「俺のメスにはなりたくない……? こんなに挿入されたがっているのに? そんなことを言うなら、これを突き入れてあげられませんよ」
「やああっ……
だめ、もうっ……あ゛ひっ
んっ、離しちゃだめぇっ…あ゛っ
ああぁっ……
」
メスになってはいけない。でも逞しい勃起で奥まで擦ってほしい。相反する気持ちで頭はとうにぐちゃぐちゃだ。
腰を引こうとするアレクシスを、リヒトは必死に引き止めてしまった。腰が揺らめいて、ひくつく穴が硬い切っ先に押し付けられる。これでは挿入されたがっている淫乱と変わらない。
アレクシスは服従の言葉を求めている。言わなければ……体がおかしくなる……。
リヒトはごくりと唾を飲んで、禁断の言葉紡ぐ口を開きかけた。だがその前に。
ずぶっ……ぬ゛っ……ぬぶ……っぬぶぶぶぶっ……
「――くっ……はぁっ……」
「ん゛ッぉおおっ……
あッ
あ゛〜〜っ……
」
巨大なものが、肉壷を侵略してごりごりとねじ込まれていた。
その衝撃は、淫らな想像の更に上をいっていた。
「ん゛っあああああ〜っ…
ん゛っ
あっ
あひぃっ
」
「……はぁっ……きつく抱きつくように締め付けてきて……なんて名器だ……」
「ん゛ひっ…
はいって、うそ、んっ大きいのが…なかっはいっちゃ…
お゛っ
ん゛っ
あああっ
」
ずぶっ……ぬ゛っ……
ぬ゛ぶぶっ……ごりゅっ……ごりゅっ……
「あひぃっ…
おれっ、言ってないっ…めしゅにっなっちゃらめなのにぃっ…
んっあっ
アッ
」
「――ええそうですね。だがこれからいくらでも言わせればいい」
「んっおおおぉっ
」
アレクシスが顔を近づけ、リヒトのはしたない顔を覗き込んでくる。ずっと性具に責められ続け余裕がなかったリヒトは、その時初めて、アレクシスの目が発情期の獣のようにギラついていることに気づいた。
「俺だって男だ。あなたの淫らな姿にすぐにでもねじ込んで突きたいのを我慢していたのですよ。メスになるのが嫌だと言いながら、腰を男根に押し付けられたりしたら――」
「ん゛っ
ひっ
あっ
ああああああっ
」
ずぶっ……ぬ゛ぶっ……ずぶっ……
ずぶっぬぶっ
アレクシスが力強く腰を揺すり始めた。狭く締め付ける中が擦られ――破られなかった最後の堰は、あっけなく崩壊させられた。
「あひっ
あ゛っ
おっ
いっ
いくっ
きちゃうっ
ん゛っ
あっ
おま〇こでっ…
なんかっきちゃうっ……
おっ
おぉんっ
あ゛あああっ
」
「いいですよ、メスイキするって言って……?」
「あ゛ああっ
らめぇっめしゅいきっ…
ん゛ぉっ
おっ
あっ
あひっ
い゛ッ…
らめっらめっ
いっちゃう
男根でっめすにっされちゃううっ…
メスイキしちゃうっ
あッ
あッ
おぉッ
ああああぁんっ
」
ごりゅっ……
ごりゅっ……
ごりゅぅっ……!
びくっびくっ……びくんっびくんっ……!
ぎゅうっ、ぎゅううううううっ……
「あ゛〜〜〜っ…
ん゛ぉっ
あっい゛っ…
ひっ、イってぅっ…
あああああ
」
「はぁっ……もうおま〇こでアクメできたのですね、俺の醜く興奮した男根に、おま〇こを犯されて……」
「ひああっ…
ん゛っ
ひっイッ
」
「こんなに締め付けて、こちらのほうが引きずり込まれそうだ」
ずぶっ……ぬ゛ぶっぬ゛ぶっ……
ぱんッぱんッぱんッ
リヒトは、アレクシスの太く長い男根で内壁を犯され、否応なしに絶頂に達した。リヒトの男根は勃起して濡れ、びくびく揺れているが、精液は出ていない。
中の凝った性感帯を硬い男根で押し潰されて、中だけで達したのだ。それは想像を絶した快感であり、リヒトから思考を奪う。
イキ続け痙攣する中を、アレクシスは逞しく抉る。強引にねじ込み、互いの肌がぶつかる音が鳴るほど叩きつけられる。
「ん゛あぁっ
らめっ
いまっ
イってぅっ…
あ゛ひっ
めしゅいきしてぅのぉっ!
あ゛っ
んぉっ
おっぉおっ
」
「分かっていますよ、痙攣して……っ男根を離すまいと絡みついてくる。クリ○リスにも触れていないというのに……」
「あひぃっ…
んぁっあっ
ごりごりっ当たって…
ん゛ぁっ
あっ
イっ
だめぇっ…
いくのっ止まらないっ…
あっあ゛んっ
あんっ
あんっ
あぁんっ
」
「それがメスイキするということです。俺のメスになった感想はどうですか、ほらっ」
ズンッズンッズンッズンッズンッ! ごりゅっ、ごりゅっ、どちゅっどちゅっ
「あああぁッ…
ひっうぁっ
あ゛っ
らめぇっ
めすっだめぇっ…
お゛っ
あっ
あ゛ひっ
イっ
」
いやらしいことを言われ、嫌悪を覚えるべきところなのに、リヒトの体は蕩けそうなほど恍惚として、男根に媚びて絡みつく。
「躰は立派なメスになったというのに、心ではまだ抗うのですか。完堕ちしたほうがずっと楽になれるというのに」
「あ゛あああっ……
んっあっ、あぁんっ……
」
「だがそれでこそ墜としがいがある」
アレクシスがリヒトの唇をなぞる。舌が出しっぱなしになっているが引っ込める余裕もなく、長い指をしゃぶる。
アレクシスの表情は、任務としてやっているだけとは思えないほど色っぽく発情した雄を感じさせる。一瞬だけは恋人のように甘い空気が流れた。
リヒトは彼の心を少しでも探ろうとしたが、不意に乳首をいじられ、すぐに思考は散って消えた。
こすっ……
くにっ……くに、くりくりっ……
「あッあああぁんっ
ふぅっ、あっ
あひっ
あへぇっ
んっあ゛ッ
」
「突きながら乳首を刺激されるのはどうですか? ああ、また一層痙攣して……」
「ん゛ひぃっ
らめっらめっ
イっ
またイってぅっ…
おぉっ
乳首っ
ひぁぁッ
あぁっ
ああああッ
」
絶頂の波が一気に膨れ上がる。中途半端に柱に擦りつけてずっとジリジリしていた乳首が指で転がされ、同時に中をごりごりと擦られる。
敏感な性感帯を同時に責められ、身も世もなくなる。快感だけが感覚の全てになってしまう。
「お゛ぉっ……
んひぃっ
らめぇっ…
い゛ぐっ
おぉっ
とまんなっ…
あ゛っ
メスイキいやだぁっ…
もぅっ許してっあッ
あ〜〜っ…
」
「メスイキ気持ちいい? 女物の下着を身に着けて、男なら許してはいけない穴を男根で突かれて絶頂が止まらないとは、やはり騎士よりもよほど娼婦のほうが向いている」
「ん゛ああっ
やぁっ
だめっ
ちがぅっのにっ…
ひあっ
ちくびっしながらそこっ
やだ
あっ
あんっ
あんっ
あんッ
あんッ
あんッ
」
クリっクリッ……くりっくりっくりっくりっ……
ぐりっぐりゅっ
パンパンパンパンパンパンッ、どちゅっどちゅっ、ごりゅっごりゅっ、ごりゅっ
蔑む言葉に煽られる。我慢しようとする無駄な抵抗が快感を膨れ上がらせている。
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