もしも篤己がセクキャバで働いたら


あり


〜前回までのあらすじ〜
高校時代の同級生に貢がされ金欠になってしまった悲しきゲイ篤己。ある日キャバクラの男性店員募集の求人を見つける。夜の仕事に抵抗はあったものの時給のよさに惹かれ、送迎や雑用なら得意だと意気込んで応募してみることにした。しかしいざ店に行くと、そこは男が男に接客するセクキャバだったのである。
〜あらすじ終わり〜



「じゃ、今日から頑張ってね」
「いや、あの……」

篤己は青ざめ、途方に暮れていた。
何故こんな状況になったのか。それは自分が馬鹿でそそっかしいからである。そのせいで後悔することになった経験は今までの人生で何度もあった。あったが、こんな突飛な展開はさすがに生まれて初めてである。
性体験はおろかキスすらしたことがないのに風俗で働くことになろうとは。大体自分の見た目は一般的な男前とは程遠く男に人気が出るはずもないのに、初心なのがいい客も多いなどと適当なことを言って雇う店長も店長ではないか。
と八つ当たりのように思っていたのがいけなかったのか、その店長が待機している篤己に死の宣告をした。

「お客さん来たからついてね」

嫌な汗がだらだらと出てくる。

「どうも付き合いで連れてこられたみたいで、乗り気じゃなさそうなお客さんなんだよね。だから何もせずに済むかもよ。まあ機嫌は損ねないように、頑張って」

やはり適当な店長だ。大丈夫なんだろうかこの店は。と心配する前に大丈夫じゃないのは篤己のほうだ。ここまできたら逃げ出すこともできそうにない。恐る恐る言われた席の方へ行く。

「い、いらっしゃいませ」

相手の顔を見て驚いた。かなりのイケメンで、それに何か既視感を覚える。会ったことがあるような――。
相手も篤己の顔を見ると微かに目を見開き驚いたような顔をする。やはりどこかで会ったことがあるのだろうか。しかしこんなイケメン、一度見たら忘れなさそうなものだが。

「ええと……篤己です」
「……海斗」
「海斗…さん。よろしくお願いします」
「敬語いらない。年変わらないだろ」
「はぁ……分かった」

海斗は名前は教えてくれたものの仏頂面で不機嫌そうだ。無理もない、さぞモてて全く不自由していないだろうに、こんな店に連れてこられて篤己のようなさえない男が相手では気も滅入るというものだろう。
篤己は不慣れながら、とりあえず酒を飲ませて時間をやり過ごすしかないだろうと考えた。

「無理やり連れてこられたんだよな? 変なことなんてしたくないだろうから、お酒でも……」
「変なことって何」

思いがけず海斗が話を遮ってこちらを睨んでくる。

「そ、それは」
「お前この店で何されてるの」
「何って……俺は一番軽いやつで、その、上半身を触られるくらいで」

しどろもどろに答える。何がNGかは個人によって違っていて、篤己は初心者ということもあり上半身へのタッチ、いちゃいちゃのみでいいと店長から言われていた。さすがにセクキャバでファーストキスやそれ以上の何かを失うのは悲しすぎる。

「上半身? ――じゃあ、ここ触っていいわけ」
「あぁっ」

海斗の指が伸びてきて乳首の上を掠めた瞬間、ぞくっとする感覚に裏返った声が出てしまった。慌てて手で口を覆う。
今のは一体何なのだろう。

「少し掠っただけなのに、何今の声」
「い、いや、ちょっと待って…あっんんっ…」

海斗はこちらをじろりと睨みながら、篤己の体をソファに押し付け逃げられなくしたところで再び乳首に触れてきた。
訳が分からない。乗り気ではなかったはずなのに何故こんないやらしいことをしてくるのだろう。

す…こすっ、こすっ、くり、くり…

「あっ、ん、ぁんっ、はぁっ」

布の上から指で軽く擦られただけなのに、されるたびに疼くような快感が襲ってきて下半身に熱が溜まる。
未知の快感が怖くて、痴態を晒しているのが恥ずかしくてたまらない。

「……敏感すぎ。さすがにこんな店で働いてるだけあるね。それとも演技?」
「ちがっ…俺、こんなの知らない…っあっあッ」

こすっこすっ、くり、くりくりくりくり

愛撫がだんだんと容赦なくなっていく。乳首はすっかり勃起して張りつめていて、シャツの上からでも簡単に摘ままれてしまう。布越しに指が擦れる感覚に堪らない気持ちになる。

「何が知らないだよ…男のくせにやらしい声出して」
「やっそれ、だめっ…あぁっんっあッんんっ」

ぐりっぐりっ、ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅむぎゅむっ

摘まんだままぎゅっぎゅっと力を入れられ、腰が跳ねてソファが音を立てた。半個室になっているとはいえ大きい音は外に漏れてしまう。だから必死に声を、欲情を抑えようとしているのに、乳首を弄られると甘い痺れに理性が蕩けてしまう。

「乳首そんなにいいのか」
「やっあっん…ぁっんん…」

羞恥で答えられないでいると、咎めるように乳首を激しく弾かれる。
恥ずかしい。店長は「気持ちいいって言っとけば男は喜ぶから」なんて言っていた。演技なんて自分にできるのかと思ったけど、今は演技どころじゃなくて――。

「あぁっ…気持ちい、乳首きもちいいっ…あッあぁん…」
「……っ」

演技でもなんでもない本心を口に出すと、何かから解放されたみたいに余計感じる。
気持ちいい。初めて会った男にいかがわしい店で乳首弄られて、怖いくらいに感じてる。

「この、淫乱…っ」
「ぁっ、はぁっ…」

海斗は乱暴にシャツを脱がせてきた。生白い肌と色素の薄い乳首が露わになる。男らしくなくてコンプレックスのある体を見られるのは辛くてつい目を逸らした。しかし凝視してくる海斗は興ざめした様子はなく、指の腹で直接乳首に触れてきた。

「あぁんっ…あっ、あっ」
「処女みたいな色して……この乳首を散々男に揉ませてやってたのか」
「ひぁっん…してない、俺の客、海斗がはじめてだし、今までこんなのされたことないっ…あっはぁっ…」

ぎゅっ、ぎゅっ、くりゅ、くりゅ、ぐりぐりっ

どこか怒ったように言われ、慌てて否定する。揉まれたことなんてなかった。なのにこんなに感じてしまうのが自分でも信じられないくらいなのだ。

「それが常套句? 確かにこんな乳首とお前の反応見たら男は喜んで騙されるかもな。でも」
「ちがっ…ぁっひああっ」

ぬる…れろ、れろっ、ちゅっぢゅうううっ

海斗が乳首に唇を寄せ、舐めて吸い付いてきた。熱い粘膜に愛撫され、電流のような快感が走る。

「あひっあッ、やっらめッ、あんっ」
「んっ…俺は騙されないからな…」
「あっあんっあんっいいっ…あッひぁっんんっ」

れろ、れろ、ちゅく、ちゅく、ちゅくちゅくちゅくちゅくっ
くりっくりっぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっ

片方は指で押しつぶされながら、片方は口に含んだまま舌で何度も弾かれる。気持ち良すぎて頭がぼーっとする。触れられてもいないペニスから汁がどんどん出てきて漏らしたみたいに下半身が濡れていく。

「あぁっん、だめ、ぁっはぁっあっあーっ…」

強い快感にじっとしていられなくて身を捩るが、海斗はお構いなしに体を押さえつけながら乳首を激しく舐め続ける。

れろっれろっれろっちゅっちゅっぢゅうっぢゅっぢゅううっ

「気持ちいい…? んっ…」
「あぁッきもちい、乳首れろれろされるのすごい…っあッああッもっらめぇっ」
「はあっ、こんなによがっておいて何が駄目だよ」
「だって…よすぎて、おかしくなっちゃうからぁっ…あぁッんっ」

本当にどうにかなってしまいそうだった。イク直前の体の奥から湧き上がるような快感が止まらなくて辛い。ペニスが限界まで張りつめて下着の中でぐちゃぐちゃになってる。
息も絶え絶えに訴える篤己に、海斗は息を荒くして一層激しく乳首を吸う。

ちゅくっちゅくっれろれろれろれろれろっ

「あぁッあッアッあぅっ! らめっあぁっ激しっ…ひああっ」
「腰揺らしすぎ…イきたいんだ?」
「あぁんっ……」

不意に海斗の片手が胸から腹を撫でながら下りていき、痙攣している下半身へと伸びた。

「はぁっ、そこは…っ」

この店ではお触りしていいのは上半身だけという決まりのはずだ。なのに下半身を触られそうになって篤己は混乱する。

「そっちは、駄目だって…」
「駄目? こんなに勃たせて感じてるくせに、俺に触られるのが嫌なのか」

熱の籠った目で睨まれながら言われて、背筋に甘い痺れが走る。その視線を外さないまま乳首をくりくり指で捻られて、羞恥と気持ちよさで頭がぼうっとする。

「ひぁっ、ぁんっあぁーっ…」

体中が異様な熱と興奮に支配されている。とにかくこの熱を何とかしたくて、もう我慢できなかった。

「はぁっ…もっイきたい…さ、触って、あぁっ…」
「駄目って言ってたくせに、我慢できなくなったのか。やらしい顔して…」
「だって…っ、乳首気持ち良すぎておかしくなっちゃうから、チ○ポ弄ってほしい…あッあぁっ!」

海斗が乳首を舐めながら、勃起したペニスにボトムの上から触れてきた。待ち望んでいた刺激に腰がびくびくと揺れ、少し擦られただけであっという間に激しい絶頂の波が押し寄せてくる。

ちゅくっちゅくっくりくりくりくりっ、ぢゅっぢゅうっぢゅううっ
しゅっしゅっぐりっぐりっぐりっぐりっぐしゅっぐしゅっ

「ひあぁっあッあッすごいっ…いくっいくっ出ちゃうっあんんっ…」
「んんっ…」

びくっびくっびくんびくんっ びゅくっ、びゅくっ、びゅく…

歯を立てて強く乳首を吸われた瞬間、海斗の手にペニスを押し付けるみたいに腰が激しく動いて、絶頂に上りつめた。下着の中に溜まりに溜まっていた白濁が吐き出された。その間も乳首を吸われ指でくりくりされているものだから、中々射精と痙攣が治まらず狂おしいほど感じ続ける。

「はぁあ…あ、ん、はぁ…」

全身が熱くてじっとりと汗をかいていて、快感の余韻がずっと続いている。自分の中の許容範囲を越えた状況に、篤己は呆然とするしかない。

「……淫乱」

海斗は熱も冷めないまま、どころか怖いくらいに一層ギラギラした目でこちらを見つめてきて、背筋がゾクリとする。
ふと下半身に目を移すとそこは勃起していて、巨大なテントを張っている。
女に全く困っていなさそうな男が、篤己の乳首を舐めて興奮したのか。信じられないけどボトムをきつそうに押し上げている勃起がそれを物語っていて、恥ずかしさと妙な疼きを覚える。
篤己はごくりと唾を飲むと、そこへ手を伸ばした。

「なっ……」
「あの、俺、上手くできないかもしれないけど…」

こんなになってしまったら出さなければ辛いことは同じ男としてよく分かる。海斗みたいなイケメンが勃起させたまま男セクキャバから出てくるなんて醜態を晒す訳にもいかないだろう。
と冷静ぶって考えつつ、ドキドキしながらボトムのファスナーを下して硬いペニスに触れた。

「うわ、でかい……」

海斗の勃起は本当に硬くて、手にずっしりくる大きさだった。握るとドクドクと脈打って、その自分より圧倒的に男らしく暴力的なモノに恐ろしさを覚えた。

「すごい、びくびくって……っうわっ!?」

恐る恐る扱こうとしたとき、海斗が突然乱暴に篤己の体を抱き寄せ自分の体の上に乗せた。

「な、何っ…?」
「黙ってろ、この淫乱が」
「ひっあぁっ!? やめっ…んんっ」
「男はここでするんだろ…? 俺でもそれくらい知ってる」

海斗の片手がアナルに触れた。くすぐったいようなぞくりとする感覚に身じろいでいると片手で頬を掴まれ、唇を重ねられた。

ちゅっ…れろ、れろ…ちゅく…ちゅく…
ぬぷ、ぬちゅ、ぬちゅ、ぬぶぶっ…

「んんーっ…んっんぅ…」

口の中に舌がねじ込まれるのとほぼ同時に、アナルへ指が押し入れられる。何故こんなことをされているのか、頭は混乱の極みだ。抵抗しようにも舌を吸われると力が抜けてしまう。アナルは初めての異物に抵抗するようにぎゅうぎゅう締め付けるが、海斗の力には敵わず狭い中を抉られる。中を擦られると異物感以上に甘い痺れが走った。

「んんっ、ふっ…ぅん、んっんっ」

舌を引っ張り出され絡ませながら、指の動きは段々大胆になっていく。ある一点をぐりぐりされると強烈な快感にびくびく腰が跳ねて恥ずかしい。上も下も蕩けそうだ。舌を絡ませるとアナルも疼いて更に気持ちよくなるので、篤己はいつしか自分から海斗の舌を舐めていた。

「んっ……」
「んっんぅっ…ふぁっ、ん…」

れろ、れろ、ちゅく、ちゅくちゅく、ちゅっちゅく…

ぬぶ、ぬぶっ、ずぷ、ずぷ、ぐりぐりぐりぐり

アナルがものすごく気持ちいい。ペニスがまた触られてないのに勃起して上を向いている。海斗は、辛くないのだろうか。ずっと尻に硬いものがゴリゴリ当たっていてどきどきする。
と、そのときようやく舌と指が体内から出て行った。

「んっ、はぁ、はぁっ、…あ、んん…」
「はぁっ…挿れるぞ」

落ち着く間もなく、硬くて熱いものがアナルに押し当てられた。その瞬間、恐怖と言いようのない興奮が体を満たす。

「だ、だめだ…それは」
「お前は駄目ばかりだな。ここまでトロトロにしておいて…」
「き、禁止されてるから、俺クビになっちゃうかも、それにこんなこと」
「辞めればいいだろ、こんな店」

こんなことしたことがないから心の準備ができてない。と言いきることはできなかった。海斗は低い声で無情なことを言い捨て、篤己の腰を両手で鷲掴みにする。

「っ待てって…あ゛っああぁっ…」
「くっ……」

ずっ、ずぶ、ずぷぷぷぷっ…

体を持ち上げたあといきりたったペニスの上に下され、篤己の体重で勃起が中に飲み込まれていく。指とは段違いの大きさに息苦しいほどの圧迫感と、暴力的な快感が襲ってくる。

「あ゛あ゛あッ…ひあっう、あ゛ッ…」
「っ、きつ…」

奥まで挿入されるまでに張り出したカリが内壁全部をゴリゴリ擦って、篤己は自分がイってしまったのだと思った。それくらい強烈な刺激だったが精液は出ておらず、全く楽にならない。海斗が腰を動かし出すと更に強い快感が襲ってきて、挿れられるだけで絶頂みたいに感じて続けてしまうのだと知る。

「あ゛ひっあッやっあッあッあぁーっ」

ズブッズブッ、ずちゅっずちゅっぐりっぐりっぐりっぐりっ

「やらしい声出しまくって……聞かれたらまずいんじゃなかったのか」
「ああッんっあぅっだめっんっ…ああッ」

聞かれたらまずい。だけど突かれると勝手に声が出て止まらないのだ。慌てて手で口を押さえようとしたが、海斗に阻止されてしまった。
何て意地が悪いんだろう。聞かれてしまうかもしれない、ペニスを挿れられてはしたなく喘ぐ声を、他の客や店員に――。
背筋がゾクゾクして、アナルが海斗の勃起をきゅうきゅう締め付けた。

「はぁっこの変態…っ」
「あんッアアッあひっあ゛ッあッ」

海斗は締め付けに勃起を更に大きくして中をガンガン突いてくる。

ズブッズブッズブッズブッパンパンパンパンパンッ

「あ゛あッいいっ、きもちいっあぁッんっああぁっ!」
「っそんなにいいのか、俺のチ○ポで犯されるのが」
「んっきもちいっ、海斗のチ○ポで、ぐりぐりされるのっ…あッあんあんあんあんッ!」
「……っ」

後ろから強く抱きしめられ、ピストンがどんどん激しくなっていく。狭い中をゴリゴリ擦られ突かれ、もう気持ちいいということしか考えられない。

パンパンパンパンパンパンッごりっごりっごりっごりゅっごりゅっごりゅっごりゅっ!

抱きしめたまま、海斗がいきなり乳首を指でぎゅっぎゅっと摘まんできた。もう海斗にも余裕がないようで痛いくらい強く乱暴な愛撫だったが、それがものすごく気持ちいい。

「あ゛あんっいくっいくっはぁっあッああァーっ!」

びくっびくっびくっビクンッビクンッ

絶頂の更に先の感覚に全身が痙攣した。ぐねぐね動く中を海斗は荒い息を吐きながらめちゃくちゃに突いてくる。

「あひっあ゛ッらめっおかしくなるっ、アッんっあああッ」
「イくっ…中に出すからな…っ」
「あッあッ、出して、中に海斗のぜんぶっ…ひあああっ!」
「このっ……」

興奮で卑猥な言葉を口走る篤己を、海斗は熱に濡れた目で見つめながらガンガン腰を突き上げる。

ズリュッズリュッズブッズブッズブッズブッパンパンパンパンパンパンッ!

「はぁっイく、出すぞっ…!」
「あ゛あッあッあッあッああぁーっ!」

パンパンパンパンパンパンッ! ドピュッドピュッ、ビュルッビューーーーーーッ…

巨大なものがドクドク震えて内壁を犯しながら、奥に熱い液体を大量に注いでいく。骨が軋みそうなほど強く抱きしめられながらアナルに射精され、篤己は甘い痺れに全身を支配されていた。

「んっ……」

体を反転させられ、対面座位で濃厚なキスをされる。イってもイっても熱は冷めず、舌を絡めるたびに下半身が甘く痺れる。
――クビでもいいか。
口内を激しく嬲られながら篤己はそう思った。

end

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