女装 01
あり
夜の繁華街を、一人の女子高生が歩いていた。
肩までのブラウンの髪に、紺色のブレザー。女性の割には上背があり、膝上10cmほどのプリーツスカートからはすらりと長い脚が伸びている。
その大人っぽく整った顔立ちに周囲の人々がちらちらと視線をよこすのを、少女――坂木創(さかき そう)はじわじわと肌で感じていた。
(見られてる……もしバレたら、大変だ……)
そう思うと、女子には決してついていない部分がずくんと疼いた。
きっかけは、ただの罰ゲームだった。
「よっしゃー! 創が罰ゲームな!」
「じょ・そ・う! じょ・そ・う!」
「マジかよ〜……」
高校の5人グループの中での悪ふざけ。
期末テストの合計でビリだった者が放課後女装して過ごす。そういう決まりだった。
創はいつも平均点程度、グループの中では大抵2,3番だったので、自分は大丈夫だろうとたかをくくっていたのに。
「おまえらー、絶対カンニングしただろ」
「あ? 証拠でもあんの?」
「俺達が女装じゃキモいだけだもん。がんばって勉強したんだよ」
「さ、早く着て着て」
納得がいかないながらも、創はしぶしぶ女子の制服を受け取った。
悪ふざけなりに、グループ内ではこういった約束は守られてきた。
ごねたところで逃れられないだろうし、白けさせてつまらない奴と言われるのもしゃくだ。
みんなが後ろを向きながらあれこれ言ってくる中、創は服を脱ぎ捨てていく。
「げっ……なんで、下着まであるんだよっ」
「喜べよー、姉貴がわざわざセットで買って来てくれたんだぜ。制服と一緒にお前にやるってさ。見たいから写真撮っといてくれだと」
「恵一のねーちゃんは創ちゃんのファンだからなー」
「いらねー! あーもうっ。覚えてろよお前らっ」
やけくそになって、創は薄ピンクのブラジャーとパンツを身に着けた。
ブラジャーは恵一の姉が細工したのか過剰にパットが入っていて乳首に擦れるし、パンツは当然きつきつの上透けて見えるのだから最悪だ。
これなら制服でもなんでも着たほうがましだと、創は急いでスカートやシャツを着、最後に紺のハイソを履いて終わったことを告げた。
「はいっ、終わった! 終わりましたよ!」
「マジかー。じゃ、せーので振り向くよ。せーの!」
恵一がそう言って、みんな一斉に振り向いて創を見た。
「……」
「……な、なんだよ……」
ネタに走ろうと小首を傾げてグラビアアイドルのような可愛いポーズを取って見せたのに、誰もくすりとも笑わない。
まじまじと女装した姿を凝視され、創は湧き上がってきた羞恥に身悶えた。
「な、なんの羞恥プレイだよ。――ほら、コージ、私の胸触って……?」
ふざけて恥ずかしさを紛らわそうと、創はコージの手をとって自分の胸へ押し付けた。
「えっ、う、うわっ」
するとコージは赤くなって、ばっとその手を払いのけた。
「……はは、童貞のコージには刺激が強すぎたんじゃね」
「つーかなんかエロイ、創。コージじゃなくて、俺が胸触ってもいい……?」
「え、ええっ? お前ら、何言ってんの……」
じろじろと見られながらにじり寄られて、何故だか喉が渇き、鼓動が高鳴ってくる。
(な、なんでそんな目で見るんだよ……。まるで、みんなでAV観賞したときみたいな……。おれ、見られてるっ……)
「はぁ……ほら」
「っ!? やっ……」
恵一がぎゅむっと創の胸を揉んできた。パットを揉んでいるだけなのに、強くされると乳首にぐりぐりと擦られ、びくびくと震えてしまう。
「創ちゃん、感じちゃったの?」
「マジヤバイ……」
「やぁっ、お、お前らっあぁっ」
他の者も興奮したように太ももを撫で回したり、耳をくすぐったり。
殴って払いのけるか、イヤーンなんて言って大げさにふざけて見せるか。
そうしなければいけないと頭で分かっていても、おかしな声を抑えようとするのが精一杯で。
誰かの手が、スカート越しに創の尻を撫でた瞬間。
「お前ら、何をしている!」
怒号が夕方の教室に響いた。
「ぁっ、吉村だ……」
「やべっ」
眉を吊り上げて入ってきたのは、厳しいと忌み嫌われている体育教師だった。
「おっお前ら何をしているんだ! この女子生徒は……」
「逃げろ!」
「おい、待て!」
恵一たちは慌てて逃げていく。追いかけようとする吉村を、創は引きとめた。
「ま、待ってください」
「なんだ! 安心しろ、あいつらは俺がとっつかまえて……」
吉村は創が男子生徒だとは気づいていないらしい。息を荒げる吉村に対して、創は慌てて言い募った。
「ちょっとふざけていただけなんです……大事にはしたくないんです」
本心だった。受験前のこの時期に問題になったら面倒だし、なにより女装してあんなことをしていたなんて絶対に発覚させたくない。
「ふざけていただと?」
「はい、ちょっとじゃれあってただけなんです。先生、怒らないでください……」
見上げて懇願すると、ごくりと唾を飲む音が聞こえた。
「あ、ああ……分かった……」
「じゃ、お、私も、帰ります」
視線を感じながら創は急いで荷物をまとめ、教室を出た。
「おい君……」
呼ぶ声が聞こえたが、振り返ることなくひたすら走る。
心臓が痛いほど脈打っていた。
それからすぐに冬休みに入ったのは不幸中の幸いだった。
友人達にも吉村にも顔を合わせず済む。その間に忘れてしまい、新学期になったら何事もなかったかのように接すればいい。
そう思っていたのに。
忘れろと何度も自分に言い聞かせても、あのときのことを思い出すたび胸が高鳴って、身体が熱くなった。
いつも悪ふざけしていた友人達に恥ずかしい姿を凝視され、たわむれに全身を撫で回され……。
たががはずれるのはあっという間だった。
気づくと創はあの制服に身を包み、あのときの感覚を思い出しながら一心不乱に自慰していた。
『ああぁーっ! いく、いっちゃうっ! 見ないでっ、見ないれえぇっ』
今までのオナニーとは比べ物にならない快感。しばらく恍惚として動くこともできなかった。
記憶の中だけでは足りない。もう一度、あの高揚感を味わいたい。
欲望はエスカレートしていき、ついに制服を纏って外出するようになってしまったのだ。
(ぁっ……みんな、見てる。俺のこんな、変態な姿……)
繁華街を歩きながら、創ははぁはぁと息を荒げた。
見られれば見られるほどぞくぞくとした快感が身体を駆け抜け、下半身がビクンと反応する。
創の陰茎は、小さなショーツに締め付けられながらも半勃ち状態になっていた。
それを何とか鞄で隠しながら、頬を紅潮させてゆっくりと歩く。
「――ね、ねぇ、君、大丈夫? フラついてるけど……」
「え……?」
不意に声をかけられ、創は顔を上げた。
スーツを着たサラリーマン風の中年が、いつの間にか真横に迫り無遠慮な視線を送ってきていた。
「ぁっ……、だ、大丈夫です」
「そう、でも心配だなぁ……。君みたいな女の子がこんな治安の悪い場所にいるの、危ないよ?」
「はぁ、でももう、帰りますから……」
男は心配するようなことを言いながらも、舐めるような目つきで創を凝視する。
気持ちが悪い。――それなのに、やはり身体は昂ぶって、陰茎からどくっと先走りが滲むのが分かった。
「はぁはぁ……やっぱり大丈夫じゃなさそうじゃないかっ。ほら、こっちに来て!」
「えっ……!? や、やぁっ」
いきなり腕を引っ張られ、創は焦った。見られるのはともかく、こんなことになるなんて予想していなかったのだ。
「ちょっとまっ、ひぅっ」
勃起したものに気をとられて、まともに反撃することもできない。
創はあっという間に、すぐ傍のビルに連れ込まれた。
その一角は空きテナントのようで、薄暗く人の気配はない。
「な、なにすんだよっ」
「何って!? エロい顔で腰振って歩いて、散々男を誘ってたじゃないか! 今、してあげるからっ」
「やっ、やめっひぁああっ」
男は見た目以上の力で創をその場に押し倒すと、性急に首筋を舐め始める。
「ハァッハァッ、いやらしい臭いがするよ……っ。んんっぢゅうぅぅっ」
「やだっ、きもちわるいっ……ヒィアッ」
肉厚の舌の感触が気持ち悪いのに、ねっとりと首筋や耳を舐められると、ビクッビクッと身体が震えてしまう。
「び、敏感なんだねっ可愛いよ!」
創の反応に気をよくした男は更に息を荒げ、耳の穴に舌を入れながらちゅうちゅう吸い始める。
(あぁんっ、いやだ、こんなのっ……。もう男ってばらしちゃえば……!)
「ひゃあぁっ、ちょ、お、おっさんっ」
「な、なんだいっ」
創は震えながら男の汗ばんだ手を取ると、自分の勃起した股間に導いた。
屈辱だったが、これで止めさせることも、男の鼻を明かすこともできるだろう。そう思っていた。
「!? き、きみ、男……!?」
「そうっ、だよ! ばーか!」
悔し紛れに股間に蹴りでも入れてやろうとした脚はしかし、男にあっさり掴まれてしまった。
「!? なっ……」
「ああっ、なんて淫乱なんだ! こんな格好して勃起させて、触ってくれるのを待ってったんだねっ!!」
「ちがっあふぅっ、あぁんっ」
男は逃げるどころか一層興奮した様子で、スカートの上から勃起した陰茎のかたちに添って撫で始める。
「我慢できなくて、自分から私に触らせたんだろうっ? ほらっ、見せてごらん!」
抵抗むなしく、創はあっさりとスカートをめくられ。
「っ! す、すごい……! 女の子にしか見えなかったのに、なんでこんなものがビンビンになってるのっ? 可愛いパンティがぐしょぐしょになって、おちんちんが透けてるよっ」
「やだぁあっ……見るなぁっん、はあぁ」
言葉とは裏腹に、淫らなことを言われるたび先走りが出てショーツをぐしゃぐしゃにする。
「はぁはぁ、見られるのが気持ちいいんだろうっ? 可愛いよ……」
男は血走った目で股間を凝視し、ショーツの上からじらすようにそこを刺激する。
「ああぁんっ
やだぁっひぃんっ
」
「ん……? あ、ああ、ごめんね、おっぱいも触ってほしかったんだねっ」
男はわけのわからないことを言いながら、今度はシャツのボタンをもどかしげに外していく。
「あぁ……パンティとおそろいなんだね……。どんな顔して、これを買ったのかな? こうされることを想像して勃起させながら買ったのっ?」
「ちがうっ!」
「じゃあ男に買ってもらったのかっ!? これ着てエッチなことをいっぱいして、精液まみれにするために買ったのかっ!」
乱暴にブラジャーが胸の上まで引き上げられ、勃ち上がった乳首が露になる。
「んっ……ちっちゃいおっぱい、ビンビンじゃないか。今、ちゅうちゅうしてあげるよ!」
「やだぁっあんっ
ああぁあんっ
」
れろれろっぢゅぶぅっ
荒々しく乳首にむしゃぶりつかれ、腰がびくびくっと跳ねた。そうすると男の固い肉棒と創のものとが擦れて、慌てて腰を引いたが、興奮した男は無理矢理体重をかけて押し付けてくる。
「ふぁああっ
やらぁっ、ちくび、イジっちゃやらぁあっ! おちんちんも、擦れるよぅっ
」
「ぢゅぅっ……んっ? イキそう? イキそうなのっ? いいよ! パンティの中に、いっぱいお汁だしていいから!!」
激しく乳首を吸われこねくり回され、陰茎は男の熱いものにごりごりと刺激され。
「あぁーっ!
イく、イっちゃうっ!!
せいえき、でちゃうよぉぉっ!
」
男のものに擦り付けるように腰を振りたくりながら、創は精液をショーツの中に吐き出した。
「はぁっ……すごく、かわいかったよ……」
「ん、もう、やらぁっ」
「大丈夫、もっと気持ちいいこと、してあげるからっ」
これ以上何があるのかと思っていると、男は創の身体をひっくり返してうつぶせにさせた。
「ん、もっと、ぐしょぐしょのお●んこ見えるように、腰を突き出して……?」
「!? なっ、やぁっ!」
驚いて逃げようとするも力が入らず、腰だけ高く上げた淫らな体制を強いられてしまう。
男はごくりと唾を飲み込みながら、ゆっくりとショーツをずらした。
「っ、すごいっ。ピンクのお●んこがエッチな汁で濡れて、てらてら光ってるよっ!」
「ひぃあああぁんっ!
」
感極まったように尻穴を舐められて、そこはまるで待ち望んでいたかのようにひくひくと震えた。
「こんなにパクパクして私を誘って……。いやらしい子だっ」
「誘ってなんかぁ……っひぁぁっ
」
男の太い指がひくつくそこへ性急に突き刺さった。
十分濡れているせいか、痛みは感じない。それどころか、尻にかかる男の息にも、濡れた男の言葉にも、すべてに感じていやらしい声が止められない。
そうしてある一点を男の指がかすめたとき、創は射精した瞬間のような強烈な快感に身悶えた。
「はあぁんっ
そこ、やらぁっ
」
「はぁっ、ここ? こりこりしてるところが感じるんだ?」
イヤと言っても男は嬉しそうにそこを重点的にごりごり擦ってくる。激しすぎる快感に、創は無意識のうちに腰を振っていた。
「やっ、もう、また出ちゃうよぉぉっ……!
」
腰を振りたくりながらそう言った瞬間、ズボっと男の指が引き抜かれた。
「あぁんっ」
喪失感に男のほうを振り向いて、創はごくりと唾を飲んだ。
男はビンビンに勃起して血管の浮き出た肉棒を、創の尻に押し当てている。
「ひぃっ、それはらめぇっ、挿れちゃやらぁ!
」
「嘘を吐くなっ! ほら、挿れてあげるよ! 淫乱なお●んこ、おちんちんでいっぱい犯してあげるから!」
「らめっああああぁー!!
」
ずぷっ、ぬぷぷぷっ!!
制止の声もむなしく、男の巨大なものはずっぽりと創の尻穴に打ち込まれた。
「っおうっ、すごいっ締まる!!」
「ひあああぁっ!
なんれっ、はいってるよぉっ、オチンチンが、俺の中にぃああぁんっ
」
「ハァハァ、中、じゃなくてお●んこだよっ! んっ、言って、ごらん、お●んこずこずこ突かれて、気持ちいいって!」
「やらっぁ、お●んこじゃな、あぁっあぅっ、お●んこぉっ」
もはや創に理性は残っていなかった。
恥ずかしいことを言われるのも言うのも気持ちいい。いいところを突かれるたびに先走りが止まらない。
おかしくなるほどの快感だけが創を支配していた。
「っくぅっ、もう、イっちゃうよっ!! お●んこの中に、いっぱい出してあげるからっ!!」
「いぁああっ
あんっ
あぁっ
なかはぁっ、なかにだしちゃやらぁっ
」
「っあー、いく、いくぅ!!!」
「はぁああぁんっ!!
なかにぃ、お●んこに、いっぱい出てるよぉっ
あぁっおれも、れちゃうぅっ!
」
ドピュッ、ドピュウッ!!
がんがんと激しく突かれながら中に精液をぶちまけられ、創もまた触ってもいない陰茎から大量の精液を吐き出した。
「っぁっ、ぁん……
」
精液まみれになりながら、創はぼんやりと考えていた。
知らない人間に女装しながら犯されて、こんなになって……
もしも自分を知っている人間にされたなら、どうなってしまうのだろうと。
想像しただけで、精液の溢れ出る尻穴が物欲しげにひくついた。
end
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