真夏の日 2 02

あり


「ン……っふぅ、んむ……っん〜〜……」
「ん、んっ……」

桜庭の舌が入ってきて、濡れたものが擦れ合った。ぞくぞくと腰が疼く。それは一瞬では終わらず、律は舌が擦れ合うたびに目に見えて跳ねそうになる腰を必死で押さえつけるはめになった。

ぬる、くちゅくちゅくちゅ……れろ、れろ、ぬる、ぬるぅ……っ

「んっふー……ぅん、んむっんぐ……っんん……ッ」
「ふ……ーっん、ん……」

桜庭は律の頭を撫でながら押さえ、一番舌を出し入れしやすい角度にする。歯の裏側の敏感な粘膜まで舐められ、唾液が混じり、恥ずかしい音が鳴る。
律も舌を動かしてざらついた舌を舐めた。
桜庭と、口の中でセックスしてる。

「んむ……ッ、んっ……あっ、はあはあ……っ」
「ん、美山くん、キスが好きなんだ。エロい顔になってる……」
「ああっ……見ないで、俺……はぁ」
「大丈夫、可愛いから」
「ん……ッ〜〜……」

わずかに上擦った声が、濡れた吐息と同時に耳に注がれる。桜庭の色気にあてられそうだ。こんな子だっただろうか。

「美山くん……律って呼んでいい？」
「う、うん……」
「律はキスした後、どうしたかった？」
「はあ……っ俺、俺は……」

かつての気持ちを思い出す。女神みたいに優しい桜庭と両想いになりたかった。律が彼氏としてリードして……。

「俺……か、彼氏に……なりたかったけど、もう無理……」
「――それはどうして？」
「はあ……っ、俺、キスしてエッチな気分になって……、桜庭くんに……俺のほうが女の子みたいに、扱われたくなっちゃったから……彼氏になれない……」

顔を真っ赤にして告白すると、美山がふーっと息を吐いた。

「分かってくれて嬉しい、律」
「えっ……んっふう……っ」

上半身が桜庭の方に傾き、キスをする。舌がざりざりと絡まっている間に胸元を触られた。

「んぉ……ッ、んんっ……ふぁ、んむ……っんっんっ」
「ふー……ん、う……」

さす……さす、こすっ……くに、くりくりくりっ

乳首に指が当たった瞬間、押さえるのも忘れて腰が動いてうめき声が桜庭の口の中に漏れる。桜庭はすぐにそこに狙いを定め、指で幾度も擦る。
長年着ては洗ってを繰り返した部屋着のＴシャツの生地はペラペラで、せめて新品を着て出ればよかった、と身なりを気にする余裕もすぐになくなり、乳首を透けさせながら滑りよく擦られる。粒が勃ちあがり、今度は親指と人差し指を摘んで左右に擦り合わされ、感じる。

「んふぅ……っ、んっあんっ……あっあッ……ちくび、ぃい……っあー……」
「乳首気持ちいいの？　可愛い……律、ほら、乳首が透けてエロい」
「ぁあっ……んっんっ、恥ずかしい、んっ」
「俺の上に来て。乳首舐めたい」
「お……ッ、はあはあ……っあああぁー……」

くり……れろ、れろ、ぬるっぬる、くちゅくちゅ……っ

桜庭の体を跨がされ、乳首を舐めるのに都合がいい体勢になって舐められる。
透けた乳首が舌で潰され、擦られた後吸われる。気持ちよくてたまらない。桜庭は汗ばんたＴシャツごと、少しも躊躇する様子なく乳首を舐める。
股間も勃起して、乳首に甘い刺激が走ると同じことをされたみたいにびくついて濡れる。
押し付けて気持ちよくなるなんてためらわれたけど、桜庭が腰を抱いて引き寄せてきて、硬いものが擦れた。

「お……っ、ふー、ふあ……ッ、当たってる……っん、あー……」
「はあ……ん、ごめん、怖いよね」
「あー……はぁ…、んっン…っ」

ごりごりと股間が擦れ合う。桜庭のものも硬くなり、律の腰がびくつくとより存在を感じた。
桜庭は遠慮しているのか乱暴に押し付けてきたりしない。それでも強い雄の発情は隠せていない。

(桜庭くんの……ち〇ぽ当たってる、あっあ、乳首くりくりいい、気持ちいい、お尻がすごい、ほしいって言ってる……前じゃなくて後ろにある穴をこの強いのでガンガン突いて……あー……)

「あんっあっあッあひ……ッ、ん、ち〇ぽ……あうっ……」
「あっ……はあ、律、律、そんなに腰振ったら、駄目だよ、ん……っ」
「あっあ……っんあ、いい、あっんっ乳首きもちい、あ〜〜……」

ごりゅっ……ごりゅ、ごりごりごりっ
ぬる、ぬるぬる、くちゅっくちゅっ、ぢゅう、くりくりくりくりっ

敏感になった乳首を舐められ、快感が理性を侵食していく。律は積極的に腰をへこへこと前後に動かし、硬い塊を股間に擦り付ける。
じんと気持ちよくて、それ以上にもどかしい。本当はペニス同士ではなく、これで穴の奥を穿ってほしいのだ。

「律、フー……っ、やらしい……、あんまり煽ることしないで、無理やりにでも酷いことをしたくなる。ん……」
「あぁ……っんっ、ふー……っん……っ」

桜庭の息も上がり、顔が近づいてきたので目を閉じて熱っぽくキスをする。
律は桜庭の舌をうっとりと吸った。唾液が混じるキスの最中乳首を指で摘んで転がされ、尻の奥が断続的にひくつく。
ほしい。かつては彼女にしたいと夢見ていた桜庭の怒張で、尻の穴を性器にしてほしい。

「んっんぅ……っふあああぁ……ッ、んっ、ひあ、桜庭くん……っ、んっはあん……」
「律、律……名前で呼んで……？」
「んっ……聡実くん、あ、あっ……」

頬に触れられ、掠れた色気のある声で名前を呼ばれ、勢い余って至近距離で顔を見てしまった。
綺麗なまま大人になった顔で、目だけは律が全く知らない男の熱を帯びてじっと律を捉える。

「律、可愛い……ん、俺がどうしたいか知ったら、引いちゃうだろうな……」
「はあ……ん、俺は……、あ、」
「律……？」
「んお……っ、ここ、使ってほしい……さくらばく…さ、聡実くんの、それ……っふー、ふー……っ」

勃起して力強くテントを張る桜庭の勃起に、律は発情を隠せなかった。
ハメてほしくてハーフパンツを脱ぐ。尻の穴が、くぱ、くぱ、と期待に蠢いた。
電器屋に犯されてから、どうしても快感が忘れられず、たまに自分で弄るようになっていた狭い穴。

ぐぱ……っ、ぬる、ずぷぷ……っ

「んお……ッ、お…っ、あっいい……っお尻、んっふあぁ……っ」
「……、そこ、自分でしてたの……？」

挿入準備のために指を出し入れして見せると、桜庭の声に動揺の色が混じる。
引かれてしまった。ひっくり返った蛙のような体勢で尻を弄って見せつけて、とてつもなく恥ずかしいと自覚しても時すでに遅しだ。

「あっあへぇ……ッ、んっ、じぶんで、あっぁあ、う、疼くから……硬いのハメて……ほしくて……」
「――俺のこと思って慣らしてくれてたんだ。ごめんね、来るのが遅くなって」

桜庭が指を出し入れされる穴を凝視し、吐息混じりの声で囁く。

「あっ……あ、違……っん……」
「違う？　何が」
「俺……あっあッ、修理のひとに、ち〇ぽハメられて、……それからお尻、疼くようになって……っはあぁん…」

ずぷっ……ぬぶ、ぬぶずりゅ、ずぬ……

誠実な桜庭に嘘を吐くのは許されない。「もっと擦れ」と収縮する粘膜に悶えながら、律は打ち明けた。電器屋のペニスは指とは段違いで気持ちよかったと思い出しながら。
桜庭が黙ってしまい律は心苦しくなった。
他の男とセックスしたなんて、綺麗な桜庭にとっては受け入れられないことかもしれない。あまりに気持ちいい行為だったという記憶が鮮烈で、律は倫理観すら忘れかけていた。

「あっあ……ごめん、俺、……、綺麗じゃない、聡実くんと違って、ち〇ぽでいっぱい……」
「俺と会ってない間に他の男とセックスしたの？」
「うん……」

こんな淫らに変わった穴に、桜庭のものを入れられて恋人のようなセックスがしたいなんて、望んではいけなかったのだ。
急にひきこもりマインドの自分に戻って指を抜くと、そこに太いものが押し付けられた。

ずぬ……っ、ずり、ぬ……っずにゅううううっ

「え？　んっ、おっ…〜〜、ッお……っ」
「あっ……はあ、律……っ」
「ひぐっ……いっ、あっ、はあっ…」

女神のような桜庭はどこにもいなかった。みちみちと肉を無理やり拡げる挿入を、一気に奥までされて、息の仕方も忘れる衝撃が襲う。

「んっ……嘘だよね、律、はあー……、初めてじゃなければこんなにきついはずない」
「あっあああァ……っ」

初めて奥まで繋がった甘い空気と、相反する不穏な空気が流れる。
苦しくてきつくて、そういう感覚の上を行くほど気持ちいい。狭い粘膜が硬い肉棒とぎっちり絡み、逃げ場のない快感を生み出す。特に出っ張ったカリが当たっている部分は肉の形が変わるくらい抉られてたまらない。

「うあ…あ…ッ、あぁあ、エッチした…電器屋さんと、おっ…ち〇ぽ……っ、ああぁー……」
「……許せない」
「ひっう、あああああッ」

勃起が、内壁の襞をめくらせながら抜かれる。そのまま亀頭まで抜かれることはなく、奥に勢いをつけてねじ込まれる。

ずぬぬっ……ずぶっ！　ずんっ、ずんっ

「あっあぐッあんッ…ひああ…っあへっぇ、つよい……っ、んっひいっ」
「あんなに、俺しかいないって目で俺を見つめておいて、他の男にさせたなんて……、こんなに、きつい中を犯されたの。はあ……っ」

ズヌﾞッズヌﾞッ、パンッパンッパンッパンッ

無遠慮に抜いては腰を叩きつける動作が繰り返される。穏やかな優しい顔が思い出せないほど、桜庭は笑みを失くし苛立った顔で中を突く。
それでもペニスは萎えておらず、それどころか律の中でどんどん体積を増やしていく。

「あぁっあッ……だって、さく…、聡実くんには失恋した、とおもってたし……っ、あへっ…あ、あんっ、そこ、……あッあッ、ちくび、いぃ…っあー……ッ」
「こうやって……気持ちいいところ同時にぐりぐりされた？　何回したの？」
「い、一度……それから会ってないし、…はあ、んッあ」
「一度でこんなに……っ、入れたらいやらしく吸い付くようになっちゃったの、律っ」

ズンッズンッズンッズンッズンッ……ごり、ごりっごりゅっ
くりくり、こすっこすこす、こすっこすっこすっ

桜庭が乳首を指先で弾き、腰を激しく打ち付ける。
別に律と桜庭は恋人同士だったわけではない、どころか一切交流が途絶えていたのだから言い訳する必要はないはずなのだが、桜庭が怖い声で責めてくるのでつい詳細を暴露させられる。
見ず知らずの男とセックスした後ろめたさに、興奮が混じる。

「あんッあんッ、んっ…だって、勃起したの押し付けられて……っんッ、いっ…いい、あぁんっ…」
「ふー……ッ、その男のこと、少しでも好きになった……？」
「うぁっ、う、ぅうんっ……ない…」
「じゃあ俺のほうが気持ちいい？」
「え……あっあんっ……聡実くんのほうが……でも、両方…、ち〇ぽずぼずぼきもちよかった……〜〜ンあっ、あー……」
「律……っ、この……」

ズブッ…ぬぶっ…、ずぶんっ！　ぱちゅっぱちゅっぱちゅっどちゅ！

奥にいきり立った先端が当たる。
ペニスが気持ちいいあまりに、馬鹿正直な返答で桜庭を怒らせてしまったらしい。
暑い。結合部の摩擦から熱が生まれて、全身が汗ばむ。エアコンをつける暇がなかった。せっかく電器屋が汗水流して修理したのに……。

「ああぁんっんっふあ……ッ、いいっいい……っ、ち〇ぽ、あっあ、いくっいく、なかでっ……あ〜〜っ」
「律、律、中イキしちゃうんだ……、っあ、俺も出すよ、中に出していいよね、二度と……できないようにマーキングしないと」
「あぇえ……っすご、あっあーいくいく……っいってぅ、あっああ……ッ」

ずぬっ！　ズンッズヌッズヌッ、ぱんっぱんっパンパンパンッ！
こす、くりくりくりくりくり、ぐりっ

乳首を乳輪ごと弄り回され、怒張で激しくピストンされ、圧迫された粘膜から耐え難い快感が押し寄せ、律は腰を反らせて中イキした。長い絶頂をキメる中に、桜庭は脈打つペニスを叩きつけた。

「ふー……ッ、ん、出る……イく、律……っ律……」
「ふああ……ッ、あぐ……ッ出てる、ん、ン〜〜……ッ」
「あ……ッいい……っはあ、ん、ん……っ」

ズヌﾞッズヌﾞッ、ごりごり、どちゅっ……！
ドビュッ……ビュルルルルッ……ビューーーーーーーーッ……

熱い迸りが注がれる。射精しながらディープキスをしてきて、唾液が混じる。舌で粘膜を舐められたので、当然のように吸い返す。アナルの中も収縮して、ペニスから精子を吸っていた。

「ん…、ん…律……、これからは俺だけだって言って」
「んっお、……まっ……イってぅ、おっなか、あっあ、乳首らめえぇ……っあっあへっあぇっ…」
「言って」
「あ〜〜……っ聡実くん、だけ、ふー、あ、っ…」

乳首を潰され、カリで前立腺のあたりを擦られながら念を押されるので、律はアクメしながら必死に頷く。
憧れの桜庭とこうなった以上、他の男と関係を持って彼を汚すなど言語道断だ。どうせ家から出られないのだから物理的にそもそも不可能だった。

「……誰が家に来ても、ちゃんと断れる？」
「……ぅ、ん……ッ、あぇえ……っ」
「心配だ……俺がいるんだから、俺だけで満足できるようにいっぱい出すね」
「あっあへっんっ…アあああぁー…っ」

ずぶっ……ずんっ！　ごりっ、ごりゅっ、ぐちゅっぐちゅっ！

精子で濡れた中を突かれ、抜き差しされる。とにかく気持ちいいので、律は熱く濡れる体に抱きついて腰を自ら控えめに動かした。


end

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