罰ゲーム その後
あり
下半身がズキズキ痛む。寝苦しくてうっすら目を開けると薄暗くて、どうやら今は夕方らしい。
起きようとしたら、全身に重りをつけられたような倦怠感に襲われる。
「……っ」
そうだ、俺は大川と……それはすごいことをして、しすぎて満身創痍になって、いつの間にか寝てしまったらしい。
最後のほうは体液でドロドロだったはずだけど、綺麗になってて服も着てる。大川がしてくれたのだろうか。
「大川?」
痛む体に構わず慌てて起き上がるが、部屋には誰もいない。
もう帰ってしまったのだろうか。結局本心を告白することもできないまま別れるなんて……。と血の気が引く思いでいると、ドアが開いて大川が入ってきた。
「先輩……」
少し息を切らせた様子で、手にはスポーツドリンクのペットボトルを持っている。近くの自販機で買ってきたのだろう。俺の顔を見て、起きていると思わなかったのか僅かに目を見開く。
「えっと、おかえり……?」
さっさと帰ったわけじゃなかったことに安心したけど、途端に恥ずかしくなる。こうして立ってるといつものイケメンでちょっと影がある大川にしか見えないのに、少し前まであんなこと……駄目だ、顔が見られない。会ったら問答無用で即話をするって決めてたのに、なんてヘタレなんだ俺。
しかしいつまでもそうしてるわけにもいかない。帰られないうちに言うんだ俺。――よし。
「大川、あの……って、どうした!?」
大川が泣いてる。いつもは全然表情の読めないクールな目から、今は涙が流れて頬を伝ってる。胸がぎゅっと掴まれたみたいな感覚に苦しくなる。
「ど、どうしたんだ」
「俺、先輩に酷いことをした。意識が飛んだあんた全然動かなくて死んでるみたいで」
「いや、寝たただけだって。それより俺の話を」
「最初はやけになって我慢もできなくて、もう嫌われてもいいって思ってしたけど……やっぱりあんたに嫌われたくない」
掠れた声での告白に俺はもうたまらない気持ちになって、襲い掛かるみたいな勢いで大川に抱きついてキスをした。
「……っ!」
「んっ……ふぁ、んっ…」
大川が驚いた気配がしたけど、条件反射のようにすぐ舌がねじ込まれる。激しく口内を舐められ、熱い舌を擦り合わされ、すっかり敏感になってる下半身がじんじん疼く。
って何か違う。今はいやらしいことがしたいんじゃなくて気持ちを伝えたいんだ。
「んっ……はぁっ…、大川、好きだ」
無理やりキスを終わらせ、俺は今度こそ言った。経緯を説明してる間に何度も大川に阻まれてきたから、今度は本当に伝えなくちゃいけない結論から。
大川は涙はちょっと引っ込んだみたいだけど、目元が赤くて、そうしてるといくらか年相応に見えて可愛い。とか思っちゃう俺は本格的に大川にやられてるっぽい。
「っ、嘘だ」
「嘘じゃない。最初は確かに罰ゲームだったけど、一緒にいるうちにどんどん気になって、何か放っておけないなとか思って……気づいたら好きになってたんだ。お前に軽蔑されるのが怖くて本当のことが言い出せなかった」
「……本当に?」
大川はまだ信じられないって顔をしていた。でも聞きたくないって冷たい声で切り捨ててきたときの頑なさはもうない。俺は畳み掛けた。
「本当だよ。すぐ許してもらえるとは思ってないけど、気持ちだけは信じてほしい」
「……」
「まだ嘘吐いてるように見える? 俺そんなに器用じゃないぞ」
「見えない……先輩は嘘が吐けるような人じゃないって一緒にいれば分かる。なのに、罰ゲームだったなんて言うから」
「くっ……! それは本当に悪かった」
そこを責められると謝るしかない。堂々巡りしてしまいそうだ。
「その……俺、キスとか好きな相手じゃないと無理だし、さっきのことも、そりゃ無理やりされたのはショックだったけど……そんなに嫌じゃなかったって言うか……」
というか死ぬほど感じてしまった、とはさすがに恥ずかしくて言えない。
泣いていた大川の目が、不意に細まった気がした。
「先輩、無理やりされたのに嫌じゃなかったの? ……そういうこと、他所で言っちゃ駄目だよ」
「言うわけないだろ! 大事なのはそこじゃなくてだな、お前が好きだってことだ!」
「……先輩」
もう大川から悲壮感は消えていて、好きって言った瞬間――目元が赤くなった。そんなに表情は変わってないんだけど、周りに花が飛んでるような錯覚がして――やばい、胸がぎゅんぎゅん言ってる。何だこれ。
「もう一回、あんたからキスして」
「えっ……」
じっと見つめられ恥ずかしくなるが、しなきゃいけない。バクバク言ってる心臓の音を知られないようにそっと大川に近づき、俺は唇を重ねた。
「んっ……」
駄目だ、心臓治まらないどころかどんどん速くなってる。
やっぱり俺から舌入れたりしたほうがいいんだろうか、でもこれそういうエロい意味のキスじゃないし……と思ってちょっとだけ唇を食んで吸ってみると、大川の舌が猛然と唇を割って入ってくる。結局こうなる。
「んっ、ふ…、ん、ん」
ちゅく、ちゅ、れろ、れろ…、ぬちゅ、ぬちゅ…
大きな手で後頭部を押さえつけられ、キスがどんどん激しくなる。舌がぬるぬる絡まるのがこんなに気持ちいいなんて知らなかった。
「んっちゅ、んっ、んんっ…」
何度も舌を擦り合わされ、さっき散々イッたのに体がじんじんしてまた火がついちゃいそうで怖い。でも俺から離れたら、また大川を傷つけちゃうかも……。
なんて思ったら、ものすごく執拗で濃厚なやらしいキスが、ものすごく長い時間続いた。
「んっ、ぅん、んっ…んん〜…」
れろ…れろ…ぢゅっ、ちゅく、ちゅく…れろ、れろ、ぢゅうぅっ…
結局耐えられなくなって俺から離れた頃にはすっかり体が熱くなって、チンコはさすがにそんな元気ないけど、汁が出ちゃった。やばい。
「先輩、可愛い」
「はぁっ……お、お前、上手すぎ……さっきも思ったけど、もしかして経験豊富なの」
「…………中学の頃は、それなりに」
ガーンって音が頭に響いた。そりゃあんなに上手くて童貞だったらおかしいけど。でもこいついつもは冷めててあんまり他人に興味がなさそうで、俺以外と仲良くしてるところも見たことなかったのに。なのに俺以外の奴にもあんなことをしてて、しかも経験豊富って。
「……そ、そうなんだ」
「別に好き合ってたわけじゃないけど、誘われるから。あんたと会ってからはしてない」
「誘われるから!? そういうのはどうかと思う。もっと自分を大事にしたほうがいいよ」
「――もしかして、妬いてるの」
「やっ……」
脳裏に、今よりちょっと幼くてちょっと可愛い中学生の大川が浮かんでくる。その大川が他の奴と……。駄目だ。
「……やいてるというより、好きな相手としかしちゃいけないという常識を言ったまでで……」
「可愛い」
大川が正面から抱きしめてきてどきりとする。大川の鼓動も少し速くなってる気がする。というか腹に硬くて熱いものがゴリゴリ押し付けられてるんだけど。
「あ、当たって……」
「あんたが可愛くて、やらしいから」
低く抑えた声で囁かれる。一体どの辺りに可愛くてやらしい要素があったか全然分からないけど、基本大川ってミステリアスで考えてることが読みづらい奴なので仕方ない。しかしさっき2回したばかりなのに、元気すぎないか。
抱きしめる手が俺の体を撫でる。何だかやらしい空気が流れ出して俺は慌てる。
「あの、さすがに今日はちょっと……下半身だるくて」
「ん……ごめん、俺が激しくしたから」
「謝ることはないけど。何ていうか……信じられないくらい気持ちよかったし」
「――する気ないのに何でそんな顔でやらしいこと言うの? 誘ってる?」
大川の目に熱が篭る。ゾクッとしてしまって、俺は慌てて首を振った。
「誘ってない! けど、そのままじゃ辛いだろうから、その、手でよければ俺するけど」
大川が一瞬瞠目する。ちょっとだけしてやったような気になる。
「……本気で言ってる?」
「ん……」
正直、俺に欲情して勃起してるものに、俺は変な感じになってた。ドキドキしながら大川のベルトに手をかける。
「はぁ……すご……」
ボトムを脱がすと大川のチンコが勢いよく出てきた。ビキビキに勃起して血管が浮き上がってる。
恐る恐る握ると太くて重量感があって、これが俺の中に挿れられたなんて信じられない。俺はごくりと唾を飲んでそれを扱き始めた。
「はぁっ…先輩…」
「すごい、ビクビクしててやらしい…」
カリの先端から出てた先走りを指に絡め取るとスムーズに扱けて、エロい音がする。
「えっと…もっと強いほうがいい?」
「んっ……」
大川が首を振って荒い息を吐く。俺の手で感じてるんだと思うとゾクゾクして、もっと気持ちよくしたいって欲望が湧き上がってきた。
「っ先輩?」
「んっ……」
俺は引き寄せられるみたいにチンコに顔を近づけ、先端を舐めてみた。当然フェラなんてしたことないけど嫌悪感はなかった。むしろ大川をもっと気持ちよくしたいって気持ちが強くて、カリを咥える。
「……っ」
「んっ……ちゅ、ん、んっ…」
ちゅ、れろ、れろ、ぢゅぶ、ぢゅぶ、ぢゅうぅっ
大きすぎて、半分くらいまでで口の中がいっぱいになる。自分がこうされたら気持ちいいだろうなっていうのを想像して、カリを舐めたりしながら口内でチンコを扱く。やらしい音が出ちゃうのが恥ずかしいけど、音を抑えるようにやる余裕なんてない。
「んっ、ふ、んっ、ンっ…」
口の中を硬くて太いものが満たす感覚に興奮してしまう。
大川は俺の頭を撫でてくる。初めてだし今までの大川の相手と比べたら下手なんだろうけど……いや、そういうこと考えるのやめよう。
先端を吸うとビクビクと脈打って、感じてくれてるのが分かる。
ぢゅぶっぢゅぶっぢゅぶっ、れろ、れろっ、れろれろれろ、ぢゅっちゅくっぢゅっぢゅうっ
「んっ……きもちい?」
カリを舐めながら上目遣いで窺うと、すごく色っぽくて、でも怒ってるみたいな顔で見つめ返され、いきなりチンコから引き剥がされた。
「うわっ……」
一瞬気持ちよくなかったのかとか、怒らせたのかとか思ったけど、大川はすぐに俺のズボンを脱がせてきて。
「っごめん、挿れはしないから…っ」
「やっ…あッ、んんっ…」
むき出しになった俺の太ももの間にチンコを差し入れ、ピストンしてきた。
しゅっ、しゅっ、ちゅぶっ、ちゅぶっ、ぱちゅっぱちゅっぱちゅっ
「あぁっ…あッ、あッ、ン、はぁんっ…」
「はぁっ……何なのあんた、エロすぎっ…」
大川は俺を後ろから抱きしめ、息を乱してがんがん腰を振ってくる。熱くてごつごつしたのが何度も股を擦って、もどかしい感じがして熱が溜まっていく。
「先輩が、俺のをフェラするなんて…っ経験あるなんて言わないよね?」
「ね、ねーよっ……はぁっぁ、お前が好きだから、きもちよくしたくてっ、ぁっん、お前以外にあんなことできるわけない…っン、ああッ」
「っ一希、先輩……っ」
ガチガチの大川のチンコがビクってなったのを太ももで感じる。更に強く抱きしめられて、何かどんどん変な気持ちになってくる。
「はぁっあッあッ…ん、ぁんっ」
二人の先走りの汁でエロい音がずっと出てる。大川の手が抱きしめたまま胸をまさぐって、Tシャツの上から乳首をぐりぐりしてきた。
「あぁんっ! やっあぁッあんっあんッ」
「ホントに乳首敏感…可愛い」
「ひあぁっらめっ…あッあんっンッあぁっ」
こすっこすっ、くに、くに、くに、ぐり、ぐり、ぐり、ぐり
ぬちゅ、ぬちゅ、ちゅぷっちゅぷっ、パンッパンッパンッパンッ
乳首触られるたびにチンコから汁が出てきて、体が跳ねてしまう。
それに、アナルが――さっきからずっときゅんきゅん疼いてる。やばい。
「あぁっ…はぁっ、あ、ンッあっあッ」
チンコすごい硬くて熱い。俺に興奮して大川がこんなになってると思うとゾクゾクする。もう駄目、おかしくなりそう。
「あぁっ大川ぁ…もう…っん…」
「何…辛い? もう少しでイくから」
違う、そうじゃない。さっきは強引にしたくせに。恥ずかしかったけど、俺は欲望のままにねだった。
「もっ挿れて…なか、挿れていいから…っ」
口に出すと、体が挿れられたときの快感を思い出して更にほしくてたまらなくなる。大川は熱い息を吐いて、チンコをひくつくアナルにずりずりしてくる。
「いいの? 我慢できなくて激しく中ゴリゴリするけど、挿れていい…っ?」
「んっ挿れてっ、はげしくしていいからぁ、勃起チンコ挿れて、中いっぱいこすって…っ! あッあぁんーっ…!」
ぬぶ、ずっ、ずぶっ、ぬぷぷぷぷっ…
狭いアナルをこじ開けてチンコが入ってくる。ゴリゴリ擦られて、鈍い痛みなんて吹っ飛ぶくらいの強烈な快感が襲ってきた。
「ああっ! あッあんっひっああッ!」
「っすごい、一希先輩…っ」
宣言通り大川は最初から激しく突いてくる。
ぬぶ、ぬぶ、ぬぶっ、ずちゅっずちゅっずちゅっ、パンパンパンパンッ!
「気持ちいい? すごく狭くてきついけど、痛くない?」
「んんっきもちいっ…ひあッいいっ…大川、好き、すきっ、あっあんッ」
「っ一希…っ」
ずぶっずぶっずぶっぐりゅっぐりゅっパンパンパンパンパンパンパンッ!
ぎゅーって強く抱きしめられて、体を固定されたまま腰を回され奥まで犯されまくる。気持ちよすぎて怖い。俺は必死に大川を抱きしめ返した。
「あッひっそこっやぁッあッああッ!」
「ッ、ここ好きだね、締め付けすぎ…っ」
「ひああッらめっあッあんッ」
ぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっぐりゅっごりっごりっ
特に感じるところを硬いカリで強く押しつぶされる。アナルがぎゅうぎゅうチンコ締め付けちゃってる。
「はぁっもうイきそう…出すよ、あんたの中に全部…っ」
「あひっあッらめっはげし…っあ゛っあああんっ」
奥まで叩きつけるような高速ピストンを何度も何度もされた。気持ちよすぎて怖い。大川が俺で感じて俺のアナルに中出しするんだって思うともっと興奮して腰がビクビク跳ねる。
「ああッあんっあんッいいっすきっ…ああッあんッあぁんッ!」
「っはぁっいくっ…!」
パンパンパンパンパンパンパンッ!
びゅるっびゅるっビュルルルルッ!
また気を失ってしまいそうなほどガンガン突かれ、俺アナルずっとぎゅんぎゅん痙攣してて、一番奥までハメられた瞬間熱いものが中に出された。
「あぁっひあっ…あッあッ…ん、はぁっ」
イった後も俺の体がビクビクするの止まらなくて恥ずかしい。蕩けきってるだろう顔を見られたくなくて、俺は大川を抱きしめ続けた。
「大川……好き、ほんと好き」
これまでの鬱憤を晴らすみたいに何度も好きって言う。
「もう……そんなに言わなくていいから」
え、そうなの? むしろうざかった? と一瞬落ち込んでると、密着したまま激しいディープキスされた。
「んんっ……」
……って、また硬いのが当たってるんだけど。ちょっと元気すぎない? さすがにもう疲れた……でも気持ちいい……。
何かいろんな意味で今後が心配になりつつ、幸せ感じちゃってる俺やばいかもしれない。
end
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