Mのいきかた サンプル 02
ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ! ぐりっぐりっぐりっぐりっぐりっぐりっ!

「~~~っ!


ん゛ッ


ぉおおっ…っ


あ゛っ

あ゛~~~ッ…


」
全力のローターは思った以上に強烈で、痛いほど中を叩いた。痛いほどというのは啓介にとって褒め言葉でしかなく、ガンガンと前立腺を叩かれる感触に目を剥く。
もし誰に見られても嘲笑われていても気づけないというほど、体も頭も被虐の快感に支配されていた。最後まで言いつけは守り、壁にもたれながら震える腰を突き出す。
「ひっイっ

んおっ

お゛っ…

いくっ

いくっ


メススイッチごりごりされてっ、いっちゃうっ…


んぉっ

あっ

あ~~っ…


」
びくびくびくびくびくっ……びくんっびくんっ……

通常男では知り得ない倒錯的な快感と、廣瀬の嗜虐心をむき出しにした声が啓介をいかせた。前立腺を長く叩かれ続けたせいで絶頂もまた長く啓介を苛む。腰が痙攣し続け、ローターはイっている間も最大の振動を止めない。
「んあああああッ……


あ゛ひっ

あへぇっ…


い゛ってぅ


ンッ、あ~~~……


」
『――本当にイったの? 変態』
「あひぃっ…

ひ、酷い……ンッああぁっ……


」
『ま〇こトロトロにして、僕にハメてほしくなった?』
「ぅんっん゛っ

おち〇ぽ、ハメて

ローターじゃ届かない奥までっ…はあぁっ…


」
『そうやってずっと僕のこと妄想してろよ。こっちははもう寝るけど』
「そんなぁ……ふぅっ……ううっ……

」
結局廣瀬は来なかった。普通いくら焦らしプレイをしようが、最後には現れてセックス、というのが一般的な羞恥プレイだと思うのだが。
全く廣瀬は常軌を逸して酷い。そこに焦がれてやまない。
「はぁっ……ん……

」
余韻に胸を喘がせながら辺りを見回すと、先程とは別の男と目が合った。――見られていた。ローターで一人、乱れまくってイく姿を。
きゅんとアナルがしつこいほど収縮する。男は目が合うと気まずそうに逸した。スラックスの前がきつそうに膨れているのを見つけてしまい、ぞくりとした。
しかしああいう風に(ある意味)啓介の変態行為を黙認してくれる人は多くはない。日付が変わる頃には治安も一層怪しくなり、真っ当ではない人間が跋扈する。
濡れたパンツの違和感と戦いながら、啓介は繁華街から退散した。
「はぁ~……気持ちよかった……」
家に帰るとソファに体を沈め、高揚感を反芻する。一人暮らしの家の中は何の危険もないし落ち着けるけど、安全な場所ではあの興奮を味わえることはない。
――どこか物足りなさを感じている。結局ローターで一度イッただけだ。
『次は会ってほしいです』
廣瀬にメッセージを送った。当然のように既読もつかない。悲しいけどそこがまたいい。
決して「プレイに付き合ってくれてありがとうございます」なんて言わない。何故なら彼は啓介を喜ばせるつもりなんて更々なく、行動原理は自分が人を虐げるのが愉しいから、その一点に尽きるのだから。
世間ではSとはサービスのS、Mの望み通り虐めてやってこそ理想的なSであり、自分本位な自称Sなどお呼びでない、なんて風潮もあるけれど、啓介の理想とは違う。
Mが虐められたがっているから虐めてあげる、それは単なる予定調和ではないか。
全ては自分が愉しむため、嫌がっていようが虐めるしむしろ嫌がられたほうが興奮するね、という割と本気のゲスなサディストにこそ惹かれて止まないのだ。
その点廣瀬は生粋のサディストだ。啓介のことを暇つぶしの玩具としか思っていない。
虐められてむしろ悦んでいると知られたら、玩具としても捨てられてしまうかもしれないので、あくまで欲しい物を与えられず恥ずかしい目に遭わされる哀れな男として振る舞う。実際半分は事実なので嘘は吐いていない。
そう――廣瀬のSぶりは称賛に値するが、何せ扱いがぞんざいすぎて、あまり構ってもらえない。精神的にも肉体的にも極限まで辱められたことはなく、もう終わりかというところで飽きて放置される。
もちろん放置プレイも好きだけど、もっと、もっと、もう無理だと泣いて懇願してしまうくらい、ぐちゃぐちゃにされてみたい。
「はぁ……」
廣瀬にそれを望むのは間違っているのだろう。では誰に? と考えても、そんな相手は皆無だ。妄想ばかりが募っていく。
いつか満たされる日は来るのだろうか。いや、しょせん啓介の理想など絵に描いた餅、エロ漫画の中のセックス、つまりいくら妄想しても現実には一生縁がない代物なのかもしれない。
「……寝よう」
明日もきっと忙しくなる。ドラマをクランクアップした賢哉は少しの間オフだけど、そんなときこそ啓介は営業に勤しまなければならない。布団を被って無理やり目を閉じた。
思春期時代その一
時々昔の夢を見る。啓介は大学附属の中高一貫男子校に通っていた。
女はおらず、それなりに育ちのいい生徒が多く、大きく落ちこぼれることなく馴染みさえすればある程度充実した学校生活が保証されている学び舎。
入学当初の啓介は、今とは少なからず違っていた。小学校の中では勉強も運動も優秀で、女の子にも結構モテた。それゆえの自尊心と、思春期特有の「自分は特別になれる」と思い込む気質もあった。男子校であろうと女の子にもっとモテて自慢できるような彼女が欲しかったし、同級生より優位に立ってマウントを取りたかった。要するにイキっていた。
「彼」は、入学早々同じクラスで隣の席になり、真っ先に存在を認識した生徒だった。
忘れもしない名前は清家。嫌でも覚えてしまうような目立つ容姿をしていた。当時の背の順では前から二番目、声変わりもしておらず、ぱっと見はボーイッシュな女の子のようでもあった。
シャープな鼻筋に目は憂いを帯びた二重、口元は薄く控えめな横顔は人形のようで、そこらのアイドルよりもよほど可愛かったのではないか。
「清家って女の子みたいだな。ホントにチンコついてるの?」
一体どんなつもりで彼に突っかかったのか、今となっては当時と思考回路が変わりすぎて明瞭に思い出せない。ただ間違いなく、嫌いだったわけではない。目立つ彼を弄ることでクラスの中心の座を手に入れたかったのか、単に分かりやすくからかいたくなる容姿をしていたからか、はたまた気になる子に意地悪するアレだったのか。
「男子校なんだから、男に決まってる」
「マジ? なら見せてくれない?」
「嫌だよ」
「はあー、何で嫌なの? 男同士ならいいじゃん。やっぱり女なんだろ」
――自分で思い出しても鬱陶しい。嫌われても仕方がない。ただ清家がそこまで堪えていたようには見えなかった。
それに他のクラスメイトや先輩だって面白がって清家に絡んでいた。男子校で可愛い顔をしていればよくある冗談めいた絡み、だったはずだ。
中二になるとクラスが別れた。本格的に訪れた二次性徴の成長痛に悩まされたり、部活のレギュラー争いに躍起になったり、そのせいで成績が落ちて試験で苦労したり、中学生なりに大変な時期だった。所謂マンモス校でクラスが離れれば清家とは関わりも消え、考えることもなくなっていった。
その次に同じクラスになったとき、清家は別人のようになっていた。そして。
「ほら、脱げよ」
「い、嫌だ、そんなの」
「何で? 男同士だし恥ずかしくないだろ」
目の前には清家と、彼の友人のような、取り巻きのような二人。啓介は何がどうなってか、ターゲットにされた。
この時点で虐めというのは語弊があるのかもしれない。啓介だって自分のしたことを虐めだとは思っていなかった。あくまで脱げと迫る程度のことまでなら。
「早くしろよ。カンニングしたことバラされたい?」
「ダサいよな、カンニングとか」
「しかもやり方がバレバレで清家に証拠抑えられてるし。やるならバレないようにやらなきゃ」
そう、啓介は弱みを握られていた。その時はとにかくバラされたくないという焦燥で混乱していた。
啓介の家は父親がサラリーマン、母親は教師の一般家庭であり、貧乏ではないが特別裕福でもない。兄弟もおり、姉からは「お父さんお母さんは言わないけどあんたのところの学費馬鹿にならないんだから、勉強頑張りなよ。ほしいものはバイトできるようになれば買えるしわがままは禁止」と釘を刺されていた。受験をした小学生の頃は深く考えず、いい学校であればあるほど親を喜ばせられると張り切ってたけど、ちょっとした無理をして入れてもらっていたのだ。問題を起こしたらまずかった。
「やる気ないならもう職員室行こうかな」
「ま、待って、脱ぐ、脱ぐから……っ」
「お、マジ?」
言いなりになったところで弱みが二倍に増えるだけなのだが、啓介は従うことを選んだ。
清家はいつの間にか啓介より背が高くなっていた。子どもの頃抜群に可愛くても、成長と共に思わぬ骨格の変化で微妙な感じに……というパターンは彼には全く当てはまらなかった。骨格からパーツの美しさ、配置までが完璧なバランスを保たれている姿は奇跡に近いのではないだろうか。今やこの学校の誰より女に好かれる姿になっていると、全員の顔など知らなくても断言できる。
――向き合っているだけで、逆らおうという気が削がれる。清家もこんな綺麗な顔をして鬼なわけではない、脱いだら過去の復讐も果たし溜飲を下げてくれるだろうと。取り巻きの二人は上品な清家と違ってゲスな顔をしているけど、清家には従うはずだ。
カチャカチャとベルトを外しスラックスを脱ぐ啓介を、清家は容赦なくじっと見ていた。
「……普通のトランクスか。つまらないな」
「っ、もういいだろ、これだけで十分屈辱……」
「はあー、お前のパンツ姿なんて何の価値もないんだよ」
「ほんとそうだよ。女みたいに恥ずかしがって、ちんこついてんのか?」
「……っ」
「いいから早く脱げ」
下着姿で恥ずかしがる啓介に、取り巻きの嘲笑と、無価値なものに対する蔑む視線が突き刺さる。かあっと顔に血が上った。本当に何という屈辱だろう。
「ほら、スラックスは預かっといてやるよ」
「返せよっ、」
「だから早く脱げって。脱ーげ、脱ーげ」
取り巻きにスラックスを奪われる。これでは逃げることもままならない。仮に逃げたところで多勢に無勢、取り押さえられるのがオチだろう。
どうせ男同士だ。そんなに恥ずかしいものじゃない……。
微かに震える手でトランクスを下ろした。
中二で生えてきた毛の下には剥けておらず、かろうじてピンク色の先端が覗くペニス。
心臓の鼓動が耳元で不快に響く。――大丈夫、そんなに変なところなんてないはず。修学旅行でチラ見したクラスメイトの一物も、みんな同じようなものだった――。
「マジで脱いだよ。プライドないの?」
「恥ずかしー」
「べ、別にこんなの……っ、男同士だし……」
「本当に恥ずかしくないの? 信じられないな、男に脱がされて、座り込んで裸の下半身見せてきてるくせに」
清家の言いように総毛立つ。やっぱり、恥ずかしい……。
「つーかこいつのちんこピンクじゃね? もっとよく見せろよ」
「毛も薄いなー、ガキっぽいな、玉のほうとか全然じゃん」
「……っ、見るな……はぁっ……」
「お前が見せてるんだろ」
取り巻きは何が楽しいのか、啓介の恥部をじろじろと見てゲスに寸評する。
もう嫌だ。この場を収められるのは清家しかいない。憎らしい相手に救いを求める目を向けると――目が合った。清家とではなく、携帯のカメラのレンズと。
「~~っ、や、撮るな、やめろっ……」
「もう撮ったよ。お前の恥ずかしい姿」
「おー、さすが清家」
カシャリと、機械的なシャッター音が続けて何度か鳴る。啓介は絶望的な気分になった。上はシャツにベストとネクタイまでしっかり着込んだまま、下は真っ裸で教室の床に座っている、言い逃れができない恥ずかしい姿を画像に残されてしまうなんて。
「頼む、消して……っ、金も払う、財布に入ってるの全部……」
「そんなはした金はいらないかな。――そうだな、ばらまいてほしくなければ、そこでオナニーでもしてみたら?」
「――……え?」
一瞬時が止まったのかと錯覚した。今度こそ清家と目が合う。啓介を射抜くそれが、ぎらりと嗜虐的に光った。
「マジ? そこまでやらせるの?」
「すげーな、面白いけど、男のオナニーとかあんまり見たくないかも……」
ほら、取り巻きさえちょっと引いているではないか。なのに――清家が発言を撤回する様子はない。
それどころか、足で啓介のペニスをいきなり踏んだ。
「い゛っ……! ひぃっ、やっ、やめっ、ぅあっ」
「ほら、やってみろよ。それともガキみたいなち〇ぽだから、まだ使い物にならないの?」
痛みと共にとてつもない衝撃が走った。清家は本気であり、そして啓介に逃げる術はないのだと、体でも精神でも理解させられる。
ぞくっ……ぞくっぞくっ……
「ううっ……分かった、分かったから……っはぁっ…」
啓介は涙声で言って、自らペニスを握った。そこまでしても、「冗談だよ」という救いの言葉はかからなかった。
「……あれ、こいつもう勃起してね?」
「どんだけ溜まってたんだよ」
「ふぅっ……んっ、ん゛っ……」
「……」
三対の視線が啓介の不格好な下半身に突き刺さる。清家は静かになったが取り巻きは囃し立てるのを止めない。彼らが沈黙を嫌がるのも無理はない異様な状況だった。
「はぁっ……んっ、はっ、はっ……」
正直なところ、ある意味、ほんの少しだけ――オナニーを命じられて助かった部分がある。だって、擦れば勃起するのは当然のことであり、誰にでも訪れる生理現象だ。
本当は擦る前、清家に足で弄られたとき、いや、パンツを脱いで視線と嘲笑に晒され撮影されたときからペニスがじんとして、反応しかけていた。理由は全く分からなかったけれど。
だからなのか、握るといつもより敏感で、躊躇いながら擦ると痺れるような性感を覚える。とにかく勃起しかけていたと悟られたくなくてやけくそで扱いた。
「んっんっ……はぁっ、はぁっ……」
「……うわー、マジでシコってる」
「すげえな。俺なら誰に命令されても絶対無理」
まるで自分から扱き出した変態を相手するように、取り巻き二人が囃し立ててくる。清家ならまだしも、この二人には劣ったところなどないはずなのに、今や完全に見下される対象だ。屈辱以外の何物でもない。
「うぅっ……ひっ、う、んっ……

」
羞恥と屈辱で腰がビクビクと揺れる。早く終わらせたくて手が止まらなくなる。勃起すると敏感なカリが頭を出すのが不安を煽る。ペニスは全体的にまだ色素は薄く、その中でも普段露出しない部分はピンク色をしていて見られたくなかった。
清家が口を開く。
「感じてるの? 名取」
「ぅうっ……んっ、別にっ……はぁっ、んっ」
「息上がってるよ。いいんだろ。俺達の前でち〇ぽ扱いて、気持ちよくなっちゃったんだろ」
「違っ……はあぁっ……んっ、ん……

」
「何が違うの。名取は感じてないのに勃起するわけ? 普通無理じゃない。俺のこと好きなの?」
「そんなわけない……! もう、見るなっ……はぁっ…んっ……

」
「嫌いなのに勃起しちゃうってことは変態確定だな。女ならともかく男に見られて、子どもみたいなピンクのカリ丸出しにするなんて」
「うわ、清家容赦ねーな」
一度口を開いてしまえば清家の責めは止まらない。嘲笑に淫らな言葉を織り交ぜ、完膚なきまでに啓介を追い詰める。取り巻きの煽りなんて清家と比べれば全く子どもじみていた。
「はぁっ……

んっ、んっんっ……

」
「すげえな、ここまで言われて全然萎えないなんて。俺ならインポになりそう」
「……俺も撮りたいな、こんな面白いの。携帯置いてこなければよかった」
「取りに行けば、教室に」
二人に清家が提案した。静かに、毅然と。
「え、でもそろそろこいつイきそうじゃん。面白い瞬間見逃すかも」
「なあ、画像なら清家が撮って後で送ってくれたら」
「大丈夫、俺が見ておくから。――ゆっくり行ってきて」
最初引いていたのが嘘みたいにこの状況を楽しみ出した二人は名残惜しげだったが、清家には逆らわない。「ゆっくり」と言われた意味も無視せず忠実に従うだろう。
ドアが閉まって教室に二人きりになる。
「ほら、俺だけになったよ。だから、今までの三倍声出していいよ」
「~~っ、声、なんて……っんっはぁっ

」
「我慢してたよね。扱き方がヌルいし。ちゃんとカリも触ってあげないと、ビクビクしてるのに可哀想だろ」
「やっ……あぁ、見ないで……っ」
清家は手を伸ばせば触れる距離まで来ていて、じっと観察しなければ分からないペニスの細部まで見られている。
カリは触らないように幹の部分を扱いていた。いつも半分皮に隠れてるカリは敏感すぎるし、先端には先走りが溜まっていて、きっと一度触れたらどんどん溢れていやらしい音が出てしまう。
そんなところまで全部見透かしてくるなんて。
不意に顔が近づいて、耳元で囁かれた。
「敏感なところ弄って、気持ちよくなりたいよね。――それとも俺が弄ってやろうか?」
「ふぁあっ……

ひっ、ふっ

ふーっ……

」
「……冗談だよ、誰が男のち〇ぽなんて触るかよ。自分でやれ」
びくびくと体が制御不能に震えた。頭がくらりとして、気づいたら従っていた。
ぬ゛ちゅっ……ぐちゅ、ぐちゅっ、ぬぢゅっぬぢゅっ
「ひあっ……

あっ

先っぽ……ッ

んっふッあぁッ…

」
「……」
「~~っ

だめ、んっ、エッチな音聞かないで、っ…こんなの、んっあっ

あッ

」
「――変態」
ぞくぞくぞくぞくっ……

カリは確かに前から敏感だった。ただ、このときの快感はまるっきり未知のものだった。
先端に触れたら指に先走りがついて、濡れていると認識するとじんとしてもっと溢れてくる。出そうと思っていないのに上擦った恥ずかしい声が我慢できない。そして一度声を上げるとタガが外れて、カリの境目の辺りを扱く気持ちよさに負けた。
「はぁんっ……んっんっ…だめ、イッ、いくっ…

いく

んっんッ

見るなっあっ

あ゛あぁっ

」
「もうイくの? 一人で勝手に扱いて、見られながらイくんだ。ってか本当に女の子みたいな声出して、それ聞かれたらさすがにアウトだと思うな」
「あぁっ…だって、もう我慢できないっ…んっあっ

カリが、変になって…あっ

あっ…

」
「どうしようかな。二人が戻ってきて撮ってくれるまで我慢するべきじゃない?」
「あっ

ひぅっ……

嫌だ、清家、清家が見てくれればそれでいいからぁっ…

んっはぁあ……

」
「……」
これ以上撮影されたくないだけの方便だったのか、それとも切羽詰まって漏れた本音か。清家さえ判断に迷ったのかもしれない。啓介はとにかく「イきたい」と思った。限界寸前だった。清家が黙った内に幹を強く握って扱き、カリの先まで激しく扱く。
「あっ

はぁはぁっいく

いくっ

んっ、見ないで、いくとこ見ないでぇっ…


あっ

あんっ

ンいっ…

ひっあーーーっ……


」
びくびくびくびくっ……

びくんびくんびくんっ……
びゅるっびゅるっ……ビュルルルルッ……
びくつく腰が硬い床に打ち付けられるのも構わない。今までしてきたどんなオナニーより、遥かに強い快感だった。
「はぁっ……はぁっ……あぁ……

」
「……いっぱい出したね」
「はあぁっ……あっ

あっ……

もう、ゆるしてっ……

」
啓介にはこれ以上など想像できない恥辱を晒した。でも清家は、絶頂を目と動画に焼き付けても、まだ嗜虐的な目のままで。
「許す……? 誰が勝手にイっていいって言った?」
「~~……そんな、だって、はぁっ……」
愕然としていると、取り巻きたちが戻ってきた。
「清家ー、まだやってる?」
「携帯とってきたよ」
「――いや、もう終わったから」
下校時間が近づいてきたので表向き優等生の清家は余裕の表情で帰っていき、啓介は放置された。気づけば頬は濡れていて、腰には甘く重い余韻が残っていた。
殴るも蹴るもされておらず肉体的な痛みはない。彼らに何の得があるわけでもない。ただ啓介に屈辱を与えて貶めることで楽しんだだけだ。
間違いなくこの日、啓介の人生は狂い始めた。
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